夕映えに

陽が落ちるまで輝きたい、くさぐさの記録(日々の出来事、読書、スポーツ、友だち)

雨の一日 映画「おとうと」を観る

2010-02-15 18:31:39 | Weblog

   今年の話題の映画「おとうと」 原作は 幸田 文さん(文豪幸田
   露伴の娘、 故人)かつて市川昆監督でも上映されています。
                 

   今回は.山田洋次監督で吉永小百合.笑福亭鶴瓶の演じる
   姉・おとうとです。どこの家にもどうしようもない(こんな言い方は
   誤解を招きますが・・・)困り者が いるものです。しかしこの姉の
   おとうとへの思いが多くの場面に見られ、涙することが多いでした。

  あらすじ

   夫を亡くした吟子(吉永小百合)は、東京のある商店街にある
    薬局を女手一つで切り盛りしながら娘の小春(蒼井優)を育て、
    義母の絹代(加藤治子)と3人で暮らしていた。
                    
       やがて、小春の結婚が決まり、結婚式当日を迎えるが、吟子
    の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が紋付はかまで大阪から現われ、披露
    宴を酔っ払って台なしにしてしまう。・・・・・物語
の発端
        
       
このおとうとその後も一緒に暮らしていたという女が現れ、お金
    を貸してあるが返してくれないからいくらかでも返して欲しいと・・・
    吟子は貯金を下ろし全額返す。

        その後現われたおとうとを「まじめに働くのよ。」と帰すが、体の
    様子が少し気にかかる。居所の分からぬまま。捜索願から、警察
    の
ほうで調べてくれ、大阪で生活扶助を受けながら末期がん患者
    として、「みどりの家」でターミナルケアーを、しかし余命は幾ばくも
    ない。

        娘の小春も嫌っていたが、最後自分の名前の名付け親として
    の叔父の最後に2度目の婚約者と駆けつける。
    「みどりの家」の温かい人たちにも囲まれておとうとは逝く。
   (鶴瓶さんはこの映画のために15Kの減量をされたそうです。)
     周囲の人々の温かさ、優しさにもほのぼのとしたものを感じました。

        この映画には現代社会の様々な問題も見えました。
     ー夫婦の対話ー
    小春が最初に結婚した相手は、「忙しいから対話の余地が無い」
   吟子は亡き夫におとうとのことは話していた。(だから娘の名付け
    におとうとをと夫が言われた)

      末期がんなどのホスピスとしてのターミナルケアー
    ここでは大阪ドヤ街(山谷)にある 「死にいく人にも安息の場を」
    と簡易旅館が場となっている。

        笑いあり、涙あり、吉永さんはもちろんですが今回は鶴瓶さん
    の演技(あまり芝居がかっていない)に改めて演技者としての
    鶴瓶さんに感動しました。山田洋次監督、寅さんの渥美清さん
    に変わる役者を見出したようです。