goo

みうらじゅん

 みうらじゅん「人生エロエロ」を読んだ。
 「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」という文言で毎回始まる週刊文春連載のエッセイを集めて1冊にしたものであるが、週刊文春は毎週買っているにもかかわらず、このエッセイを読んだことは数回しかないので、まとめて読んでみるかと、買ってみた。
 みうらじゅんは私と同じ1958年生まれである(学年は彼の方が1年上)ため、書いてある文章の時代背景が全くよく分かる。「いやらしいこと」という内容は、クスクスと笑える程度のものから、「さすがにそれはないよ」と言いたくなるもの、さらには「そんな程度ならエロくないでしょ」と文句を言いたいものまで多種多様に渡っているが、同時代を生きてきた男として、自分の人生の裏面を改めて反芻させてもらったような気にもなれて、なかなか面白い一冊であった。
 とにかくどこを読んでも「バカだなあ」と言えるテイストがいい。かなり以前は深夜番組、とくに「タモリ倶楽部」でちょこちょこ見る程度だったみうらじゅんが、最近ではNHKのラジオやBSでレギュラー番組を持っているのには驚いてしまうが、どの番組を見たり聞いたりしていても、「バカだなあ」と感心してしまうのはすごいところだ。ここまでバカらしいことを追求できる生き方は尊敬できる。
 でも、この本を読んでいて、途中からすごく気になることが一つ出てきた。
「人生の3分の2」というが、これは「睡眠時間を含んだ総体の時間の3分の2か、それとも目覚めている時間の3分の2」のどちらなのだろう。後者だったら、中高と男子校だった私のような者なら「オレも!!」と言いたくなる人もいるしれないが、前者だったらさすがに白旗を揚げてしまう。睡眠時間が一日の3分の1程度だとすれば、人生の3分の2というのは目覚めているときはずっといやらしいことを考えていることになる。さすがにそれは驚異的だが、みうらじゅんだったらもしかして・・、と思ってしまうのは彼の人徳なのだろう、きっと。
 でも、そうすると、彼の仏像に関する造詣の深さはどうなるのだろう。仏像を見ながらでもずっとエロいことばかり考えているのだろうか・・。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )