★ 昨日の内田百閒、還暦を超えて全く「じいさん」の雰囲気が漂っていたが、今や人生100年時代。60などまだまだ現役だ。私なども10代(時には10歳未満)の人々と毎日接しているせいか、気持ちだけは若い。足と目の衰えは難儀なことだが。
★ さて、今日はまず歌野晶午さんの「放浪探偵と七つの殺人」(講談社文庫)から「有罪としての不在」、続いて江國香織さんの「犬とハモニカ」(新潮文庫)から「ピクニック」を読んだ。
★ 「有罪としての不在」は、学生寮で起きた殺人を論理的に解決していく話。誰が犯人としての可能性があり、どういう手口を使って逃げたのかを追究していく。出だしは物語調だったが、犯行が行われた後は論理学の授業のようだった。
★ 江國さんの作品はあまりに多く、「さてどれを読もうか」と迷ったが、何気なく「犬とハモニカ」を手にし、何気なく「ピクニック」を読んだ。結婚5年目。ピクニックを楽しむ幸せそうな夫婦(裕幸と杏子)なのだが、美しい文章で表現されたその雰囲気が何とも不気味なのだ。物語は夫の視線で書かれているが、物事に頓着しない妻の様子はまるで「ラブドール」のようでもある。
★ 妻の想いは書かれていないが、夫の名前を正確に覚えることができなかったり、何とも奇妙だ。杏子という名前から古井由吉さんの「杳子」という作品を思い起こした。
★ さて、今日はまず歌野晶午さんの「放浪探偵と七つの殺人」(講談社文庫)から「有罪としての不在」、続いて江國香織さんの「犬とハモニカ」(新潮文庫)から「ピクニック」を読んだ。
★ 「有罪としての不在」は、学生寮で起きた殺人を論理的に解決していく話。誰が犯人としての可能性があり、どういう手口を使って逃げたのかを追究していく。出だしは物語調だったが、犯行が行われた後は論理学の授業のようだった。
★ 江國さんの作品はあまりに多く、「さてどれを読もうか」と迷ったが、何気なく「犬とハモニカ」を手にし、何気なく「ピクニック」を読んだ。結婚5年目。ピクニックを楽しむ幸せそうな夫婦(裕幸と杏子)なのだが、美しい文章で表現されたその雰囲気が何とも不気味なのだ。物語は夫の視線で書かれているが、物事に頓着しない妻の様子はまるで「ラブドール」のようでもある。
★ 妻の想いは書かれていないが、夫の名前を正確に覚えることができなかったり、何とも奇妙だ。杏子という名前から古井由吉さんの「杳子」という作品を思い起こした。