じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「鎌倉殿の13人」

2022-07-30 21:34:14 | Weblog

★ コロナ第7波は勢い衰えず、宇治市でも累計の感染者数は市民の10%に達しつつある。濃厚接触者を考えれば、コロナとかかわりのある人はまもなく多数派になりそうだ。

★ 私は今のところ感染せず、あるいは感染してもそれに気づいていないのかも知れないが、症状が出ていないので良しとしよう。「年寄りは外出するな」ということなので、大学時代の同窓会は早々と中止になった。

★ 今のところ行動制限はないというが、実質的に客足が減る飲食店は協力金をもらえない分大変そうだ。

★ 今日は夏期講座が休みなので久しぶりにちょっとゆっくりできた。昼間たまたま観た大河ドラマ「鎌倉殿13人」が面白そうだったので、これまでのストーリーをダイジェストで観た(ユーチューブのNHKのチャンネルで観ることができる)。

★ 小栗旬さん演じる北条義時が主人公だが、とにかく登場人物が多い。キャストはなかなか豪華だ。大泉洋さんの源頼朝は面白い起用だ。シリアスとコミカルの調和は、三谷幸喜さんの味付けか。

★ 平氏につくか源氏につくか、戦況を眺める有力者たち。源氏が有利と見るや勝ち馬に走る人々。政権をとるや権力争いに明け暮れる人間模様が面白い。

★ 史実を踏まえつつも、ドラマとしての面白さも見せてもらえる。

★ 山田五郎さんの「おとなの教養講座」は藤田嗣治を取り上げていた。その中で、「平氏、海軍、国際派は嫌われる」というのが興味深かった。海外で高い評価を得ながら当時の日本ではあまり評価されなかった藤田嗣治。同じ日本人からの嫉妬が強かったようだ。

★ 日本の学界は権威と呼ばれる人が幅を利かせ、そのイエスマンは厚遇されるが、逆らうものは概して冷遇される。美術界も似たようなものか。

★ 企業の人事も似たような感じ。組織共通の課題なのかも知れない。新風を嫌わない、異を唱えるものを排除しないというのは優れた経営者(トップリーダー)の資質なのかも知れない。なかなかできないことだが。

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森村誠一「永遠のマフラー」

2022-07-29 19:19:21 | Weblog

★ 夏期講座7日目。およそ4分の1が終わった。7月、中学生はクラブ活動が忙しく、来週あたりから、受講生が増えそうだ。

★ クラブ活動は近々学校から切り離され地域に移行されるというが、果たしてどうなるやら。勝利至上主義に走らなければ良いのだが。

★ 今日は森村誠一さんの「永遠のマフラー」(角川文庫)から表題作を読んだ。日本人、アメリカ人それぞれの士官候補生が演習航海で立ち寄ったパリで出会う。そして再会を約束して別れる。

★ 時代は太平洋戦争末期。日本は制空権を失い、もはや十数機のゼロ戦が雲霞のごとくの敵機と戦っていた。これまでにどれほど多くの戦友が死んだだろうか。

★ 最後のゼロ戦隊の隊長、矢橋茂雄はこの日もB29を中心とする大編隊と交戦する。そこでかつてのアメリカ人士官候補生ダニエル・スワンソンと再会する。敵機は被弾し、もはや瀕死の状態。矢橋はトドメを刺そうとしたが、パイロットがかつて再会を期した人物であると知って見逃した。

★ それから数十年。90余年の天寿を全うした矢橋の葬儀に、一人のアメリカ人の老人が参列した。ダニエル・スワンソンであった。いつの日か再会する日を期して、彼は矢橋の骨を拾った。

★ 戦争はなぜ起きるのか。好戦的な政治指導者の野心か。形の見えない世論が政治家を後押しするのか。資本主義経済のある段階の通過儀礼か。イデオロギー、宗教、民族。戦争は避けられないものなのだろうか。そんなことを感じた。

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エドガー・アラン・ポー「赤死病の仮面」

2022-07-28 15:54:45 | Weblog

★ コロナ第7波は若い人を中心に広がっている様子。塾生からもポツリポツリと感染の連絡が入ってくる。以前と違うのは、悲壮感のないことだ。もはやインフルエンザ程度の感覚になりつつあるようだ。

★ コロナの次はサル痘と疫病も慌ただしい。バタフライエフェクトの発想でいえば、地球の温暖化やグローバルな人やモノの流れが原因か。もっと突き詰めれば、何かるのかも知れない。

★ 先日の「天声人語」でエドガー・アラン・ポーの「赤死病の仮面」が紹介されていたので、読んでみた。短い作品だった。

★ その国では赤死病が感染爆発していた。感染してわずか半時間で全身から出血し死に至るというから凄まじい。エボラ出血熱のようなイメージか。実際は当時ヨーロッパで流行っていたコレラが想定されているという。あまりに劇症だと感染を拡大する前に宿主が死んでしまうので感染爆発にならないのではと思うのだが、そこはフィクション。

★ ある領主は側近の者1000名ばかりとともに僧院の奥深く立てこもり、外界との交流を断った。今で言うロックダウンだ。籠城していれば安全とばかり、連日饗宴、仮装パーティーに興じるが、ある時、血染めの死に装束を身に纏いとマスクをかぶった男が侵入してくる。

★ 領主は勇敢にもそれに立ち向かうが死んでしまう。側近たちも次々と死んでゆく。彼の正体はとマスクを剥がし衣装を脱がすと中には何も実体がなかったという。

★ なんとも不思議な話だが、目に見えない病魔はまさにそのようなものかも知れない。

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「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」

2022-07-26 18:15:06 | Weblog

★ NHKで放映された「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」が面白い。

★ 世界というがメインはアメリカ。サブカルチャーというが映画史が中心に据えられている。

★ 「理想の50’S」「闘争の60’S」「幻想の70’S」「葛藤の80’S」「喪失の90’S」まで観た。このあと「不信の2000’S」「分断の10’S」と続く。10年ごとの特徴をよく言い表している。

★ 人種差別、ベトナム戦争、資本主義。このあたりがアメリカの光と影を形づくっているようだ。

★ 共和党、民主党による政権交代もその時代の雰囲気を表している。ケネディ→ジョンソン→ニクソン→フォード→カーター→レーガン→ブッシュ→クリントン→ブッシュ→オバマ→トランプ→バイデン。概して民主党の大統領は期待をもって登場するが、結果的に実績が少ないような気がする。

★ 共和党の大統領は良かれ悪しかれ、仕事はするが、好戦的でもある。

★ 民主党出身であれ、共和党出身であれ、どちらもかなり裕福だ。かつては「WASP(白人、アングロ・サクソン、プロテスタント」が大統領の条件と言われたが、これからどうなるのか。

★ アメリカでは将来的には白人がマイノリティになるかも知れない。人種のるつぼ、あるいはサラダボールと呼ばれた国はこれからどう進むのか。

 

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三島由紀夫「急停車」

2022-07-25 21:31:10 | Weblog

★ 今年から夏休みの宿題にタブレットが増えた。まだまだ改良の余地はあるが、子どもたちは楽しそうに使っている。大人が想像するより、彼らは順応が早い。

★ タブレットといえど所詮は道具。それをどう使うかでその価値が決まる。

★ 今日は三島由紀夫の「殉教」(新潮文庫)から「急停車」を読んだ。杉雄は東京大学の法学部を出ながら、職からあふれ今は電気スタンドを手づくりし生計を立てている。

★ 戦時中に学生時代を過ごし、明日の生死もわからない緊迫した空気に郷愁を感じている(いや、危機的状況が日常化したがゆえに、むしろ冷めているのか)。

★ 戦いは終わったが、彼は戦いを渇望している。

★ ある外国人の婦人から電気スタンドの注文が入った。杉雄の腕を見込んでの依頼ではあるが、出来上がった作品にどうも納得がいかない様子。2度、3度とつくりかえを要求する。

★ 婦人の要求に辟易しながら、杉雄の職人気質は燃えだした。遂に自分なりに満足のいくスタンドをつくり、それを届ける途中で事故に遭う。けがはなかったが、スタンドを壊してしまう。

★ 折角の苦労が無駄になり落ち込むかと思いきや、杉雄はむしろ解放感を感じる。

★ さて、どう解釈すればよいやら。杉雄の解放感はどこからくるのか。スターリンが死に、周恩来が捕虜の帰還に関する声明を出した時代。戦争への道が「急停車」したことへの諦観なのだろうか。

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三木卓「朝」

2022-07-24 17:25:10 | Weblog

★ 夏らしい1日。授業は朝だけで、少しだけのんびりした時間を過ごす。

★ 昼からドラマ「CSI:科学捜査班」の「最終章 終わらない街ラスベガス」(2015年)を観た。2000年の放映開始から15年。グリッソムとサラのラブストーリーでのエンディングだった。

★ あの「ER 救急救命室」を抜いて全米1位になった作品だけあって面白かった。特にシーズン5あたりまでは快進撃だった。6,7あたりでマンネリ化を感じ、制作サイドでも変化を求めたのだろうが、グリッソムがレギュラーから退いた後は、イマイチ興味が薄れた。ちょうど「ER」のグリーン先生の死のように、一連のシリーズが終わった感じがした。

★ 「最終章」はグリッソムとサラ、それにキャサリン、ブラス警部などオリジナルメンバーが終結し、良かった。

★ 読書は三木卓さんの「砲撃のあとで」(集英社文庫)から「朝」を読んだ。この作品集には「朝」というタイトルの作品が冒頭と最後に2つある。

★ 最初の「朝」。少年が小学校のウサギを救おうと小学校に向かう途中、勇ましい将軍の像が現地の人に倒される場面に遭遇する。太平洋戦争末期、満州の人々が直面した惨状が描かれている。

★ イラクのフセイン政権が倒されたとき、多くの人々が銅像を倒し、それを破壊する映像が流れた。銅像は蹴られようと唾を吐かれようと、痛くも痒くもないのだが、権力の崩壊を象徴する場面だった。

★ 作品で描かれている瞬間もそんなところだろうか。早くも北方から異国の兵が押し寄せてくる。

★ 最後の「朝」は、引揚者の風景が描かれている。過酷な経験を通して、少年も成長した。少年の家族は果たして引き上げ船まで到達できるのか。

★ さて、また明日から忙しい日が続く。授業の準備を始めよう。 

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三浦しをん「遺言」

2022-07-23 16:32:01 | Weblog

★ 土用の丑。スーパーには鰻商品がいっぱいだ。年に1度の贅沢か。中には、よくこれほど薄く切れるものだと思うような鰻が数枚のった500円ほどの鰻丼もあった。(うちは鰻のタレだけ買って、鰻のタレ丼でもつくろうか)

★ バブルの頃は専門店に長蛇の列ができていたが、もはや過去のこと。

★ さて、今日は三浦しをんさんの「天国旅行」(新潮文庫)から「遺言」を読んだ。

★ 無くして初めてその価値を知るなんてことはよくある。健康や命は最たるものだ。この作品の主人公は死を目前にして遺書を書いている。

★ 遺書といっても、最愛の人への手紙といった感じだ。出会い、困難、危機、そして老い。素直に読めば、妻への手紙という感じだ。しかし、深読みすれば、果たして妻への手紙なのか、そもそも妻が実在するのかさえミステリーだ。

★ 人生は極めて主観的なものだ。遺書は主人公なりの総括なのだろう。

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万城目学「趙雲西航」

2022-07-22 17:08:01 | Weblog

★ 夏期講座2日目。朝8時半から夜10時までの授業はさすがにバテる。昼に3時間ほどの休憩があるので、買い物をしたり読書をしたりするのだが、活字の催眠効果は抜群だ。

★ なんとか、万城目学さんの「悟浄出立」(新潮文庫)から「趙雲西航」を読んだ。

★ 「三国志」のあるシーン。趙雲、張飛、諸葛亮が西に攻め上るため船で長江を移動している。歴戦のツワモノも船上にあっては少々勝手が違うようで、趙雲は船酔いのような不快を感じる。

★ 趙雲に的を当てたいるのがこの作品の特徴だ。趙雲は武人ではあるが劉備と義兄弟の盃を交わした張飛や関羽とはちがう。劉備に重用される軍師、諸葛亮とは全くタイプが違う。

★ 50歳に達し、当時としてはもはや人生の晩年を迎えようとしている。今さら帰るべき故郷はなく、なんとなく鬱を感じているようだ。

★ 組織の中で精いっぱい働き、自己満足も他者からの評価も十分にあるのだが、その先に何となく不安を感じている。現代のサラリーマンにも共通する心情かも知れない。

☆ コロナの勢いが凄まじい。ただあまり危機感が漂っていない。慣れかな。

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松本清張「凶器」

2022-07-20 17:03:23 | Weblog

★ 学校は1学期の終業式。塾はと言えば明日から夏期講座が始まる。

★ スケートの羽生結弦選手が競技生活に一区切りをつけるという。羽生選手は中学校2年生の英語の検定教科書「Here We Go!」(光村図書)にも取り上げられている。

★ インタビュー記事の形で、「あなたの人生のどんな出来事が、あなたを鼓舞(inspired)したのか」「高校3年生の時、カナダでトレーニングを始めたとき、英語でコミュニケーションできたか」「2018年のオリンピックの前に足をケガしたにもかかわらず金メダルを取った。辛い時でもスケートを続けた秘訣は」という質問に羽生選手が答えている。

★ 最後に「中学生へのメッセージを」と問われ、「懸命に努力してもうまくいかないときがあります。落ち込んでしまうこともあるでしょう。だけど、君たちは何かをすることができるので、それを見つけてください! 自信をもって、全力を尽くしてください。ぼくはいつでも君たちの味方です(I will always be on your side!)」で締めくくられている。

★ さて、今日は松本清張さんの「黒の画集」(新潮文庫)から「凶器」を読んだ。九州の田園地帯、刈り取られた藁積みの下から遺体が発見された。被害者は隣接する町に住む61歳の雑貨商の男で、鈍器による殺人だった。

★ この男は農家が副業として生産している蓑や藁帚などを仲買しているので、農家との付き合いはあるものの、何かとクレームをつけたりと評判はイマイチ。最近は都会から移り住んだ若い未亡人に気がある様子。

★ 警察はこの未亡人に的を絞ったのだが、物的証拠があがらず、捜査は行き詰まる。果たして凶器は、という作品だった。

★ 氷柱や冷凍されたトウモロコシでも凶器になる。ドラマ「古畑任三郎」では大量の小銭が凶器になっていたなぁ。

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町田康「犬死」

2022-07-19 19:40:06 | Weblog

★ 月1度医者に薬をもらいに行き、ついでに買い物をしていると豪雨に遭遇した。

★ 帰って着替えて、録画してあったNHK[「世界のサブカルチャー史」を観る。50年代、60年代と進んで、今日は70年代を観た。サブカルチャー史というタイトルであるが、映画史としても楽しめる。それぞれの時代背景に対応した映画が紹介されている。

★ 比較的のどかな50年代、冷戦が深刻化する60年代。ケネディ大統領の暗殺は衝撃だった。公民権運動の高まり、そして70年代は既成概念が崩壊していく。背後にはベトナム戦争の傷が見える。古き良き時代、強国アメリカが崩れ行く。80年代のレーガン大統領の暗殺未遂も衝撃だった。

★ 70年代の映画としては「イージー★ライダー」から「アメリカン・グラフィティ」「ゴッドファーザー」「ジョーズ」「地獄の黙示録」「ロッキー」「未知との遭遇」「スターウォーズ」「サタデーナイトフィーバー」「タクシードライバー」「ディア・ハンター」「クレイマー・クレイマー」が取り上げられていた。

★ 読書は町田康さんの「浄土」(講談社文庫)から「犬死」を読んだ。町田さんの作品は独特な雰囲気がある。

★ 「犬死」は最近不幸が続く主人公が、編集者に紹介された占い師を訪れ、予言を聞く話。ついでに「御守り」をもらう話。主人公の迷ったあげく10万円ばかりお布施に包んだとか。

★ 超常現象など笑って軽蔑するような主人公。でも、自らの不幸には何か理由を求めたがる。結局、占い師の思う壺なのだが。霊感詐欺が絶えない構図だね。

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