goo

クレーマーじゃないんだけど

 ふと思いついて、ゴーヤの種(だと思っていた)から芽生えた苗を、種を買ったスーパー内の花屋に持って行った。
「あのお、こちらで買ったゴーヤの種からこんな物が出てきたんですけど、これは何ですか?」
 顔見知りの店員さんを見つけて尋ねたら、
「やだあ、ただの草ですよ」
「えっ??草?」
「やだあ、種からこれが?」
「ええ。いつになったらゴーヤらしくなるかな、と思っていたんですけど、ちっともならなくて・・」
「草ですよ、これは。種屋さんに文句言わなくちゃ」
 わかり切ったことながら花屋さんに断定されてしまうと少なからずショックで黙っていたら、
「どうしましょう、返金しましょうか?」
「いえ、いいです、そんなこと」
「でも・・」
「いえ、本当に。ゴーヤじゃないと分かっただけで十分です」
「種屋さんに言っときます」
「じゃあ、この苗置いておきます」
と言って、スーパーで買い物をしている妻に追いついて、やりとりを話したら、
「やっぱりねえ・・。あれは雑草にしか見えないよね、どう見ても」
「楽しみにしてたんだけどなあ・・」
などと話していたら、花屋さんが走ってやって来て、
「これ、お詫びです。ゴーヤの苗です」
と言って、ビニール袋を差し出した。
「いえ、そんなの悪いです」
と、押し返したら、
「こちらこそ申し訳ないですから」
と、ビニール袋を渡してくるから、
「う~~ん、そうですか・・」
と言って受け取った。なんだかクレーマーみたいで嫌な気持ちになったが、花屋さんは花屋さんでこうしなければ収まりが付かないのだろう。まあ、こういう場合受け取るのが、一番いいのかなあ・・。



 もらったゴーヤの苗は父の畑に植えてもらうことにしたが、問題は雑草と断じられた苗の処分だ。せっかくコツコツと育ててきたのだから、捨ててしまうのも勿体ないし、かと言って雑草を育てるのもバカらしい。妻は「今のままにしておけば」というのだが、どうしよう・・。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )