じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「PLAN75」

2023-02-27 21:41:29 | Weblog

★ 公立高校中期テストまであと9日。近隣中学校の学年末テストまであと2日。いよいよ今年度の締めくくり。今日は新年度に向けて在塾生向けの継続案内をつくった。スポーツ選手の契約更改のように1年の成果が判定される。

★ 新規生の募集も急がねば。急に需要が増えたとかでラスクルは受け付けを止めていた。回復次第広告を発注しなければ。最近は新聞購読者が激減し、折り込み広告の効果も下がっているが。

★ さて、昨夜は映画「PLAN75」(2022年)を観た。少し前に、ある人が「高齢者は集団自決すべき」と言って話題になっていたが、この作品に通じるものがある。

★ 75歳以上の高齢者は安楽死を選択できるという法律が通った。主人公の女性は78歳。高齢を解雇され、月15万円程度の収入を断たれる。この分では住居からも退去させられそうだ。新たな仕事を探すものの、年齢でひっかかる。同僚の孤独死を目の当たりにして。彼女は遂に「PLAN75」を申請する。

★ 超高齢化社会、子どもに予算を回すには高齢者予算を減らさざるを得ない。手っ取り早いのは、先の御仁の説ではないが、高齢者に退場いただくということらしい。あくまで個人の意思を尊重するとは言いながら、外圧は強く、役所もキャンペーンを展開している。まるでマイナンバーカードの申請やコロナワクチンの集団接種のようだ。

★ 映画で描かれているのは架空の話だが、近い将来現実になるかも知れない。

★ 亡くなった高齢者たちの遺品を整理する職員の様子は、シンドラーのリストの場面を思い起こす。これも体の良いホロコーストなのかも知れない。現代版の「姥捨て山」だ。

★ この社会はかくも貧しくなってしまったのだろうか。

 

コメント

「トランプ」を知らない子どもたち

2023-02-26 14:28:27 | Weblog

★ 「トランプ」といっても某国の前大統領のことではない。カードゲームのトランプだ。

★ 中学2年生、数学の学年末テストの範囲は「平行四辺形」と「確率」。ところで、確率の問題で「トランプ」の問題が出される。

★ たとえば、トランプでジョーカーをのぞく52枚のカードがある。1枚ひいたとき、「ハートが出る確率はいくらか」とか「7が出る確率はいくらか」「絵札が出る確率はいくらか」といった感じ。

★ 至極簡単な問題だが、これがわからない生徒が意外と多い。そもそもトランプのことをよく知らないのだ。「7ならべ」や「ババ抜き」などで遊んだことはあるようだが、カードについてよく知らないのには驚いた。

★ マークが4種類(ハート、ダイヤ、スペード、クローバー)あることや、1つのマークについて13枚あること、絵札(J、Q、K)がそれぞれのマークに3枚ずつあることから説明しないといけない。

★ トランプを使った問題を出すときは、トランプそのものの説明から始めなくてはならないかも。この分ではサイコロもあやしい。

★ さて、時間の合間を縫って横山秀夫さんの「第三の時効」(集英社文庫)から「密室の抜け穴」を読んだ。女性の白骨死体がみつかり、容疑者も割れる。捜査員たちは彼をマンションに追いつけたのだが、踏み込んだ部屋はもぬけの空。監視は十分なはずだったのだが。

★ 事件そのものより、刑事たちの嫉妬やプライドなど人間味が面白かった。

コメント

韓国ドラマ「ナルコの神」

2023-02-24 23:08:58 | Weblog

★ 公立高校前期試験の結果が出そろい、まずまずの戦績をおさめる。息つく間もなく中学校そして高校の学年末テストだ。

★ 今日は、ネットフリックスで韓国ドラマ「ナルコの神(原題スリナム)」を観た。南米の小国スリナムで麻薬ビジネスを営む男と彼を捕まえようとする国家情報院のドラマだった。

★ 一旗揚げようとスリナム入りした民間人の男が国家情報院と協力して活躍する。民間人にしては肝が据わっている(銃を向けられてもビビらないし、自ら銃撃戦にも参加する)のはドラマだからか。

★ 「工作」で北に潜入するスパイを演じたファン・ジョンミンがこの作品では麻薬王を演じる。

★ ネットフリックスは次々と映画やドラマを制作しているけれど、よく資金が続くなぁと思った。

コメント

中嶋博行「検察捜査」

2023-02-23 17:27:02 | Weblog

★ 中嶋博行さんの「検察捜査」(講談社文庫)を読んだ。法曹界の現実と裏側を知ることができた。

★ 検察官は裁判官や弁護士と同じく、司法試験合格者が就任するという。近年、検察官を志望する司法修習生が減少。案件は増える一方なのに、このままいけば検察という組織さえ崩壊しかねないという。

★ そんな折、弁護士会の次期会長になろうかという重鎮が拷問の上殺害される。事件を担当したのは横浜地検の若い女性検事。男社会の法曹界、上司たちにも真っ向から意見を言うその態度は煙たがられる。しかし、彼女はそんなことは苦にもせず、県警と情報交換をしながら真相に迫っていく。

★ 事件の裏には、検察制度をめぐる2つの改正案があった。

★ こんなことで連続殺人が行われるのかは疑問に思ったが、権力の座にある狂信的な人の考えることは計り知れない。検察官を増やそうと司法試験合格者を増やしたことが結局弁護士の増やし、弁護士間の過当競争を招いていること。弁護士にもギルドといった派閥があることなど、勉強になった。

★ 一方、検察は組織権力の拡大を目指してじっと息をひそめて出番を待っているように感じた。

★ 法曹界の内部を知る作家ならではの作品だった。

コメント

相場英雄「ガラパゴス」(上)

2023-02-21 19:18:42 | Weblog

★ ここにきて猛烈な寒波。寒暖の差が大きいので体にこたえる。いよいよ明日は公立高校前期の発表だ。

★ さて、今日は相場英雄さんの「ガラパゴス」(小学館文庫)の上巻を読み終えた。先日、NHKのドラマを観たので、おおよその流れは知っている。しかし原作はさらに詳しく、日本における企業の実態、日本の資本主義を支える底(あるいは裏)の部分が描かれていた。

★ 警視庁捜査一課継続捜査担当の田川刑事は鑑識課に異動した同期の木幡に依頼され、身元不明者の捜査に当たる。その中で「自殺」と処理された不審な遺体を見つける。

★ 田川刑事たちは他殺と見て、再捜査に踏み切る。そこから見えてきたものは、派遣労働者、偽装請負といった社会の底辺で働かざるをえない人々の実態だった。

★ 文庫の帯には「聞こえるか。人間の壊れてゆく音が」と書かれている。人間も壊れていくが、日本の資本主義の崩壊の音が聞こえるようだ。「大企業にとって、非正規労働者は部品と同じである」という。

★ コスト削減、とりわけ人件費を削減しなければ国際競争に勝てない企業。しかし、人を大切にしない企業は長い目で見て生き残れるのだろうか。

★ 物語は下巻へと続く。

コメント

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」

2023-02-20 19:17:35 | Weblog

★ 伊坂幸太郎さんの「ホワイトラビット」を読んだ。タイトルは作品の中で主要な役割を演じる兎田孝則の名前から来ているのだろうか。

★ 兎田は焦っていた。愛妻を誘拐され、彼女を殺されたく無くば、ある人物「オリオオリオ」を捜して連れて来いというのだ。

★ 兎田はオリオオリオを追っていたが、ところが、どう間違ったのか、ある家に籠城するする羽目に。その家にもまた秘密が隠されていた。

★ さまざまな出来事が次々と絡んでくるところは伊坂作品ならではだ。ただ、この作品はところどころで作者が顔を出す。これにはちょっと違和感がある。作品の中で何度も出てくる「レ・ミゼラブル」へのオマージュなのか。

★ 伊坂作品の中ではイマイチだったが、とにかくハッピーエンドで良かった。

コメント

澤田瞳子「若冲」

2023-02-19 18:47:33 | Weblog

★ 公立前期テストの結果待ち、学年末テストまではあと10日ということで、束の間の平穏。

★ 今日は澤田瞳子さんの「若冲」(文春文庫)を読み終えた。力のある作品だった。

★ 伊藤若冲、1716年の生まれというから江戸時代中期から後期にかけての画家だ。京都は錦通りの青物問屋の主だが、旧家に馴染めない妻を若くして亡くし、これがトラウマとなったのか、家督を譲り隠居。妻を救えなかった悔恨の気持ちを好きだった絵に込める。奇抜な構図や色使いが人気を得る。

★ 絵の評判は高まり、寺院などから依頼が相次ぐが、心は晴れない。一方、妻の弟は若冲を姉の仇のように思い、その憎しみを自らの絵(主に若冲の贋作)に込める。

★ 憎しみ合い、すれ違いながらもこの両者はお互いがライバルのように切磋琢磨する。

★ この作品には日本史の授業で習った画家たちが次々と出てくる。池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁など。京で暮らす人々がまるで間近に見るように活写されている。すばらしい。

コメント

瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」

2023-02-18 19:38:42 | Weblog

★ 入試は前半の山場が過ぎ、朝から夜遅くまで教室を埋めていた塾生も少なくなった。ホッとする気持ちと一抹寂しさを感じる。

★ さて、今日は瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」(文春文庫)を読み終えた。

★ 幼い頃に母を病気で亡くした優子。わけあって親がコロコロと変わり、苗字が3回も変わる。ただ、どの親も良い人で、優子にあふれんばかりの愛情を注いでくれた。

★ 無事に高校を卒業するシーンは第1章のクライマックスだ。ジーンとくる。

★ 第2章は、優子が今の父親、森宮さんに彼氏を紹介するシーンで始まる。結婚を考えているという二人、森宮さんは強く反対する。若い二人はなんとか賛成してもらえるように努力し、そして遂に結婚式の場面に。この辺りになると号泣だ。

★ 出会い、別れた親たちが一堂に集まり、二人を祝福する。

★ 読み進めるうちに感動が高まり、クライマックスでどっと気持ちが爆発する。さすが、「本屋大賞」受賞作だと思った。

★ 親になると「明日が二つになる」(315頁)ってところいいなぁ。

コメント

ドラマ「スタートレック:ピカード」

2023-02-17 21:06:23 | Weblog

★ 高校受験、公立の前期が終わり、その結果を待つとともに中期に向けた最後の追い込みが始まる。大学受験の方は私立の結果が発表され、立命館大学、龍谷大学を受験した生徒は無事に合格。あとは国立の前期を残すのみとなった。

★ 録画しておいたNHKのドラマ「ガラパゴス」を観た(原作はまだ上巻を読んでる途中だが、待ち切れず観てしまった)。非正規労働者(派遣労働者)の過酷な現実、企業は正規労働者→非正規労働者→外国人労働者と労働者を変えて人件費を削減、更には原材料費までケチって利潤を上げようとする。そのツケは安全性の低下。

★ そして企業の知られたくない秘密を知った派遣労働者が偽装殺人されるというもの。久々に見る織田裕二さんの刑事姿。悪徳刑事を演じるのは伊藤英明さん。二人の対決が見ものだ。

★ 物価が上昇し、政府は企業に賃上げを求めている。賃上げの一方で、そのしわ寄せが非正規労働者や派遣労働者に回っているのではと気になった。

★ 「スタートレック:ピカード」第3シーズンの配信が始まった。ドクター・クラッシャーからの救援を求めるメッセージを受け取ったピカード提督はライカ艦長と惑星連邦外の領域へと旅立つ。迫力満点のスタートだった。これから毎週の配信が楽しみだ。

★ さて、高校対策の土日特訓もあと3回。そろそろ確定申告を準備して、また募集広告を作って、新年度に備えたい。塾経営は休む暇がないなぁ。

コメント

京都府公立高校前期入試

2023-02-16 21:56:20 | Weblog

★ 私立高校の入試が10日から12日。その結果発表が12日から14日。今年も無事に全員合格。ありがたい。そして今日は、京都府立高校の前期入試だ。

★ 国語は、李禹煥さんの「両義の表現」、野間秀樹さんの「言語存在論」からの出題。どちらも比較的新しいものだ。結構難解な文章なので、中学3年生でどれほど読めたか。古文は「沙石集」から「常州に、観地房の阿闍梨と云ふ真言師・・・」というもの。要は、会場の空気を読まず、長い説教をする導師を戒めたもの。

★ 式典でのスピーチなど、長い話をする人は確かにいるなぁ。「目出たき事も、人の心に飽く程になれば、益無し(どんなに素晴らしい話も人が飽きるほどでは意味がない)」という。

★ 生徒たちが受験に行っている間は結構暇なので、ネットフリックスで「メシア」を観た。内戦が続くシリアに1人の若者が現れた。辻説法で民衆に語り、いくつかの奇跡も見せる。彼は果たして救世主なのか、それともペテン師なのか。彼を巡って、アメリカ、イスラエルなどの情報機関が動き出す。

★ まだまだ続きがありそうな内容だったが、宗教がらみだけに第2シーズンの制作が難しいとか。

★ 葉真中顕さんの「コクーン」(光文社文庫)には「シンラ智慧の会」というカルト教団が出てくる。この世界は狂った神がつくった「悪の世界」ということで、東京駅前で銃を乱射し、多くの死傷者を出すというもの。モデルはもちろんあの事件だ。

★ 「メシア」では、新興の教団が生まれる背景、それが成長していく過程、そして既存の社会(価値観)との対立が描かれていた。人を救い、幸福を追求する宗教も一つ間違えばテロ集団と化する。人間と宗教との関係は興味深い。

コメント