家庭という病巣(新潮新書) | |
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新潮社 |
★ 千葉県の小学4年生虐待死事件は痛ましい。父親から度重なる虐待を受け、それを学校に訴えたのに、誰も彼女を救えなかった。母親も、親類も、近隣の人々も、学校も、教育委員会も、児童相談所も、警察も。何かがおかしい。どこかがおかしい。
★ そんな思いに駆られて、豊田正義さんの「家庭という病巣」(新潮新書)を読んだ。初版は2004年になっている。それから14年、痛ましい事件は後を絶たない。
★ 本書では、第1章で「児童虐待とは何か ー 愛知幼児餓死事件」を取り上げている。我が子を段ボール箱に放置し、虐待の末、餓死させた事件だ。両親の幼児性、現実逃避、虐待の連鎖、生活のひっ迫。さまざまな問題が見えてくる。
★ 事件化するのは氷山の一角かも知れない。孤立化する「家庭」、未熟な大人、経済格差。「家庭」という病巣には根深い問題がありそうだ。