じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「花まんま」

2017-09-30 19:10:18 | Weblog
☆ 本との出会いは不思議だ。相性の合う本は読み始めると止まらなくなる。

☆ 朱川湊人さんの「花まんま」(文春文庫)から表題作を読んだ。

☆ ファンタージー系に属すのだろうか、ある女性が事件に巻き込まれ、21歳で命を絶たれる。その命が、少女に宿る。現実離れしているようだが、主人公の「兄やん」の大阪弁がいい味を出していて、作品に引き込まれてしまう。

☆ 亡くなった父親の言葉を胸に、小学5年生ながらも妹を守る「兄やん」はかっこいい。妹のフミ子はかわいい。

☆ フミ子が元の家族と再会する場面はやはり泣ける。母と兄妹の生活を思っても泣ける。

☆ 最後は、ホッとする終わり方で良かった。お兄ちゃんよく頑張った。拍手。

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「パワースポット」

2017-09-30 13:16:03 | Weblog
☆ 木皿泉さんの「昨日のカレー、明日のパン」(河出文庫)から「パワースポット」を読んだ。

☆ 最初あまり期待せずに読み始めたけれど、この作品は泣ける。最後は泣き笑いになる。

☆ 先日「ムムム」を読んだ。その「ムムム」ことタカラの話だ。

☆ タカラはテツコさんの隣に住んでいる。テツコさんの亡くなった夫、一樹とは幼なじみ。タカラはキャビンアテンダントをしていたが、笑えなくなって仕事を辞めた。貯金を使い果たし、実家に帰ってきている。

☆ タカラとギフ(テツコさんの義理の父、一樹の父親)との会話に目頭が熱くなる。

☆ 最後、タカラは再び笑いを取り戻した。そしてヒコーキ雲の先頭に立って、新たな道を切り開いていく。心地よい終わり方だった。
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林純次「残念な教員」

2017-09-29 22:02:03 | Weblog
☆ 林純次著「残念な教員 学校教育の失敗学」(光文社新書)を読んだ。

☆ 林氏が後輩教員に「かかってこいやー」と挑発しているようで面白かった。

☆ その挑発は林氏の熱情であり、残念な教員に指導されるかわいそうな子どもたちをこれ以上増やさないでくれという、心からの叫びに他ならない。

☆ 林氏の言う「残念な教員」とは、「生徒を成長させない」教員のことである。

☆ 第1章では、教育現場の実情をえぐりだしている。痛快なまでの内部告発だと思う。教員には同僚教員を批判しないという不文律がある。それは多分、批判が自分に返ってくることを恐れるからだろう。

☆ 「暴力教員に対して声を上げられない教員たち」の項では、子どものいじめの構造にも似た教員集団の組織風土を暴露している。

☆ 第2章では「教師の技術」について、ここまで書くかというほど細かく丁寧に解説している。林氏の言う「構いすぎの弊害」(80頁)にならねば良いのだが。昔の料理人は師匠や先輩を観察し、また客の食べ残したソースを味見してその技を盗んだというが、もはやそんな時代ではないのか。

☆ 以下、「教育現場における『評価』」「教員の成長」「授業について」「教員が技術を身に付けるつける順序」「身につけてほしい3つの力」と続く。後半は駆け足のように感じたが、紙数の関係なのだろうか。

☆ 林氏は「残念な教員」を「人間の皮をかぶったモンスターが、人間の子どもを騙して飯を食っている」と断罪する。そして、そうしたモンスターティーチャーにならないためにはどうすればよいのかを熱く語っていた。


☆ 「生徒を怒鳴る意味」、考え抜いて必要だと思って怒鳴っても、「怒鳴った日の一人反省会ではひどく落ち込む」(163頁)のところ、痛いほどわかる。
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生徒の暴力

2017-09-29 10:55:29 | Weblog
☆ ツィッター上に、福岡県の私立高校で生徒が授業中、教員に暴行をはたらくシーンが拡散していた。

☆ 加害生徒が使っていたスマホを教員が取り上げたため、それに逆上した生徒が暴行に至ったらしい。

☆ おもちゃを取り上げられた幼児のような出来事だ。ただ幼児なら許せても、高校生ともなると他人事ながら腹が立つ。

☆ この先生はよく耐えた。


☆ 今回、たまたま動画がとられ、SNSで拡散したから公になったが、こんな事件は他の学校でもあるのだろう。今は下火になったが、1980年代前半に動画サイトがあれば、荒れた中学校の現状が多く投稿されたことだろう。

☆ 生徒による対教員暴力、学校内での生徒同士の暴力、教員の体罰。学校、学級の閉鎖性に一因があるようにも思う。いっそうガラス張り(教室内の風景をライブ映像で保護者など関係者に公開するとか)にすればどうか。「プライバシー」や「人権」それにクレーム処理に教員の負担が増えるから、結局は難しいだろうが。

☆ 教員はむしろ恐縮しているそうだが、被害届を出せばいいのに。


☆ それにしても、「事件」を傍観したり、面白おかしくはやし立てる生徒たち。根は深そうだ。  
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急ごしらえの政権選択選挙

2017-09-28 14:39:11 | Weblog
☆ 大義なき解散には、節操なき合従連衡。似た者同士の戦いだ。

☆ 民進は、事実上の「希望」への吸収合併。政治アナリストの伊藤惇夫さんはうまいことを言った。そうだ「M&A」なんだ。小が大を呑みこむ。「華麗なる一族」だね。

☆ 倒産しかけの企業。販売網(地方組織)と既得権益(政党交付金)を持参金に、新興資本に身売りってところか。従業員(議員)は首を斬らないでねって。そうみると、前原代表は経営に行き詰まった中小企業の社長のようだ。「名を捨てて実をとった」って、中小企業の社長が合併を前に従業員に向けた訓示のようだ。


☆ 何はともあれ、形式上は「自民」対「希望」の政権選択選挙となりそうだ。

☆ 定数が465。公明30、共産30として、残り405議席の争いか。安倍総理は自公で過半数で勝利と随分ハードルを下げていたけれど、それだと自民が200余りをとればよいことになる。そこまで自民が負けることは考えにくいが、2党伯仲(保革じゃなくて、保保伯仲だね)はありうるかも。早々に再解散なんてあるかも。

☆ 政争にばかり明け暮れると、クーデターが起こるよ。戦前のように。 
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「ナイフ」

2017-09-28 11:00:11 | Weblog
☆ 重松清さんの「ナイフ」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

☆ 我が子がいじめにあっている。そのことに直面した家族の物語。話は父親の心象描写で進む。

☆ 学校、いや学校に限らずこの社会全体が今や戦場と化している。「悪意と策略と暴力と罵りと虚勢といらだちと退屈」(121頁)が、ターゲットを狙っている。

☆ 陰湿なのは、弱者を狙うということだ。それも集団で。その姿は野生の動物だ。そしてその集団も弱者の集まりで、自分が次のターゲットになることを恐れ、不安を隠すように虚勢を張っている。

☆ 極めて人間ぽく、極めて残忍で、極めて原始的だ。味方か敵か。価値基準はそれだけのようだ。


☆ 父親はナイフを手に入れた。弱い心をナイフで鼓舞するが、それを使うことはできない。ナイフに意思はない。

☆ 父親は子どもに寄り添うことで対処しようとする。物語はそこで終わるが、現実はまだまだ続くだろう。


☆ いつもながら、教師、学校の態度には腹が立つ。できればかかわりたくないのだろう。

☆ 親も教師も社会も、グレる子どもたちを腫れもののように扱う。その無責任さが、街を汚し、人を苦しめ、自らも苦しむ。

☆ 現代社会の殺伐とした空気、人間の心の闇をえぐり出すような作品だった。
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大政翼賛への道

2017-09-27 23:22:46 | Weblog
☆ 民進が解体し「希望」に合流、保守2党制、いや憲法改正に向けた大政翼賛体制ができそうだ。

☆ 民進党内の護憲派少数と日本共産党、社会民主党をのぞいて、すべてが改憲派になる勢いだ。

☆ 危機感が募る。
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政党崩壊

2017-09-27 23:05:38 | Weblog
☆ 目を疑った。民進党の前原代表が無所属で出馬するという。どういうことだろう。

☆ 「希望」との合流を前提に、「希望」が公認を選別するらしい。

☆ 「敵前逃亡解散」と誰かが言ったが、野党第1党の代表が無所属で出馬とは、結局は「解党宣言」のようなものだ。

☆ 代表1人がこんなことを決めてよいのか。党内の議論はしないのか。もはやそれもできないほど、空中分解なのか。

☆ 異例ずくめの総選挙だが、日本の政党政治が崩壊していくような気さえする。有権者は置き去りか。

☆ 呆気に取られて、言葉がない。
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野合

2017-09-27 17:20:14 | Weblog
☆ 民進党は「希望の党」に合流するらしい。野党だから文字通り「野合」ということか。

☆ もうこうなったら、節操も政策もあったもんじゃない。議員による議員のための選挙。こういのがポピュリズムの台頭を許すんだね。

☆ 小選挙区制度だから、自公対反自公という構図はわからなくもないが、選挙が終わったらまた分裂騒動では、政治不信は高まるばかりだ。

☆ 街中から「希望が、ゆきわたる国へ」という公明党ポスターが消えつつある。そりゃそうだね。小池さんもツミなお人。

☆ 首班指名に公明党の山口代表というのはどこまでが本気で、どこまでが自公分断の策なんだろうね。公明党は怒っているらしいが、選挙に勝つために、あっちへころり、こっちへころりとしているから、自業自得ともいえる。

☆ 政争。政党の慌てふためく姿は、見てる分には面白いが、私たちの未来を託すとなると心もとない。
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「シュガーレス・ラブ」&「ブラック・ティー」

2017-09-27 15:31:17 | Weblog
☆ 山本文緒さんの短編集「シュガーレス・ラブ」「ブラック・ティー」から、それぞれ表題作を読んだ。

☆ 心というのは不思議だ。外からは見えないけれど、片時も休まず、動き続けている。

☆ 「シュガーレス・ラブ」は、キャリアウーマンの物語。彼女は、アルバイトから這い上がり、遂にフードコーディネーターとして独立する時、食べ物の味を感じなくなってしまった。

☆ 味のない世界の中で、何とか食べられたのがシュガーレス・チョコレート。生きるということは甘くはない。最後、見栄も体裁も捨て、板チョコにかぶりつく姿が爽快だった。

☆ 「ブラック・ティー」は、バラの種類の名前だそうだ。褐色がかった沈んだ赤色をしている。

☆ 主人公は毎日何時間も山手線に乗っている。それは生活のため。

☆ ある日、彼女はバラの忘れ物を持ち帰る。警察官の優しい言葉に、張り詰めていた心が爆発する。


☆ 生きることは甘くない。そうツッパッている心がふとした瞬間に折れてしまう。心の澱が涙になって頬を伝う。 
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