★ 入試問題に評論文がよく出題されるので、仕方なく読んでいる。
★ 私が大学を受験する際は、川副国基著「現代評論」(学燈文庫)を読んだ。そこには、阿部次郎、安倍能成、、土居光知、小泉信三、和辻哲郎、岡崎義恵、三木清、小林秀雄、唐木順三、桑原武夫、伊藤整、亀井勝一郎、中村光夫、丸山真男、加藤周一といった人の作品が抜粋されている。なかなかの顔ぶれだ。
★ 時代は変わって、最近では、鷲田清一、内田樹、河合隼雄、村上陽一郎、山崎正和、池上哲司、河野哲也、池内了といった人の作品がよく取り上げられているようだ。顔ぶれを見ると、高校の国語教科書の影響がありそうだ。
★ 柄谷行人や吉本隆明、江藤淳や福田和也といった人々の作品も出題されるが、ちょっと癖が強いかな。
★ 今日は、福田和也さんの「甘美な人生」(ちくま学芸文庫)から、巻末の表題作を読んだ。後記によると「甘美な人生」は、福田さんの最初の文芸批評集であるという。
★ 他の評論に違わず、言葉遣いは難しいが、裏表紙の要約がありがたい。「この世の如何なる酸鼻であろうと許容し、愚劣で、無意味な生存を肯定する。此岸を「彼方」として生きる明確な意志さえあれば、人生は『甘美』な奇跡に満ち溢れている」
★ 「三つばかりなる捨て子」のエピソードは「なるほど」と思った。
★ 「文学者としての正体は・・・ぽおっと遊んでいる処にある」というところも良かった。
コメントありがとうございます。
若い人の読書離れが指摘され(昔から言われていますが)、書店が減り、出版不況が著しい中、これから評論家はどうやって稼いでいくのかと、他人事ながら心配になってきます。
大学で教鞭をとりながらといった人が増えるのでしょうが。
「千里の馬は常にあれども」の故事成語を思い起こします。
とはいえ、今よく出題される論者たちも、名前を確認しますとなかなか「良識的」というかあたたかみのある人々ですね✨
国語の世界に生きる人たちのウエットさをかんじます🍀✨✨✨