じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「クリミナル 2つの記憶を持つ男」

2019-08-31 23:41:24 | Weblog
★ 映画「クリミナル 2つの記憶を持つ男」(2016年)を観た。

★ 確か東野圭吾さんの小説だったか、脳を移植して別人格になるという話(「変身」)があった。「ブラックジャック」にも同様な話があったような。さてこの作品は、死亡した人の記憶を他人に移植するというもの。

★ といってもまだまだ未開発の分野。強硬に臨床に応用したのは、殺されたのがCIAのエージェントで、彼の記憶が国家の存亡に影響を与えるからだ。そして移植先に選ばれたのが感情を持たない凶悪犯。演じるのはケヴィン・コスナー。

★ ある青年がアメリカの核ミサイルを遠隔操作できるプログラムを開発した。それを狙って、サイコパス気味の無政府主義者やロシアが動き出す。それを阻止すべくCIAは動くのだが、プログラムの開発者ダッチマンを知るのは殺されたエージェントだけ。さて、プログラムは無事に回収できるのかというのが、一つのの話。

★ これに、記憶を移植された男とエージェントの家族のドラマが絡んでくる。サスペンスとヒューマンドラマが合体した感じ。

★ 見終わってみると、ケヴィン・コスナーの印象だけが強く残る。
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映画「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」

2019-08-30 23:00:08 | Weblog
★ 映画「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」(2007年)を観た。

★ 特殊な超能力を得た4人の若者が、地球を滅ぼそうとするエネルギー体から地球を守るという話。

★ こういう映画は頭を空っぽにしてただ楽しめるからいい。アニメならともかく、実写では映画でしか、それも特殊撮影を駆使してしか、表現できない映像が素晴らしかった。

★ 勧善懲悪で、とてもシンプルだ。
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芥川龍之介「六の宮の姫」

2019-08-30 20:45:53 | Weblog
★ 芥川龍之介の「トロッコ・一塊の土」(角川文庫)から「六の宮の姫」を読んだ。

★ 今昔物語を原典としている。エンディングは原典が良いのか、芥川版が良いのか、どちらとも言えないところだ。

★ 一言で言うと、不幸な姫の物語。そこそこの家柄の姫、不幸にして両親に先立たれたため、日々の生活にも困る有様に。かつて仕えていた人々は一人の乳母を残してみんな散り散りに。屋敷は崩れ家財はいつしか人手に渡った。

★ 女性の社会進出など思いもよらない時代、ましてや貴族の姫、男(あるいは家)の経済力に頼らなければ生きてはいけない。結局あまり好きでもないそこそこの地位の男の非公式な妻となることによって、暮らしを立てていた。

★ ところがその男、父の供として陸奥の国に赴任するという。非公式な婚姻は父親には知らせていないから、一緒に連れていくことはできないという。5年の任期が過ぎれば必ず帰ってくると言い残して男は旅立った。

★ しかし5年たっても男は帰ってこない。任地で政略結婚させられたのだ。

★ 9年がたち、妻と共に帰ってきた男。かつての姫のもとを訪ねるが、そこで目にしたものは、貧困の極みの中、臨終間際の姫の姿だった。

★ 原典では、姫の死をみとった男はその足で出家することになっている。芥川版では当時の名僧を登場させ、不甲斐ない女の魂の成仏を祈ってやれと言わせている。

★ 確かに原典では教訓的、説教的になってしまうが、まとまりとしてはよい。芥川版は、なんかモヤモヤした気持ちで終わってしまう。芥川はこの作品を通していったい何が言いたかったのだろうか。そういう意味では読者参加型の作品なのかも知れない。
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映画「特捜部Q 檻の中の女」

2019-08-30 00:21:08 | Weblog
★ 映画「特捜部Q 檻の中の女」(2013年)を観た。デンマーク映画ということで言葉は全く分からないが、字幕なので一緒か。なかなか見ごたえのある刑事ドラマだった。

★ 暴走しがちな殺人課の刑事、カール・マーク。応援を待たずにある建物に突入したものだから、同僚は殉死と寝たきり、自分も傷を負って、窓際部署に回されることになった。

★ 特捜部Q、それは過去20年間の未解決事件を洗い直す(書類を整理する)という退屈な部署だった。しかし捜査しかできないと自負する彼、同僚のアサドと共に未解決事件に挑んでいく。

★ 「檻の中の女」はある女性の失踪事件を追うというもの。ドキドキするつくり方になっていた。「特捜部Q]は人気を博し、その後もシリーズ化されている。
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「虫めづる姫君」

2019-08-29 20:40:44 | Weblog
★ 平安時代の短編集「堤中納言物語」から「虫めづる姫君」を読んだ。

★ 色恋命のセレブ社会の中で、虫に異常な愛着を持つ変わったお姫様の物語。現代は男女を問わず虫嫌いが多い。ノートの表紙に虫の写真が載っているからと嫌がる時代だ。蚊やハエや小さなクモならまだしも、ゴキブリなどが出現すれば大騒ぎだ。中には小さなショウジョウバエでさえ毛嫌いする子もいる。

★ 今から900年も前の時代だから、人々はもっと自然と共に生きていただろうが、セレブの世界はそうではないようだ。

★ 主人公のお姫様はとある大納言の娘というから地位も高い。お姫様の傍には何人もの侍女が給仕していた。そこそこの位の娘からなる侍女にとって、お姫様の虫好きは到底理解できない。虫好きだけではなく、当時の一般的な身だしなみのお歯黒や眉剃りもしないから、彼女たちにとっては全く理解できない存在だったに違いない。両親もなんとか普通の娘らしくしてほしいと説得するのだが、まったく聞く耳をもたない。むしろ理屈で言いくるめてしまうほどの才女だった。

★ 「人々の花蝶やとめづるこそはかなくあやしけれ。人はまことあり、本地たづねたるこそ、心ばえをかしけれ(人々が花や蝶やと大切にするのはまったくつまらなく、なぜそんなに大切にするのか不思議なことだ。人は誠実さがあって、モノの本質を探究しているのこそ、趣がある)」

★ 毛虫の様子やそれが変態する様子が面白いという。理系女子の祖のような人だ。

★ 狭いセレブ社会、風変わりなお姫様の噂はすぐに広まり、その姿を一目見たいと思う男たちも少なくなかったようだ。

★ 中には、ヘビのおもちゃを作って送る者がいた。さすがにお姫様も動揺したが、侍女たちのように逃げたりはしなかった。

★ 「生まれ変わったら極楽でお目にかかりましょう。蛇の姿ではいっしょについていけません」と返事の手紙を送ったところ、男たちはますますこの姫を一目見たくなった。

★ 今なら大したことではないが、当時は親や夫以外の異性に姿を見せることは想像以上に恥ずかしいことのようだ。男たちは女装してお姫様の屋敷に忍び込んだ。そしてその姿を見て、「案外、いい子じゃん」と思ったのだが、侵入がバレてしまい、みんな屋敷内に引きこもってしまった。最後は「次の巻に続く」で終わるのだが、その後が気になる所だ。

★ 色恋や人生の儚さ、一方で教訓や仏教説話が多い時代に、こういう作品が書かれ残されてきたのが面白い。 
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映画「第三の男」

2019-08-28 14:55:23 | Weblog
★ 夏期講座が終わって気が抜けたせいか、風邪をひいてしまった。のどの痛み、唾を呑みこむのさえ苦痛だ。じたばたしても仕方がないので、風邪薬を飲んでのんびりと、映画「第三の男」(1949年)を観た。

★ テーマ曲が有名だし、名作と評判が高い作品だが、なぜか今まで部分的にしか観ていなかった。

★ 終戦直後のウィーン。四か国により分割統治という複雑な政治状況下にあった。その街に友ハリーを訪ねてアメリカから男がやってきた。ホリー・マーチンス、売れない作家だという。ホリーはハリーのアパートを訪ねるが、彼は不在で門番の話によると彼の葬式だという。持ち金もなく途方に暮れるホリー。トラックにひかれて即死だというが、どうも腑に落ちない。事故現場にいたという第3の男の正体は。ホリーは好奇心に引きずられ、真相に迫っていく。

★ 影の使い方が実に効果的だ。カット割り、下水道内の逃走劇もすごかった。ストーリー展開もどんでん返しには驚いた。

★ 最後は有名な並木道のシーン。終わった後で満足感のある映画だった。 
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芥川龍之介「竜」

2019-08-27 17:39:37 | Weblog
★ 宇治拾遺物語「蔵人得業、猿沢の池の竜の事」(巻11第6)を読んだ。この物語は芥川龍之介によって「竜」(「地獄変・偸盗」新潮文庫所収)として翻案されているので、そちらも読んだ。

★ 奈良に恵印という僧侶がいた。大きな赤鼻をしていたので「鼻蔵」とあだ名されていた。この僧が若かりし頃、いたずら心から猿沢の池端に「3月3日、この池から竜が天上する」との高札を立てた。今でいうフェイクニュースだ。

★ 全くの法螺だったが、立札を見た人々の間で噂となり、瞬く間に広がった。最初は人々が騒ぐのを面白おかしく見ていた恵印だったが、話が大きくなるにつれて、少々恐ろしくなり、また自らつくった法螺話なのに、本当に竜が現れるのではと思えてきた。

★ そして、3月3日、猿沢池辺りは隣国からの人々も集まり大騒ぎ。竜の昇天を待ち構えていた。といって、現れるわけがない。それでも待ち続ける人々に一瞬の驟雨が襲った。見物人の中には竜を見たという人も現れた。恵印も見た気がしたという。

★ 科学が発達していない時代の話とは言え、あの猿沢池に竜が棲んでいるとは信じがたい。信じがたいが、もしかしてという半信半疑。流言飛語は人々の間に不安が広がっているときに広まるというが、人々の好奇心を微妙に刺激する時にも拡散するようだ。

★ その上、ウソが真実となる(あるいは真実と人々が思い込む)ところが面白い。善きにつけ悪しきにつけ。
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映画「宣戦布告」

2019-08-27 02:11:29 | Weblog
★ 映画「宣戦布告」(2002年)を観た。意外と面白かった。

★ 北東人民共和国(架空の国という設定だが、どう見ても北朝鮮)の潜水艦が敦賀半島で座礁。武装した工作員が日本に上陸した。戦争状態に陥ることを恐れる政府は自衛隊の投入を躊躇。警察力で対応しようとするが、武装したプロ集団相手では歯が立たない。警察官の犠牲者が出るに及んで、自衛隊に出動命令が出る。

★ しかし、自衛隊はあれど、有事対応のシステムは不十分。武器使用についてもその都度官邸に許可を求めるありさま。現場の隊員と指揮をする官邸(首相をはじめとする政治家たち)との温度差が歴然。法律でがんじがらめになっている中、時間がたつにつれて犠牲者は増えるばかり。

★ 事態は、アメリカ軍、中国軍も巻き込んだ世界核戦争の危機に及ぶ。

★ 有事体制の不備が恣意的に強調されている。「平和ぼけ」は日本の誇れる一面だと思うが、周辺諸国は虎視眈々と狙っている。

★ ところで、「北」の工作員たちは結局何がしたかったのだろう。
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思春期うつ

2019-08-26 19:06:38 | Weblog
★ 長期休暇明けは子どもたちにとって心と体のバランスが崩れやすい時期。先日、あるお母様からご相談があった(雑談のようなものですが)。

★ 中学生のお嬢さんが1学期から不登校だという。気分の起伏が激しく、病院で診断を受けたら「うつ」ということで、薬を処方されたが、あまり効果がなく困っているとのこと。

★ 病院を変えようかと考えているが、精神科はなかなか予約が取れなくてとのこと。

★ 体の病なら血液検査やX線、MRIなどさまざまな検査ができ、その結果も客観的に評価できるが、心のアンバランスは、そういうわけにはいかない様子。

★ 調べようによっては脳内物質の分泌異常や、ホルモン異常、自律神経の失調などが見つかるかも知れないが、どうやら気長に不調と付き合っていかねばならないようだ。

★ お母様は、娘が学校に行かないことで学習が遅れることを心配されていたが、焦る気持ちがストレスとなり、病を悪化させるので、気長にのんびりとやっていかれたらどうですかと話した。(子どもの気分に振り回される家族も大変そうだったけれど)

★ 新学期、どうにもやりきれない人もいるでしょうが、私は最近、生きることには目的はなく(それぞれの段階でも目標はあるかも知れませんが)、生きていることそれ自体が目的なんじゃないかなと思えてきた。

★ 自然の中でたくましく生きている植物や動物たちを見て、そんなことを思うようになった。
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阿刀田高「最期のメッセージ」

2019-08-26 16:37:57 | Weblog
★ 10分ほど時間が空いたので、阿刀田高さんの「最期のメッセージ」(講談社文庫)から表題作を読んだ。

★ 梨本というその男は、飲み屋の女に騙されて、さんざん貢がされた。会社の金にまで手を出した。会社をクビなるやカネの切れ目が縁の切れ目で、あっさりと捨てられた。

★ 復讐を誓った梨本氏。完全犯罪をめざして5年の歳月を待った。そして、遂に彼女のマンションに侵入。犯行に及んだ。

★ 完全犯罪を確信していた彼のもとへ刑事がやってきた。彼女がダイイングメッセージを残していたというのだ。

★ ローマ字で梨本の名前が書かれていた。梨本本人はなぜ彼女に犯人が自分だとわかったのかわからなかったが、勘のよい読書子にはわかる。

★ ここでは敢えて書かないでおこう。ヒントは「お富さん」。
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