じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「共謀罪」が成立した朝に、三木清を読む

2017-06-15 10:54:24 | Weblog
☆ 私は、哲学者、三木清が好きだ。

☆ 学生時代、「人生論ノート」(新潮文庫)、「読書と人生」(新潮文庫)、「パスカルにおける人間の研究」(岩波文庫)を読んだ。

☆ 特に「人生論ノート」の巻末に収められた「個性について」という文章は、当時「生きるとは何か」を考えていた私に大きなヒントを与えてくれた。

☆ 三木清の「人生論ノート」、有島武郎の「惜しみなく愛は奪う」(新潮文庫)、倉田百三の「愛と認識の出発」(角川文庫)を通して、私は「生きるとは創造であり、創造とは自己実現である」という仮説を立てられるようになった。

☆ 戦時体制に入る前の短い時代に生きたこれら理想主義に燃える若者たちの手記に感動した。


☆ 少し前、NHK「100分de名著」という番組で、三木の「人生論ノート」が取り上げられていた。

☆ 三木の生い立ちと作品から、三木が、彼の生きていた時代とどう向き合っていたのかを学んだ。

☆ その中で関心をひかれたのは、彼が細心の注意を払ってこの作品を書いたという点だ。

☆ それが、文章の難解さ、よく噛みしめて味わわないとわかりづらい内容になっている理由だという。

☆ それは戦時体制、治安維持法下での出版というリスクを背負ってのゆえだという。


☆ 私は現憲法の下で生まれ、生きてきたから、思想の自由、表現の自由はごく当たり前のものとして捉えている。

☆ 三木が生きた自由のない社会がいかに窮屈であったか、想像しかできない。


☆ 今朝、「共謀罪」「テロ等準備罪」を含む「組織犯罪処罰法」の採決が強行された。

☆ 「組織的犯罪集団」って実にあいまいな定義だ。拡大解釈の恐れはぬぐえない。

☆ 「準備罪」の要件もあいまいだし、「周辺者」の問題は、監視、処罰の対象が一般人にまで拡大される恐れが大きい。

☆ かつての「治安維持法」の先例があるではないか。

☆ 組織犯罪処罰法は、共産党や左翼団体の非合法化を狙っているのではないか、憲法改正に反対する勢力を取り締まるのものではないかと疑心暗鬼にならざるをえない。


☆ ブログの書き込みにも注意が必要になってくるのか。

☆ いやな時代になってきた。私は、自公政権の歴史的暴挙忘れない。  

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