２７回目

　月が変わってしまったが、４月２９日は私たち夫婦の２７回目の結婚記念日だった。節目の２５年をスルーしかけた年から早くも２年がたった。時が加速度的に過ぎていくのを嘆くのもアホらしくなってしまうほどだが、強いて時の流れを緩めたいとも思わなくなってきたのは不思議だ。昨年末から色んなことがありすぎて少しばかり感覚が鈍ってしまったのかもしれない・・。
　そうは言っても、結婚記念日を祝おうという思いは例年よりも強かった。お互いよく頑張ったものだと、労をねぎらいたい気持ちもきっと働いたのだろう、毎年結婚記念日に食事に行っているサンマルクにかなり前から予約を入れておいた。
　
　そう言えば、震災発生以来、食べ物の記事をこのブログに載せてこなかった。避難所で苦しい毎日を送っている人たちのことを思うと、「こんなものを食べました」という記事を書くのは憚かれた。意識してそうしたわけでもなかったが、何一つ役だつことをしていない私が嬉しそうに「おいしかった！」などとはとても書けなかった。それで何かが変わるわけでもなく、ただの自己満足に過ぎないのも承知しているが、被災地の人々の苦難を忘れないようにするためにも、せめてそれくらいの禁は己に課しておかなければならないと思っている。
　なので、今年は食事の写真は載せない。ただ、これも恒例となっている妻に贈ったバラの花束の写真だけは記念に載せておきたい。


　淡いピンクで少々おとなし過ぎる気もするが、私たちにはもうこれくらいの色合いがちょうどいいのかもしれない。しかし、バラはやはりゴージャスだ。このバラを眺めていたら、私たち夫婦がこれから目指すべき生き方は、「恬淡とした優美」なのかもしれない、と思えてきた。なんだか分かるようで分からぬ言葉だが・・。