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1号機

 読売新聞によれば、
 「東京電力福島第一原子力発電所1号機で、原子炉内の核燃料の大半が溶融し、高熱で圧力容器底部が損傷した問題で、東電は12日、直径数センチ程度の穴に相当する損傷部から水が漏れていると発表した。
 溶融した燃料は圧力容器の底部にたまっていると見られ、東電は、この状態が、核燃料の「メルトダウン(炉心溶融)」であることを認めた」
とのことだが、震災発生後2ヶ月以上経っても新たに深刻な事実が明らかになるほどだから、収束の目処がたっているとはとても思えない。1ヶ月ほど前に工程表なるものが発表されたが、炉心溶融が明らかになったことで、大幅な遅れが出るだろうと言われている。改めてその工程表を載せてみると、


 東電によると、「1号機の燃料棒は冷却水から完全に露出して溶け落ち、圧力容器下部に生じた複数の小さな穴から水とともに格納容器に漏れている可能性がある」というのだから、工程表の一番最初にある「原子炉を格納容器ごと水を満たして冷やす冠水(水棺)」のための作業が、頓挫したことになる。どう修正していくのか発表を待ちたいが、一号機の現状を図に表したものを見つけたので、それも載せておく。


 今まで東電は、燃料の損傷は一部だと説明していただけに、炉心溶解の発表はかなり衝撃的だったが、「圧力容器の温度は100~120度と安定しているため、事態がさらに悪化する可能性は低い」らしいから、慌てふためく必要はないのかもしれない。だが、「原子炉建屋地下に、深さ4メートル超とみられる大量の水がたまっているのが見つかった」との発表もあり、高い放射線量の汚染水が最大で3千トン程度もあると聞けば、どうしたって暗然としてしまう。さらに、2、3号機の原子炉についても「最悪の場合、1号機と同様のケースが想定できる」と東電が発表したようで、負の連鎖を断ち切ることはいつまでもできないでいるようだ・・。
 

 これが最新の一号機内部の写真らしいが、現場の作業員たちは、劣悪な環境のなかでも怯まず作業を続けていると聞く。まったく頭が下がる。そんな中、一号機で働いていた作業員が亡くなったというニュースが流された。「死因が放射能被害かどうか、しっかりと確かめてもらいたい」と菅首相は述べたそうだが、調査結果を包み隠さず明らかにすることがなによりも大事だ。原発問題で風評被害が広まるのも、政府の発表に信用が置けないからだろう。正確で迅速な情報開示がなされるよう願わずにはいられない。

 のどに刺さった棘のようで、なかなか抜けないのは心配だ・・。
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