じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

歌野晶午「プラットホームのカオス」

2022-11-30 21:42:44 | Weblog

★ 高校の期末テスト対策。1年生の数学は指数・対数。ルールさえ覚えてしまえばそれほどの難問ではないが、まず高校卒業後に使うことはあるまい。

★ 京都府の中学3年生の進路希望調査の結果が公表された。値上げラッシュのあおりで、公立回帰が起こるのではと思っていたが、公立退潮、私立優勢の傾向は変わらなかった。

★ 公的な修学援助の取り組みの成果ともいえるが、公立側としては、一部の進学校を除いて恒常化する定員割れをどうするか、考えてもらう必要がありそうだ。本来なら統廃合やむなしの学校もあるが、政治的な思惑(行政区の圧力)でなかなか進まないようだ。

★ さて今日は、日本推理作家協会編「ミステリー傑作選37 殺人哀モード」(講談社文庫)から歌野晶午さんの「プラットホームのカオス」を読んだ。

★ ある中学だろうか。その学校では数年前に体罰が問題となり、社会的な非難を浴びた。学校は指導方針転換を余儀なくされたが、甘い指導は生徒を増長させる。教師の指導などは屁とも思っていないし、理屈だけは達者だ。

★ それに、いじめが絡んでくる。ある遊び仲間のグループ。一見仲が良さそうだが、そこに階層がある。ヤンチャなボスと彼を取り巻く連中。そして、もてあそばれ、利用されている底辺の子。彼は仕返しを恐れ、誰かに告発もできず、「奴(ボス)がいなくなって欲しい」と心の中で祈るばかりだ。

★ そんな折、ボスがホームから転落して即死する。事故として処理されるが、本当に事故なのか。そして、次の事件が起こる。

★ いじめ問題の難しさは、いじめている方がいじめているという自覚を持たないことだ。いじめられている側が反発すれば良いと思うのだが、当事者にとってそれは簡単ではない。1対1の問題ではなく1対多の問題であるところも難しいところだ。

★ そして「いじめ」は子ども社会だけの話ではない。

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中嶋博行「鑑定証拠」

2022-11-29 14:55:26 | Weblog

★ 久々の雨。一雨ごとに冬が近づきそうだ。副反応が怖くてコロナの第3回目のワクチン接種を躊躇していたが、遂に観念して予約を入れてしまった。副反応が出ませんように。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選37 殺人哀モード」(講談社文庫)から中嶋博行さんの「鑑定証拠」を読んだ。

★ どうも不景気な弁護士事務所に電話が入った。今日は非番であるはずなのに、人手が足りないから被告の接見に行ってくれという。弁護士会の重鎮からの依頼なので仕方なく引き受けることにしたが、罪状が殺人、それに自白までしているという。にもかかわらず公判で一転無罪を主張するという難しい案件だった。

★ (弁護士費用も払えないということで)弁護士は依頼を断ろうとしたのだが、資産家の親族がいるということで、思い直した。いざ弁護と公判に臨むと、今度は検察側がDNA鑑定を持ち出してきた。

★ もはや負けは確定か。被告の言うことなど当てにはならない。逃げ出したくなる弁護士だったが。

★ 作者は現役の弁護士ということで、その業界の雰囲気がリアルに伝わってくる。華々しい法廷劇。その背後にある地道な捜査や調査が知れて面白かった。

★ 科学的な犯罪捜査は日進月歩。中でもDNA鑑定は犯罪者の特定や時には被害者・行方不明者の特定にも用いられる。高校生の生物の内容を見ると、私が学んだ40年以上前とは雲泥の差があることに気づく。中でもゲノム研究の進歩は目覚ましい。

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黒名ひろみ「温泉妖精」

2022-11-28 19:58:57 | Weblog

★ 朝起きて、身支度をして、買い物をして、仕事(授業)の準備をして、塾生の保護者の方に電話して、月に一度掃除に来てくれるニチイさんと12月の予定をすり合わせて、キャノンのコピー機のエンジニアの方が点検に来られて、授業をして、今日も1日が終わる。

★ 合間に、黒名ひろみさんの「温泉妖精」(集英社)を読み終えた。第39回(2015年)すばる文学賞受賞作。

★ 容姿にコンプレックスを持ち整形を繰り返す27歳の女性。楽しみといえば、あるブログを見て、そこで紹介されている温泉宿を訪れること。それもカラコンを入れ、外国人のフリをして、エリザベスと名のって。

★ 今回訪れた温泉宿は全くの期待外れ。収穫といえば、そこで例のブログの主らしい40歳代のおっさんに出会ったこと。

★ 「影」という名のブログ主。カネに不自由はしていないようだが、15歳以下の少女と隣家の「アキナ」というプードル犬しか興味がないというちょっと危ないオヤジ。たぶん女性経験もなさそうだ。「温泉妖精」の語源もこのあたりにある。

★ 温泉が期待外れなら、崇拝していたブログ主の本当の姿にも幻滅。2泊の予定を繰り上げて、帰ろうとしたのだが・・・。

★ どこでどうなったのか、最後は二人で混浴する。

★ 先の読めない作品だった。しかし、それが魅力なのだろう。読み切れたのはたぶんおもしろかったからだろう。

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小池真理子「彼なりの美学」

2022-11-27 18:47:40 | Weblog

★ 今日も日曜特訓。着々と受験の準備が進んでいる。

★ 昨夜は映画「サイレント・トーキョー」を観た。渋谷の交差点で爆弾テロが起こるというのは、先日読んだ野沢尚さんの「魔笛」の場面と似ていた。ただ、「サイレント・トーキョー」に宗教的な背景はなく、犯人がテロを実行する意味がイマイチわからなかった。

★ 「あんな動機」のために無差別に人を殺傷してよいものか。

★ 今日は、日本推理作家協会編「ミステリー傑作選37 殺人哀モード」(講談社文庫)から小池真理子さんの「彼なりの美学」を読んだ。

★ 26歳の女性、彼氏が他の女と浮気している場面を見てしまう。心の整理がつかず、あてもなく映画館で時間を過ごす。その帰り道、中年男から声をかけらえる。こざっぱりした清潔感はあるものの、容姿は醜く、どう考えてもタイプではない。

★ しかしこの男、審美眼だけはもっているようで、歯の浮くような言葉で、彼女をほめたたえる。ほめられれば悪い気はしない。それも失恋し自尊心が傷ついた直後だけに、弱った心に響く。女性は男と同居を始める。

★ 男は外国映画のように毎日甘い言葉を投げかけ、彼女の心を刺激する。一方、不思議なほど性的ないやらしさを感じさせない。男にとって「美」こそが至高なのだ。

★ しかし、「美」は失われるからこそ美しいともいえる。やがて、悲惨な結末に。

★ 何でも「ほどほど」というのが一番良いのかも知れない。

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重松清「鉄のライオン」

2022-11-26 18:41:32 | Weblog

★ 中学校の期末テストが終わり、次は高校の期末テスト。中学3年生は、いよいよ過去問をやり始め、高校3年生は公募制推薦入試の結果待ち。だんだん慌ただしくなってきた。

★ そうそう、年末年始の予定、冬期講座の案内を配布。今年は31日まで冬期講座があり、1月1日から自習室を開ける予定。早速塾生から「行きますよ!」という頼もしい声。

★ さて、今日は重松清さんの「鉄のライオン」(光文社文庫)を読み終えた。私とほぼ同年代の「僕」が主人公。1980年ごろの風景を懐かしく読んだ。

★ 一人の主人公が体験した出来事を断片的に描いた短編集。

★ 「東京に門前払いをくらった彼女のために」は、高校生時代付き合っていた男女が東京の大学を受験。男性だけが合格し、女性は地元に帰ったという話。竹の子族が一世を風靡し、ジュリーが「TOKIO」を歌っていた時代。「1981年ー。僕は、東京で暮らしはじめた」。

★ 「恋するカレン・みちのく純情篇」は、東北出身の友人の故郷を訪れる話。友人の話では地元に彼女がいて、熱々の遠距離恋愛をしているとのことだったが・・・。レコード、カセット、ウォークマン。今では懐かしい。

★ 「マイ・フェア・ボーイ」は、ドラマ「ふぞろいの林檎たち」が話題に。中井貴一さん、時任三郎さん、柳沢慎吾さん、懐かしい。観てたなぁ。

★ 「走れ!東上線ターボ」、友人を慕って後輩が上京してきた。その容姿が「気仙沼ちゃん」というから、これも懐かしい。欽ちゃんの番組に大笑いしていたなぁ。あの頃は心の底から大笑いができた。

★ 「洗いざらしの幸運」は、コインランドリーでのエピソード。「僕」の優しさが輝く。

★ 「4時間17分目のセカンドサーブ」は、20年を経て社会人になった「僕」の話。バブルを経て浮かぶもの沈むもの。人生万事塞翁馬だ。コナーズとマッケンローのテニスの試合が懐かしい。

★ 「君の名は、ルイージ」、いきなり村上春樹さんの「1973年のピンボール」が出てきて驚いた。まさに私と同時代人だ。双子の姉妹の物語。

★ 「僕と少女とブルーベリー」は、大人になって妻と娘をもった「僕」が家族とリゾートホテルを訪れるところから物語が始まる。朝食のブッフェでブルーベリージャムを選んだことから回想する大学時代のエピソード。当時大学生の「僕」は小学3年生の女の子の家庭教師に雇われるのだが、20歳の大学生の限界を思い知る酸っぱいエピソードだった。

★ 「さらば愛しき牛丼」。この作品を読むとどうしようもなく牛丼が食べたくなった。無駄に時間を消費できた学生時代が懐かしい。あの頃は人生が有限などとは思わなかった。

★ 「黄昏のイエローサブマリン」。学生時代、バイトをしていた居酒屋の同僚の女の子と「横浜ドリームランド」に行く話。ディズニーランドが開園した時代、ドリームランドに行くというのが良かった。大船駅のモノレール、当時は設計ミスで休止していたというが、その後復活したのか。懸垂型のモノレールって素敵だと思うけれどなぁ。

☆ 宇治駅、淀駅あるいは八幡駅辺りで、京阪宇治線、近鉄京都線、京阪本線をつなぐモノレールができたらいいのになぁ。

★ 「人生で大切なものは(けっこう)ホイッチョに教わった」は、「幸せって何だ」がテーマ。さんまさんの「ポン酢しょうゆ」が懐かしい。

★ そしてエンディングは「ザイオンの鉄のライオン」。この作品は結構グッとくる。「僕」は当時塾の講師をしていた。それも最底辺のクラスを担当。その中に1人、反抗的な塾生がいた。家庭に問題があるらしい。しかし、そんな彼は街の人々が目を背けるホームレス(愛称ボブ)と仲が良い。ザイオンとは旧約聖書に出てくる安息の地のこと。少年はボブが故郷に帰れるようにはたらきかけるのだが・・・。

☆ 昔、京都の河原町にも「ジュリーさん」という有名なホームレスがいた。その姿をイメージしながら読んだ。

★ 20歳の「僕」は年を重ねて、40、50となった。数々の経験を経て、知識も広がった。けれどまだまだ安息の地には遠いという作者に共感した。

 

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野沢尚「魔笛」

2022-11-25 13:43:57 | Weblog

★ 中学校の期末テストが終わった。連日熱心に通ってくれた塾生たちが、その成果を実感できるよう祈るばかりだ。

★ さて、ちょっと一息ついたので、野沢尚さんの「魔笛」(講談社文庫)を読み切った。面白い作品だった。

★ 新興宗教教団「メシア神道」の教祖に死刑判決が下された日、渋谷の交差点で無差別爆弾テロ事件が起こる。犯人は、その教団の残党だと思われた。

★ 主犯の一人はかつて警察官だった。公安課の刑事として教団に潜入していたのだ。潜入中に洗脳されたのか、それとも彼女の中にテロリストになる基礎があったのか。彼女は女性教祖と深い関係になることによって地位を高めていく。

★ 物語は、彼女と彼女を追う鳴海という刑事を中心に進む。それぞれに苦難を抱え、二人は一つの肉体に宿る二つの人格のように、引き合い、そして反発しあう。

★ この二人のドラマを中心に、新興宗教の在り方や公安警察の在り方が問われている。終盤、3つの場面をクロスさせる緊迫した描き方は素晴らしい。

★ 「魔笛」という表題は意味深だ。教祖に洗脳され、テロリストになり、最後は自らを消すこと望んだ捜査官。彼女はいったいどのような笛の音を聞いたのだろうか。

★ 常に敵を見つけることによって存続する教団、憎悪にこそ生きがいを感じ、憎悪を失うことによる喪失感に耐えられない人間。表裏一体ともいうべき煩悩と菩提の軋轢に耐えられない人間の弱さを感じた。

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唯川恵「過去が届く午後」

2022-11-21 15:54:56 | Weblog

★ 中学校の期末テスト対策が連日続く。1年でこの時期が一番忙しいかも知れない。最近は社会科で時事問題が出題されるので、予想問題を作る。

★ 人口が80億人になったことは出るかな。あとは、EEZ(排他的経済水域)やJAXA(宇宙航空研究機構)といった略称もの。マイナ保険証はどうかな。NASAのアルテミス計画は穴場かも。

★ 政治ものでは、習近平、アメリカ中間選挙関連(共和党と民主党)、G20の舞台となったバリ島。スポーツ・芸能ネタでは、紅白の司会者(大泉洋、橋本環奈)、サッカー・ワールドカップの開催国、ジブリパークなどはどうかな。

★ イギリスのスナク首相やトヨタやNTTが出資して次世代半導体を生産する新会社「ラピダス」、ツイッターを買収したイーロン・マスク氏などは少々難しいか。韓国の梨泰院事故も出るかも。

★ さて、時間がないので今日は短い作品を1つ読んだ。日本推理作家協会編「ミステリー傑作選39 完全犯罪証明書」(講談社文庫)から、唯川恵さんの「過去が届く午後」。

★ デザイナー事務所に同期で入社した二人の女性。1人は早々に才能に花を咲かすが、結局は結婚し今では田舎で専業主婦。何かと彼女から後れをとったもう一人の女性は、努力が実って賞を受賞。その受賞パーティで7年ぶりに再会した二人。物語はそこから展開する。

★ 再会したその日から、専業主婦の女性から送られてくる品々。かつて彼女が借りたものだという。送り物はエスカレートし、遂には・・・というもの。途中からエンディングは読めたが、やはりおぞましい。

★ さて、今日も授業を頑張ろう。

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加納朋子「裏窓のアリス」

2022-11-19 17:49:59 | Weblog

★ 期末テスト対策のすき間を縫って、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選39 完全犯罪証明書」(講談社文庫)から加納朋子さんの「裏窓のアリス」を読んだ。

★ 脱サラして開設間もない仁木探偵事務所。閑散とした日々を送っていたが、一人の少女(といっても本人の申告では20歳。結婚更に離婚の経験ありという)が事務所に飛び込んできた。探偵志望だという。

★ 何となく押し切られて、彼女は事務所にいついてしまった。そこで依頼が舞い込む。夫が自分の浮気を疑っているので、夫が出張の3日間、自分を監視してほしいというのだ。

★ 奇妙な依頼だったが、貴重なお客なので引き受けることに。3日間、何の問題もなく過ぎ、報告書を渡すことに。しかし、実は彼女の夫からも依頼を受けていたのだ。

☆ 蔵書の整理をしようと、文学賞受賞作を調べて一覧表にした。文学界新人賞、群像新人賞、文藝賞、新潮新人賞、すばる文学賞。渾身の1作で受賞した人あり、新人賞をきっかけにベストセラー作家になった人あり。時代の趨勢や文学賞の趣向が感じられて面白かった。

☆ 新人賞作品は発行部数も少ないので手に入りにくいが、主だったものは蒐集し、読んでみようと思った。

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原尞「240号室の男」

2022-11-17 15:38:26 | Weblog

★ 中学校の期末テストまで1週間となった。土曜、日曜、勤労感謝の日(水曜)は、1日中テスト対策に追われそうだ。コロナ第8波も心配だ。暖房、換気、電気代。

★ さて、今日は原尞さんの「天使たちの探偵」(早川書房)から「240号室の男」を読んだ。探偵・沢崎が活躍するハードボイルド。

★ 今回の依頼人は、喫茶店チェーンのオーナー。マネキンが人になったようなイケメンが高級外車に乗って事務所にやってきた。依頼は、娘の素行調査。

★ それから1週間。報告を聞きに男が再びやってきた。沢崎が調査結果を男に告げると、男は顔色を変え、最後は不満そうに帰っていった。

★ それからしばらく時がたち、今度は刑事がやってきた。その男が殺されたという。どうやら沢崎にも容疑がかかっているようだ。しかたなく、沢崎も事件解決に寄与することに。

★ オーソドックスな展開だが、トリックよりも探偵・沢崎の生きざまが面白い。

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森村誠一「途中下車」

2022-11-16 18:25:43 | Weblog

★ 日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 特別編4 57人の見知らぬ乗客」(講談社文庫)も残り少し。今日は、島田一男さんの「猿羽根峠」と森村誠一さんの「途中下車」を読んだ。

★ 「猿羽根峠」はある女衒の話。女を売り返す稼業もそろそろ潮時。50歳を前にして、寒村を訪ねて雪深い道を歩くのが苦痛になってきた。そんな女衒が女を足抜けさせる途上で経験した不思議な体験。

★ 雪深い北陸の情景がよく伝わってくる。

★ 「途中下車」は、事業に行き詰まり借金まみれ。もはや生きていても仕方がない。いっそ命を断とうと決意した男が主人公。その男の元に小学校の同窓会の案内が届く。

★ 今さら同窓会に出ている場合ではないが、これも最後。死に場所を求めて久しぶりに故郷に帰るのも悪くない。30年ぶりに旧友と再会し、それを最後にあの世へと旅立とうと考えた。

★ 古い友人との再会は一瞬にしてタイムトラベルをする気分だ。みんな小学生の頃に戻って、和気あいあいと時間を過ごす。それぞれ各方面で活躍している様子だ。二次会、三次会と進んでいくと、一人、二人と日常に帰っていく。

★ 最後に残ったのは主人公と景気の良さそうな男。しかし、それが見栄であることは、同じ苦しみを抱えるだけに、主人公にはわかる。そして・・・。

★ 人生、大概のことはなんとかなる。負け続けの人生だけれど。主人公たちを応援したい気持ちになった。 

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