今年の話題の映画「おとうと」 原作は 幸田 文さん(文豪幸田
露伴の娘、 故人)かつて市川昆監督でも上映されています。
今回は.山田洋次監督で吉永小百合.笑福亭鶴瓶の演じる
姉・おとうとです。どこの家にもどうしようもない(こんな言い方は
誤解を招きますが・・・)困り者が いるものです。しかしこの姉の
おとうとへの思いが多くの場面に見られ、涙することが多いでした。
あらすじ
夫を亡くした吟子(吉永小百合)は、東京のある商店街にある
薬局を女手一つで切り盛りしながら娘の小春(蒼井優)を育て、
義母の絹代(加藤治子)と3人で暮らしていた。
やがて、小春の結婚が決まり、結婚式当日を迎えるが、吟子
の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が紋付はかまで大阪から現われ、披露
宴を酔っ払って台なしにしてしまう。・・・・・物語の発端
このおとうとその後も一緒に暮らしていたという女が現れ、お金
を貸してあるが返してくれないからいくらかでも返して欲しいと・・・
吟子は貯金を下ろし全額返す。
その後現われたおとうとを「まじめに働くのよ。」と帰すが、体の
様子が少し気にかかる。居所の分からぬまま。捜索願から、警察
のほうで調べてくれ、大阪で生活扶助を受けながら末期がん患者
として、「みどりの家」でターミナルケアーを、しかし余命は幾ばくも
ない。
娘の小春も嫌っていたが、最後自分の名前の名付け親として
の叔父の最後に2度目の婚約者と駆けつける。
「みどりの家」の温かい人たちにも囲まれておとうとは逝く。
(鶴瓶さんはこの映画のために15Kの減量をされたそうです。)
周囲の人々の温かさ、優しさにもほのぼのとしたものを感じました。
この映画には現代社会の様々な問題も見えました。
ー夫婦の対話ー
小春が最初に結婚した相手は、「忙しいから対話の余地が無い」
吟子は亡き夫におとうとのことは話していた。(だから娘の名付け
におとうとをと夫が言われた)
末期がんなどのホスピスとしてのターミナルケアー、
ここでは大阪ドヤ街(山谷)にある 「死にいく人にも安息の場を」
と簡易旅館が場となっている。
笑いあり、涙あり、吉永さんはもちろんですが今回は鶴瓶さん
の演技(あまり芝居がかっていない)に改めて演技者としての
鶴瓶さんに感動しました。山田洋次監督、寅さんの渥美清さん
に変わる役者を見出したようです。