じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

柳広司「幽霊」

2025-03-24 17:36:33 | Weblog

★ 近隣の小中学校は今日が終業式。「あゆみ(成績表)」はどうだっただろうか。明日からの春休み、事故なく過ごしてほしいものだ。塾では春期講座が始まる。

★ さて今日は、柳広司さんの「ジョーカー・ゲーム」(角川文庫)から「幽霊」を読んだ。

★ 日中戦争が泥沼化する昭和15年頃。陸軍参謀本部は、皇紀2600年の記念祝典で爆弾テロが起こるとの情報を得た。どの集団がこの計画を立て、実行しようとしているのか。背後にイギリス総領事の影がちらつき、その真偽を探るため、スパイ組織「D機関」が動き出す。

★ D機関のエージェントはテーラーに勤める蒲生次郎という人物になりすまし、総領事の公邸に入り込む。総領事は白か黒か。この判断を間違えば、日英間の外交問題、更には戦争にも発展しかねない。

★ 物証を得るため、ある夜、蒲生次郎は領事館に忍び込む。

★ このストーリー、既視感がある。映画「陸軍中野学校」だ。映画では確か暗号ブックを盗むために領事館に忍び込んだような。映画では市川雷蔵さん演じる椎名次郎が活躍したなぁ。

☆ 共同通信の世論調査。内閣支持率の急落は予想通りだったが、私立高校授業料無償化に「反対」の声が大きかったのが意外だった。無償化といっても所得制限が撤廃されるということ。授業料とは以外に必要な費用がそこそこ高いこと。私学の便乗値上げの懸念。公立高校の存亡などを危惧してのことだろうか。

☆ 「サトウのごはん」が一部、販売休止とか。在庫米の放出で落ち着くかに見えた米不足。どうもまだまだ波乱がありそう。米が投機に使われているとか、外国資本の青田買いとか、いろいろと風評がささやかれているが、コロナ禍のマスク不足同様、不安心理から人々が買いだめに走っている面もある。

☆ 国内米が不足すれば外米に頼れば良いとか、コメがないならパスタやパンなど小麦製品に頼るなど、今秋の収穫まで腰を据えていれば良いのだが、右往左往は庶民の日常。政府が信用できないという状況もある。

☆ これで、不作となれば、本当に米騒動が起こるかも。政変の兆しか。財務省解体デモも不穏な動きだ。

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宮本輝「真夏の犬」

2025-03-23 16:21:14 | Weblog

★ 今日も好天、洗濯日和。朝は早めに起きたのに、ボーっとしている内にもう夕方が迫っている。

★ 今日できたこと。洗濯、風呂のカビ掃除、春期講座の予約表作成、昼食の買い物。これだけかぁ。

★ これからすべきこと。明日の授業の準備。春期講座の準備。新年度に向けた問題集の入れ替え。今年は中学校の教科書が改訂になったから、すべて入れ替えだ。少しずつ衣替えもしなければ。

★ 今日は、宮本輝さんの「真夏の犬」(文春文庫)から表題作を読んだ。昭和37年の大阪が舞台。主人公は少年。彼の父親は事業を興しては失敗し、借金まみれの日々が続いている。それがどういう風の吹き回しか、父親が大金を持って帰ってきた。

★ 知り合いがカネを出し合い広い敷地を借り、そこに解体のために廃車をプールする仕事を見つけたという。久々に輝く夫に、主人公の母親も幸せそうだ。ちょうど夏休み。少年には昼間、廃車の部品が盗まれないように監視する仕事が与えらえた。

★ 今のような冷却器具もなく、炎天を避けるには廃車となったダンプの下にもぐるしかない。ところが、昼飯時になると持参した弁当の匂いを嗅ぎつけてか、何匹もの野犬が群がってきた。

★ そのことを父親に話すと、父親は強力なパチンコをくれた。少年はそれで野犬を威嚇し、しばらくは退屈ながら平穏な時間を過ごしていたが、野犬も攻撃に慣れてしまったのか、パチンコ如きに怯えなくなった。それに数も増えてきたようだ。

★ さらに悪いことに、少年はダンプに荷台に女性の死体を見つける。どうやら薬を飲んで自ら命を絶ったようなのだが。

★ 絶体絶命。少年は大声で救助を求め、何とかその場は乗り越えたのだが・・・。

☆ 昭和30年代は野犬がいた。私も幼い頃、一人で外に出ると、野犬に襲われるとか「子取り」にさらわれるとかよく言われた。保健所がトラックで野犬狩りをしていたような(あいまいな記憶だが)。

☆ 都市部を少し離れれば、まだ舗装がされず、土ぼこりが舞うでこぼこ道が普通の時代だった。

☆ 天気が良いと花粉が舞う。目は涙目、鼻はムズムズ、それにくしゃみ。若い頃はこんなことはなかったのになぁ。体力が衰えたのか、環境が変わったのか。

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百田尚樹「幸福な生活」

2025-03-22 18:24:10 | Weblog

★ 雲ひとつない青空。桜の蕾はまだ堅そうだが、春が来た。今日は来訪者もなく、のんびりとした1日。

★ 百田尚樹さんの「幸福な生活」(祥伝社文庫)から表題作を読んだ。

★ 娘が結婚を前提につきあっている男性を家に連れてくるという。その到着を待つ夫婦。結婚して26年。それぞれの日々を振り返っている。

★ 妻は結婚と交通事故を節目に専業主婦となり、夫は信用金庫で大過なく30年過ごしてきた。2人の子どもにも恵まれた。ささやかながら幸福な日々を送っている。

★ 夫には一つだけ妻に言えない秘密があるが、それも彼の人生の彩のようだ。

★ ここまでは、昭和のホームドラマを見るようなのどかさだ。ところが、最後のどんでん返しにハッとする。

★ 「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんはすでに死んでいるとか、「ドラえもん」は植物状態ののび太の夢だという都市伝説を思い浮かべた。「サザエさん」は一家で事故に遭い、海に帰るといった話もあるねぇ。

★ さて、自堕落な生活を終え、25日からの春期講座の準備を始めよう。

 

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川上弘美「河童玉」

2025-03-21 20:58:38 | Weblog

★ 受験が終わり、時間的にはかなりゆとりがあるのに、こまごまとした仕事が相次ぎ、腰を据えての読書ができない。

★ 今日は、川上弘美さんの「神様」(中公文庫)から「河童玉」を読んだ。ファンタジーな物語。

★ 主人公と友人のウテナが寺で精進料理を食べた。ビールに酔ったのか、寺の柱にもたれてうつらうつら。眼前には、庭の池が広がっている。

★ その池から、声が聞こえた。やがて姿を現した。河童であった。その河童はウテナに恋の悩みの相談に乗って欲しいという。

★ 主人公とウテナの二人は、河童に導かれ池の中へ。河童の家に着いた。河童が言うのに、長年連れ添っている女河童との夜の営みが最近うまくいかないらしい。

★ 河童の世界で万病に効くという河童玉の座ってみても効果がなく、途方に暮れているという。

★ ウテナはこの河童にご託宣を述べるのだが・・・という話。

 

☆ テレビドラマ「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班」が、なかなか面白い。第7話、第8話では、ライブ配信者の女性の遺体が発見される。自ら命を絶ったようにも見えるが、違和感を感じた柊班は捜査を始める。

☆ 柊班は、ライブ配信者に多額の投げ銭をしている人物に行き着く。

☆ 最近、ライブ配信者が刺殺される事件があったから、興味をひかれた。

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村上春樹「彼女の町と、彼女の緬羊」

2025-03-20 17:33:08 | Weblog

★ 天気の移り変わりが速くなった。温暖の差も大きい。寒さ暑さも彼岸までというが、さてどうやら。そもそもがこの「彼岸」は旧暦かな。

★ 高校の合格発表が終わり、大学、高校ともに全員、進学先が決まった。昨日は小学校の卒業式。年々派手になるのが気がかりだが、女の子たちの袴姿が美しい。入学から6年。あの小さかった子どもたちが成長した姿に、親御さんたちの感激も一入だったらしい。

★ さて今日は短い作品。村上春樹さんの「カンガルー日和」(講談社文庫)から「彼女の町、彼女の緬羊」を読んだ。

★ かつて中学、高校と神戸で共に過ごした同級生。今は東京、北海道と別れ、職業も作家、旅行代理店と違っている。物語は作家の主人公がその友人を北海道に訪ねた話。

★ 旅先のホテルで観たテレビ番組。それはローカル局のローカル番組。町の広報のような番組だ。減反政策が進む中、町は畜産に力を入れているという。エッセイのような小説だった。

☆ 昨今はコメ不足。一時は新米が出れば価格が下がると楽観されていたが、コメもまた投機の対象になる資本主義社会。生産高は増えているのに、出荷高は減っているとか。消えた21万トンとも24万トンとも言われている。

☆ 外国資本が青田買いをしているとか、JA以外の集荷会社がため込んでいるとか。どうもはっきりしない。

☆ この飽食の時代でなければ、かつてのような「米騒動」(暴動)が起こりそうだ。ここ数十年、コメを大切にしてこなかった反動が来ているのかも知れない。

 

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中村文則「ゴミ屋敷」

2025-03-15 15:49:18 | Weblog

★ 決まった予定がなく、久々にのんびりとした週末。

★ 今日は、中村文則さんの「世界の果て」(文春文庫)から「ゴミ屋敷」を読んだ。

★ 妻が不慮の事故で亡くなった30代の男性。あまりのショックでか意識を失い、動けなくなった。回復の兆候を見せない患者に病院は困り、各科をたらい回しした後、たった一人の身よりである、彼の弟に引き取ってもらうことにした。弟も兄の世話に困り、親の遺産を使ってヘルパーの女性を雇うことにした。

★ そんな男性がある日目覚める。訳の分からない言葉を発し、鉄くずを集めては何かオブジェのようなものを作り始めた。困惑する近隣住民たち。

★ そのオブジェもやがては崩れ・・・という話。

★ ある日突然、予期もしない状況に陥るといったカフカの「変身」のような始まり。その後は、安倍公房作品のような不条理感が漂う。

★ 男は何を作ろうとしていたのか。いや、それを問うこと自体、意味のあることなのか。日常と非日常が入り混じった作品だった。

☆ ところで国政は政局の動きか。予算案が成立後、内閣総辞職。新政権の下で、都議選、参院選という流れか。自民党は高市支持(旧安倍)派対反高市派(麻生、岸田、茂木)の構図か。反高市派は誰を担ぐか。茂木氏か林氏か。なんてことを考えた。

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夏樹静子「二つの炎」ほか

2025-03-14 20:49:12 | Weblog

★ 近隣の中学校は今日が卒業式。好天に恵まれて良かった。感動的な式典だったらしい。

★ さて今日は、夏樹静子さんの「いえない時間」(光文社文庫)から「熱い骸」と「二つの炎」を読んだ。どちらも10ページ程度の掌編小説。

★ 「熱い骸」は、51歳の夫が寝室で亡くなっているのを妻が発見する。司法解剖の結果、致死量の睡眠薬が検出された。果たして、間違って大量に服薬したことによる事故死なのか、それとも・・・、という話。

★ 「二つの炎」は、同じベッドの上で、夫は妻が亡くなっているのを発見する。喘息の発作が起こったらしい。夫には他に愛人がおり、多額の借金もしていた。そこで夫はあるトリックを使う。

★ 年間の婚姻件数は約49万件。そして離婚件数は、約19万件だという。籍を残したままの別居や家庭内別居を含めれば、この数はさらに増えるだろう。

★ 選択的夫婦別姓の問題も話題になっているが、そもそも婚姻というシステムが揺らいでいるのかも知れない。

☆ ところで、アメリカ、ヨーロッパそれぞれで政治が流動化してきた。日本も石破政権への批判が高まっている。特に右寄りの人々からの退陣要求が強まっているようだ。次は高市政権なのか。論客の中には日本の核武装の話さえ聞かれるようになった。きな臭い時代になってしまったのか。 

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南木佳士「長い影」

2025-03-13 19:44:51 | Weblog

★ 南木佳士さんの「ダイヤモンドダスト」(文春文庫)から「長い影」を読んだ。

★ タイ国境地帯、クメール人の難民キャンプから帰国した医療スタッフの忘年会の様子。

★ たぶん、どこの難民キャンプもそうであるように、劣悪な環境に人々は置かれている。外国から医療スタッフが送られてはいるものの、ヒトもモノも不足している。野戦病院に近い。それに、熱帯の気候は温暖化地方からのスタッフには厳しすぎる環境だ。

★ 何はともあれ、彼らは無事に任期を終え帰国した。

★ 主人公の医師もその一人。一次会が終わった後、スナックで飲んでいると、医療スタッフだった一人の女性が隣に座り、絡みだした。彼女は現地での医療について不満を述べる。酒も回りだしもはや泥酔。何とか寝室まで送り届け、自らは大浴場につかっていたのだが、そのとき・・・という話。

★ 短篇だけれど、読みごたえがあった。

 

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永井龍男「名刺」

2025-03-12 13:57:17 | Weblog

★ 確定申告書を提出。今年もe-Taxは挫折した。税務署は意外と空いていた。これもe-Taxの恩恵か。

★ 定額減税の記入欄を見過ごしていたので指摘され、書き直した。ともかく減税はありがたい。(いつか増税になるだろうが。いや物価が上がった分、消費税として支払っているということか)

★ さて今日は、永井龍男さんの「青梅雨」(新潮文庫)から「名刺」を読んだ。短い作品。

★ 印刷所を経営する男。資金繰りに窮している。そんな折、かつて商業学校の同級生が金融機関を紹介してくれるという。

★ あまりにうまい話。金融機関の支店長にも会い、融資はしてもらえそうだが、どうやら不正融資のからくりがあるようだ。

★ 気は進まないが、支払いが苦しい。主人公が思い悩んでいる時、警察署から知らせがあり、仲介してくれている同級生が死んだと知らされる。

★ どうやら事故死のようだが。

☆ 確定申告が終わって気が抜ける。17日には公立高校中期入試の合格発表。大阪では伝統校の定員割れがニュースになっていた。高校授業料無償化の拡大(授業料以外にもカネはかかるが)で公私のバランスが崩れそう。公立高校は統廃合の季節を迎えそうだ。

☆ 25日からは春期講座。また新しい年度が始まる。

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重松清「キャッチボール日和」

2025-03-10 18:26:42 | Weblog

★ 確定申告の資料が全部そろった。あとは申告用紙に記入するだけ。

★ さて今日は、重松清さんの「ナイフ」(新潮文庫)から「キャッチボール日和」を読んだ。

★ 元甲子園をめざした2人。地方大会ベスト4まで進んだ。高校卒業後はそれぞれの道に進んだ。それが団地に住むようになって再会。家族ぐるみの交流が始まった。

★ 二人には、同い年の子どもが生まれた。1人は男の子で、一人は女の子。不慮の事故で女の子の父親は亡くなり、男の子の父親が父親代わりを努める。父親は息子にも野球を勧めるが、息子は運動が苦手。性格も内気なためか、学校でもいじめられる存在に。

★ あまりのいじめに、心を病み、学校へも行けなくなった。父親は「キアイとコンジョウ」だと諭すが、それだけではどうにもならない。いつしか父と息子の関係は冷えるばかり。

★ 物語は女の子の語りで進む。いじめの現実を目にするが、積極的に止めることはできない。いわゆる傍観者。そんな自分に疑問も感じている。

★ 遂に男の子は転校することになった。父と息子の関係は冷え切ったままだ。そこで女の子は一肌脱ぐことに。

★ プロ野球で活躍した荒木大輔選手を織り交ぜながら、心に響く作品だった。晴れた日、気の合った者同士(あるいは少々気にいらなくても)キャッチボールをすれば、戦争も格差もなくなるかもという女の子の願いが心に残る。

☆ 誰が作ったのか、YouTobeに各国首脳が「We Are The World」を歌う映像がアップされている。トランプ氏もプーチン氏も周氏もキム氏もユン氏も、ゼレンスキーもイスラエルの首脳もアラブの師も仲良く合掌していた。こんな時代が来れば良いのになぁ。(日本の代表はいたかなぁ。日本は影が薄くなったなぁ)

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