★ 夏期講座は27日間の内、8日分が終わった。世間ではコロナ・デルタ株の勢いが加速し、感染者の低年齢化も進んでいる。一層感染に気をつけていきたいものだ。
★ 「これが最後」と言いながら、頻発される緊急事態宣言。もはや日常化し、効果が激減している。そもそもが政府、とりわけ菅総理の発言が響かない。記者とのやり取りも言葉遊びの域を出ない。ご本人は真摯に対応しているつもりなのだろうが、それが伝わらないのは、(残念ながら)もはや人柄か。人事刷新、大胆な若返りが必要かも知れない。
★ さて、なかなか本も読めないが、「心に残る物語 日本秀作選 宮本輝編 『魂がふるえるとき』」(文春文庫)のページをめくっていると、川端康成さんの「有難う」が目についた。
★ 以前、映画「有りがたうさん」(1936年)を観た記憶がある。原作は川端康成さんだったんだ。
★ 「有難う」は川端版ショートショート「掌の小説」(新潮文庫)にも収められているので、そちらを読んだ。わずか5ページの短い作品だが、詩情豊に描かれている。
★ 伊豆半島あたりの貧しい漁村。昭和10年前後、折からの不況で食っていけず、母親が娘を売りに行く。遠い駅まで走る乗合自動車、今日の運転手は「有難うさん」だ。「有難うさん」というのはこの運転手のあだ名で、道で馬車や大八車や人力車や馬まで、追い越すたびに「ありがとう。」と頭を下げて敬礼する。その「人の好さ」を人々が評して「有難うさん」と呼ぶようになったという。
★ 一期一会と言うが、舗装されていない田舎道をガタゴトと自動車が走るうちに、娘は「有難うさん」に一目惚れをしてしまったらしい。
★ 暗い世相と人の運命。その一方で、「ありがとう」と繰り返されるフレーズ。一抹の救いを感じる。「今年は柿の豊作で山の秋が美しい」という。作品はこの文で始まり、この文で作品が終わっている。山の色彩が目に浮かぶ。
★ 「これが最後」と言いながら、頻発される緊急事態宣言。もはや日常化し、効果が激減している。そもそもが政府、とりわけ菅総理の発言が響かない。記者とのやり取りも言葉遊びの域を出ない。ご本人は真摯に対応しているつもりなのだろうが、それが伝わらないのは、(残念ながら)もはや人柄か。人事刷新、大胆な若返りが必要かも知れない。
★ さて、なかなか本も読めないが、「心に残る物語 日本秀作選 宮本輝編 『魂がふるえるとき』」(文春文庫)のページをめくっていると、川端康成さんの「有難う」が目についた。
★ 以前、映画「有りがたうさん」(1936年)を観た記憶がある。原作は川端康成さんだったんだ。
★ 「有難う」は川端版ショートショート「掌の小説」(新潮文庫)にも収められているので、そちらを読んだ。わずか5ページの短い作品だが、詩情豊に描かれている。
★ 伊豆半島あたりの貧しい漁村。昭和10年前後、折からの不況で食っていけず、母親が娘を売りに行く。遠い駅まで走る乗合自動車、今日の運転手は「有難うさん」だ。「有難うさん」というのはこの運転手のあだ名で、道で馬車や大八車や人力車や馬まで、追い越すたびに「ありがとう。」と頭を下げて敬礼する。その「人の好さ」を人々が評して「有難うさん」と呼ぶようになったという。
★ 一期一会と言うが、舗装されていない田舎道をガタゴトと自動車が走るうちに、娘は「有難うさん」に一目惚れをしてしまったらしい。
★ 暗い世相と人の運命。その一方で、「ありがとう」と繰り返されるフレーズ。一抹の救いを感じる。「今年は柿の豊作で山の秋が美しい」という。作品はこの文で始まり、この文で作品が終わっている。山の色彩が目に浮かぶ。