山歩き

　ＧＷ中に高尾山に登られたゴジ健さんに刺激を受け、私も山登りをしてみようかと思った。しかし、高い山など登れるはずもない。せいぜい裏山なら何とかなるかな、と軽い気持ちで、太郎の散歩もかねて試してみることにした。


　家の近くにある公園の駐車場あたりから、細い山道が造られている。何年か前に電線をつなぐ鉄塔を建設するときに造られたものだ。今年一番の暑い日だったが、少し陽が落ちかけた４時頃、入り口に立った。
　「さあ、行くぞ！！」
と、どこまで登るのか、何も考えていなかったが、太郎が先陣を切ってくれるので、それに付いて行けばいいや、と呑気に構えていた。


　大して急でもなく、何の変化もない単調な山道が続き、登っていてだんだん退屈になってきた。元気な太郎に引っ張られて登っていくだけで、つまらないなあ・・と思い始めた。

　
　例えば、イノシシが出てくるとか、マムシに襲われるとか、スリル満点な山道だったら面白かっただろうが、ダラダラ続く山道ではそんな興趣も期待できない。「まずは鉄塔までは頑張ろう」と、萎え始めた気持ちを奮い立たせて登っていった。
　すると・・、


　ほどなく鉄塔にたどり着いた。もう少しヘトヘトになるくらい登らねばならないかと思っていただけに少々拍子抜けしてしまった。周りを見渡しても、そんなに高い地点でもないので、見晴らしはよくない・・。
　「何だ、こんな所か・・」
と、一緒に登ってきた来た妻に言ったら、
　「もう気が済んだでしょ。戻るよ」
と言われてしまった。もうこれで、それ以上先に行こうかどうか、迷うこともできなくなってしまった・・。
　というわけで、ゴジ健さんと比べては申し訳ないくらいの惨めな山登りになってしまった、お恥ずかしい・・。