昨日、まねきTVの最高裁判決が出ましたが、明日予定されているロクラク事件の方が影響は大きいと思われます。なぜなら、まねきTVにおいては、自動「公衆」送信といえるかという点が一つの争点となっており、知財高裁の判旨もやや複雑であったのに対し、ロクラクに関しては、知財高裁の判決文において、「ユーザーによる私的利用か否か」が正面から議論されているからです。まねきTVの最高裁判決も、個人的には、ロクラク事件 . . . 本文を読む
村上春樹「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を再読。マーロウと安倍公房でしょうか。異なる文体で書かれた物語が徐々に融合するとともに、文体も近づいていくように感じました。見事です。
村上春樹は海外でも人気があります。チェコ人も知っていました。ただし、翻訳は、初期作のみのようです。香港では、1Q84まで翻訳されていました。
ちなみに、村上龍は、海外では「インザミゾスープ」で有名みたいです。 . . . 本文を読む
まねきTVの最高裁判決がでました。破棄・差戻しですね。反対意見・補足意見なしです。
知財高裁との相違点は、①送信可能化権の解釈、②「公衆」の捉え方、③送信の主体の捉え方でしょうか。
法解釈論としては、最高裁の方が正しいような印象を受けますね。本件は、このような番組転送サービスが、権利者の著作権法上保護に値する利益を害さないとすれば、損害がないから差止請求権は発生しないとするか、又は、その行使が . . . 本文を読む
まねきTVの最高裁判決日に合わせて購入しておいた本書を読了しました。
タイトルはどうかと思いますが、内容は真面目なもので、一読に値します。これまで知る機会のなかった最高裁判所内の議論状況や元最高裁判事の法律に対する考え方などが分かり、とてもためになります。法曹以外の方には、23ページに示される滝井元最高裁判事の見解が参考になるでしょう。引用すると、「何が妥当な結論かが先にあって、理屈を考える。可 . . . 本文を読む
平成18(ネ)10015
控訴棄却(請求棄却)
最高製造・販売数量の制限条項を含むライセンス契約について、実質的な需給調整を行うなどしている場合には、かかる制限条項が特許権の不当な行使であり、独禁法の問題が生じる可能性があるとしつつ、本件に関しては、需給調整行為の認定はできないとしたものです。 . . . 本文を読む
平成19(ネ)10008
4500万認容
本判決は、現実の実施料収入は経済的合理性に欠けるとして、これを超過する額を以て「受けるべき利益」であると認定した点に特徴がある。さらに、「成功確率」を独立の減額要因とすることを否定している。 . . . 本文を読む
平成20(ネ)10065
原判決取り消し、請求認容
本判決は、本件発明にいう「接続信号中の応答メッセージ」の解釈について原審と異なる判断を下したものです。
原判決は、これを「可聴な情報」に限るとしましたが、本判決は、「接続信号」は可聴信号及び非可聴信号の上位概念であり、「応答メッセージ」も可聴信号に限られないと判断しました。
原判決は、「応答メッセージ」の意味に注目したのに対し、本判決は、 . . . 本文を読む
冒頭、102条3項の損害概念の名称について、「相当実施料額」と呼ぶべきことが改めて提案されています。適切なネーミングと思います。これを「実施料相当額」と呼ぶこともありますが、これでは、ライセンス契約における実施料と同額のような印象を与えますから、妥当ではありません。
本題は、102条1項に基づく算定がなされた場合に、但し書きにより覆滅された部分に関し、別途、102条3項に基づく算定が可能か否かと . . . 本文を読む
平成20年(ワ)19402
請求棄却
携帯用害虫駆除装置についての発明の進歩性が否定されたものです。清水裁判長です。
引用発明として、乙13第2発明と乙14発明があり、①ア)両者は、殺虫剤を含む液体を、気化して一定領域に拡散させて虫を駆除又は忌避するという共通の技術的課題を有するものであり、また、イ)殺虫剤を含む液体を気化して拡散させる装置に関する発明という点で技術分野が共通していること、② . . . 本文を読む
理念はともなく、現実の職務発明訴訟は、労働事件の様相が強く、裁判所の知財部で処理すべきものではありません。また、要件事実を認定して結論が出るものでもないので、旧法事件も含めて非訟事件化すべきでしょう。奈須野さんの「特許制度の見直しと将来の特許制度(ソフトIP)への展望(下)」の発言に賛成です。 . . . 本文を読む
今回は提案されていませんが、損害賠償の高額化のための立法措置は必要と思います。侵害者が悪意の場合とそうでない場合とで賠償額が変わらない方がおかしいでしょう。特許法の目的は民法と違うから、民法の塡補賠償理論に拘泥する必要はありません。奈須野さんの「特許制度の見直しと将来の特許制度(ソフトIP)への展望(下)」の発言に賛成です。 . . . 本文を読む
平成21年(行ケ)10033
認容
発明の詳細な説明において、フリバンセリン類の性欲障害治療用薬剤としての有用性を裏付ける薬理データ又はそれと同視すべき程度の記載がないことを理由として、当該出願を36条6項1号に反するとして拒絶した審決を取り消したものです。
結論もさることながら、一般論として、36条4項1項の趣旨は、公開の代償として独占権を付与する特許制度の目的を喪失させないためである一方 . . . 本文を読む
平成22年(行ケ)10091
請求棄却
容易想到性を肯定した拒絶不服審判請求不成立審決を支持したものです。
なお書き部分ですが、相違点1及び2のそれぞれについて、周知技術を引用発明に適用して本願発明の構成とすることは容易想到であると述べています。ここにおける周知技術は、「貯蔵装置の壁に温度測定手段を配置して温度を測定すること」と「貯蔵容器内の温度を測定すること」であり、技術常識に属する技術と . . . 本文を読む
平成22年(行ケ)10169:1部請求認容立体商標についての拒絶査定不服審判不成立審決を取り消した事案です。ヤクルトの「あの容器」ですね。
アンケート調査等を根拠として、本件容器に自他識別力があると認めました。中野裁判長です。 . . . 本文を読む
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