じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

篠田節子「恨み祓い師」

2024-12-28 19:06:21 | Weblog

★ YouTubeで「量子力学」の解説を聞く。素粒子といった微細な(あるいは光やエネルギーといったものの)世界では、私が日常経験しているのとは異なった法則があるという。なかなか理解しがたいが、あらゆるものがあるリズムで振動し、その膨大な集積が(確率的に)私の体や取り巻く環境を形作っているというのは興味深い。

★ 呪文や霊界などといったものは直ちには信じがたいが、物理学がもっと進化すれば、ちゃんとした理屈が付くのかも知れない。私が五感であるいは六感で捉える世界など、大世界のほんの断片なのかも知れない。

★ オカルトチックな気分になったので、今日は篠田節子さんの「コミュニティ」(集英社文庫)から「恨み祓い師」を読んだ。

★ 老朽化したアパートに二人の老婆が暮らしている。母と娘だというが、もはやいくつなのか周りの者にはわからない。30年前にはすでに老婆だったという。

★ 家主の娘(といっても中年の女性)は夫の事業が傾き、この老朽化したアパートを処分したいと考えている。とはいえ、最後に残ったこの2人が出て行ってくれない限り、どうしようもない。行き詰まった娘はストレスからか気分が悪くなり、ふと気づくとある整体院で横になっていた。

★ 娘は、宗教家のような整体師を怪しく思いながらも、長年貯めたヘソクリを支払い、お祓いを依頼する。

★ 物語はますます謎が深まり、結局、いくつか謎を残したまま終わる。謎が謎として残るというのが気色悪い。これが狙いなのか。

★ 宇宙はダークマターやダークエネルギーで満たされ、我々が観測できる宇宙はほんの4分の1程度だという。マルチバース、異次元やパラレルワールドもあるのかも知れない。(あったところで、どうなるものでもないが) 

 

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柚月裕子「原稿取り」

2024-12-27 20:55:21 | Weblog

★ 冬期講座4日目。前半戦が終わる。明日、あさっては自習室を開放。家では集中できない受験生に使ってもらう。

★ 今日も短い作品。柚月裕子さんの「チョウセンアサガオの咲く夏」(角川文庫)から「原稿取り」を読んだ。

★ 大御所作家の玉稿を待っている編集者。遅筆の先生に何とか仕事をしてもらって、最終電車で帰り、翌朝出稿しなければいけない。編集長からは「死んでも原稿を貰って来い」と脅迫めいたハッパをかけられている。

★ 今の時代、メール送信やファックスがあるのに、手渡しを頑なに守るのは、大御所の流儀らしい。

★ 時間との戦い。冷や汗もので完成原稿を受け取り、最終電車に飛び乗った編集者だったが・・・という話。

★ シンプルなストーリーで、軽いオチで終わっている。それはさておき、原稿を巡る物語は松本清張作品を思い起こした。

★ この週末、奥田英朗さんの「オリンピックの身代金 下」、東野圭吾さんの「白鳥とコウモリ 上」を読み終えたい。百田尚樹さんの「永遠の0」、垣根涼介さんの「君たちに明日はない」、立松和平さんの「光の雨」、山田宗樹さんの「黒い春」も読み進めたい。

★ 中でも「光の雨」「黒い春」が楽しみだ。

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荻原浩「レシピ」

2024-12-26 18:27:31 | Weblog

★ 冬期講座3日目。あっという間にクリスマスが終わり、街は正月に衣替えする。

★ 今日は荻原浩さんの「月の上の観覧車」(新潮文庫)から「レシピ」を読んだ。

★ 60歳で定年を迎えた夫を待つ妻。30余年間に書き足したレシピ帳を繰りながら、若い頃の男性遍歴や家庭に入ってからの子育て、夫の味覚との戦い、義母の介護と言った日々に思いを馳せている。

★ 明日から家にいるであろう夫を思い、昼食は冷凍してあるご飯で炒飯をつくろうと思いながら、夫と離婚しようと心に決めている。

★ 夫と共に暮らした30年。それなりに苦楽を共にしたが、このまま生涯を終えることに彼女は抵抗を感じている。

★ 妻に三下り半を突き付けられる夫を思えば同情を禁じ得ないが、これも縁なら仕方がない。

★ 人生は長いようで、振り返ってみれば短いなぁと思った。

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東野圭吾「禁断の魔術」

2024-12-24 16:38:57 | Weblog

★ クリスマスイブ。朝から冬期講座。昼も夜も授業が入っている。ありがたいことだ。

★ 授業の合間に、東野圭吾さんの「禁断の魔術」(文春文庫)を読み終えた。さすがベストセラー作家の作品。とても読みやすい。

★ この作品はあらすじを書かない方が良いだろ。湯川先生のガリレオシリーズ。果たして「禁断の魔術」とは。

★ ドラマ版を観ていたので、福山さん演じる湯川先生と北村さん演じる草薙刑事の息詰まる緊迫感を再び味わえた。ドラマは原作に忠実につくられていた。

★ 東野作品、次は何を読もうかな。「白夜行」とか読みたいがあの太さには抵抗がある。ガリレオシリーズにするか加賀恭一郎シリーズにするか。

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湊かなえ「フランス人形」

2024-12-23 15:47:18 | Weblog

★ 近隣の小中学校は今日が2学期の終業式。うちの塾は明日から冬期講座が始まる。今年は暦の関係で7日間だけ。コンパクトになって、受講者も少なそうだ。少しのんびりさせてもらおう。

★ 今日はイヤミスの女王、湊かなえさんの「贖罪」(双葉文庫)から「フランス人形」を読んだ。期待通りのおぞましい作品だった。

★ 空気のきれいなある田舎町で起こった児童殺人事件。現場に居合わせた4人の小学4年生はそれぞれにトラウマを抱えながら成長している。

★ 「フランス人形」の主人公は4人の内の一人、紗英。彼女たちが住む田舎町ではそれぞれの家が持つ「フランス人形」を見て歩く、「フランス人形」ツアーが子どもたちの遊びだった。

★ 祭りのあった日、その「フランス人形」が何者かに盗まれる。時を同じくして、同級生の一人、エミリが中年の男に連れ去られ、凌辱され殺害される。

★ 紗英はこの時のトラウマで、女性として成長するのを拒み、それが体にも異変を起こしていた。そんなとき、会社の上司の勧めで、大企業の御曹司と見合いをすることに。優しい男性で周りに祝福され結婚。彼女は海外赴任する彼とスイスに旅立ったのだが・・・。

★ 独白形式がグングン迫ってくる。

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奥田英朗「オリンピックの身代金 上」

2024-12-22 21:38:04 | Weblog

★ 韓国ドラマを見ていると、よく悪霊が登場する。悪霊がヒトに憑依し、殺戮を繰り返す。

★ 日本のあちこちで物騒な事件が相次いでいる。北九州の女子中学生は本当にかわいそうだ。マスメディアは「動機の解明が待ち望まれます」と常套句を発するが、カメラに映る容疑者を見る限り、何ら動揺もなく、動機などなく衝動だけがあったのかも知れない。

★ さて今日は、奥田英朗さんの「オリンピックの身代金 上」(角川文庫)を読んだ。1964年(昭和39年)、アジアで初のオリンピック開催に向け、東京は国を挙げての都市改造に挑んでいた。

★ 戦後の復興を世界にアピールするという触れ込みに、政界、財界、官界はこぞって旗を振るが、実際に高速道路や競技場をつくっているのは、多くの出稼ぎ労働者であった。

★ 開幕が迫るのに、遅れる工期。そんな中、連続爆破事件が起こり、警察は極秘で捜査を進める。そして一人の東大大学院生が浮かび上がる。

★ 物語は、大学院生、捜査側と視点を変えて進行する。

★ 「草加次郎事件」という未解決事件があったことを知った。

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ドラマ「ギフト」

2024-12-21 22:12:24 | Weblog

★ 中学3年生、学校のクラブ活動は夏の大会で引退になるが、外部のクラブチームに所属している子どもたちは、年末まで練習をしている。クラブ活動が学校外に移行されつつある中、この傾向が広まっていくのだろうか。

★ さて、少し時間ができたので、久々にFOD(フジテレビの動画配信サービス)で、「全領域異常解決室」を観た。ドラマ「ST」に「スペック」を加味したような作品だった。「スペック」ほどの魅力は感じなかった。

★ 同じくFODでドラマ「ギフト」が配信されていたので観た。1997年の作品。これって、中学生がバタフライナイフを使って起こした不幸な事件のために長年お蔵入りしてたんじゃあ・・・。

★ 第1話から若い頃の全裸のキムタクが登場して度肝を抜かれる。室井滋さん、小林聡美さんの「やっぱり猫が好き」の二人。めっちゃ若い篠原涼子さん、忌野清志郎さんも出演。

★ とにかく長髪のキムタクがかっこいい。27年前にタイムトラベルをした気分になった。

★ 最終話のエンディングは、キムタクが携帯電話で話しながら自転車で走っている。今だと交通違反だね。

☆ 今日は冬至。かぼちゃの入った味噌汁をつくった。例年だと年賀状の準備に追われるが、今年からは返礼だけにしよう。昔は200枚、300枚と買った年賀状も今年は25枚だけ買った。

☆ そういえば最近郵便物がめっきり減った。値上げの影響が大きそうだ。

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歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

2024-12-16 19:02:49 | Weblog

★ 今年もあと半月。やりたいことはいっぱいあったけれど、やり残したことが多い。人生は束の間。健康寿命はあと何年あるやら。来年は悔いが残らないように燃え尽きよう。

★ さて今日は、歌野晶午さんの「黄桜の季節に君を想うということ」(文春文庫)を読み終えた。主人公は元探偵見習。知人の依頼を受け、「蓬莱倶楽部」という悪徳企業の犯罪を暴こうとする。

★ 物語はいくつかのエピソードが混在する。1つは探偵見習をしていた20歳ころ。あるヤクザ組織の依頼を受けて、敵対する組織に潜入する。この物語だけでも1篇の小説が仕上がりそうだ。

★ 2つ目は、主人公が70歳となった現在。終盤まで年齢はわからず、もっと若い人を想像していたが、どんでん返しを食らう。どんでん返しと言えば、あちこちに嘘が散りばめられていて、読み追って「ああそうだったのか」と納得するところが多かった。

★ 今年も芥川賞、直木賞の季節がやって来た。芥川賞は時代性や新奇性、文学の限界への挑戦といった視点が入り、結果的に難解な作品も多い。今年は一つも候補作を読んでいないので、果たしてどの作品が受賞するやら。

★ 直木賞は、月村了衛さんの「虚の伽藍」が面白そうだ。伊与原新さんの「藍を継ぐ海」も読んでみたい。「宙わたる教室」も読んでみたい。

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サイモン・シネック「WHYから始めよ!」

2024-12-11 20:38:31 | Weblog

★ 今年も残り20日。中学校は今週末から、小学校は来週から短縮授業になる。学校が早く終わると、時間を持て余した生徒が早くから塾に来る。授業の準備を早めに終わらせなければ。24日からは冬期講座が始まる。年末で塾をやめる生徒、1月から塾に通い始める生徒。入退塾が活発になってきた。

★ さて今日は、サイモン・シネックさんの「WHYから始めよ!」(栗木さつき訳、日本経済新聞)を読んだ。ビジネス本、啓発本というところか。

★ カリスマと呼ばれる人や企業には同じような特徴がある。それは「WHAT」からではなく、「WHY」から始めるところであるという。

★ キング牧師やアップル、ライト兄弟やケネディを例に挙げながら、「WHY」つまり理念が人を感動させ、信奉者を得るということが書かれていた。

★ 「なるほどなぁ」と感心した。自らの経営を反省してみた。

★ キング牧師の「I have a dream」。改めてすごい言葉だと思った。カリスマにはなろうとしてなれるものではないが、経営の参考にはなった。

★ 「変えたい!」という気持ちが大事なんだね。

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乃南アサ「幽霊」

2024-12-08 18:59:35 | Weblog

★ アマゾンプライムビデオで映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を観た。分断された合衆国。カリフォルニア州とテキサス州が分離独立。両州の連合軍がワシントンを目指して侵攻。それをジャーナリストが追うという設定だった。

★ 「分断」という今日的な話題。刺激的な予告編で期待していたが、本編はそれほどでもないように感じた。実際にあった話を基にしているだけに「ソウルの春」の方が面白かった。

★ 今日のニュースでは、シリアが政権崩壊とのこと。パワーバランスが壊れているのか、中東の火種が拡散しそうな勢いだ。

★ そんな世界的な動きを横目に見ながら、今日は乃南アサさんの「不発弾」(講談社文庫)から「幽霊」を読んだ。いわゆる業界モノ。

★ あるテレビ局のプロデューサーが主人公。かつてはワイドショーを成功させたが、嫉妬からか、妙な噂が社内に飛び交い、今は閑職に追いやられている。

★ 辛抱して7年。プロデューサーが左遷されたのと時を同じくしてテレビから姿を消したかつての青春スターがある企画を持ち込んできた。すっかり人を信用できなくなったプロデューサーだが、復活の機運に心が動く。果たしてリベンジできるか。

★ 今やテレビ業界は斜陽産業に仲間入りしそうだが、数字がすべての世界は厳しい。当たれば人が集まり、外れればまるで幽霊のように扱われる。

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