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なんで?

 生後5カ月になった秋田犬の太郎は、もう立派な体躯に育った。昨年末に死んだ弁慶と比べてもほとんど遜色がないくらいに大きくなった。


 体は大きいが、まだまだ子供なのだろう、落ち着きがなく、写真を撮ろうとしても動き回ってなかなかうまくいかない。何とか全身を写すことができたのは上の一枚だけ。あまりよく見えないが、後ろ脚で立つと1m以上はある。もう少し大きくなりそうなのは、その食べっぷりから想像できる。かなり前から残飯にドッグフードを混ぜてやるようになったが、与えたら与えた分だけいくらでもペロリと平らげる。あっという間にドッグフードがなくなってしまうので、すぐに買いに行かねばならない。幼犬の間はしっかりした骨格ができるようにと、値段が高めの「サイエンスダイエット」を与えているため、その出費もバカにはできない。もうこんなに大きくなったのだから、もっと安いドッグフードに変えてやろうかと思っていたところ、妻がネットで「ブリーダー用のサイエンスダイエット」18kgという特価品を見つけ出した。普段ペットショップで買うものと比べれば、1kgあたりの価格はかなり安くなっている。GW前に注文したものが今週の初めにやっと届いた。

 さすがにこれだけの量があると重くて簡単には運べない。とりあえず犬舎の前に置いておいて、その内どこかに移そうと思っていたところ、思いもかけないことが起こった。ドッグフードの袋が何者かよって噛み切られてしまったのだ。
 それに気付いたのは一昨日の夜。太郎に餌をやりに行ったところ、袋が破れているのに気づいた。私はまだ開封していなかったので、妻が開けたのかなと思って、家に戻って確かめたところ、「知らない」との返事だった。それじゃあ、考えられるのはただ一つ、近所の野良猫がほのかに漂う匂いにつられてやって来て、袋を食いちぎって中のドッグフードを食べて行ったに違いない。まあ、それは私の管理不足だから仕方がないとしても、問題は目と鼻の先で野良猫がそんな傍若無人な振る舞いをしていても、番犬たる太郎がまったく反応しなかったことだ。家と犬舎のある塾までは少し離れていると言っても、太郎が吠えれば少しは聞こえるはずだ。かつての番犬・弁慶は何か異常があるとすぐに吠えまくって、その野太い声が家まで聞こえてきて、何かあったのか?と様子を見に行ったこともよくあった。それと比べれば、この太郎という犬はまるで鳴かない。鳴き声を聞いたこともほとんどないほだ。。ほんのたまに、ワン!と単発で鳴くことはあっても、吠え散らかすなどといった、番犬特有の鳴き方などしたことがない。「これじゃあ、番犬として役に立たないなあ」このところ太郎の話になるたびに必ず出る言葉である。太郎をもらいに行った家にいた太郎の親犬たちは、私たちに向かって大声で吠えかかってきたので、番犬としての資質に欠けているわけでもないだろうに、どうして鳴かないんだろう、不思議だ・・。
 そんな私がさらに驚いたのは、昨夜実際に野良猫がドッグフードの袋に首を突っ込んでいたのを目撃したことだった。「こら!!」と叫んで、その猫を追っ払った私だったが、その間太郎は一切吠えなかった。いくらなんでも、自分の目の前で自分の食べ物を野良猫が略奪しているのを見て、何も反応しないなんて信じられない。状況がまったく分かっていないのだろうか・・。
「本当にアホ犬だなあ」
もう私の太郎に対する評価は地に落ちてしまった。
 それでもこのままドッグフードを袋ごと犬舎の前に置いておけば、また野良猫に盗み食いされてしまう。太郎が番犬としてまったく機能しないのだから、別の防衛策を考えねばならない。本当に何のための番犬だ!!
 そこで、ドッグフードを大きなプラスチックの箱に移し替えてみた。


 これなら蓋も簡単に開かないし、噛んで穴を開けるわけにもいかないだろうから、きっと大丈夫だろう。しかし、太郎はどうにか訓練しなくてはいけない。せめて見知らぬ人が近付いてきたら、吠えるくらいのことはしてほしい。図体はかなり大きいが、中味はただの子犬だとすれば、今しばらくは我慢しなければならないかもしれないが、「バカ犬め!」と叫ぶようなことは徐々に少なくなっていくといいのだが・・。


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