今年で65年を迎えた終戦記念日、14日と15日に民放とNHKでそれぞれ
ドラマが放映されました。
その一 「帰国」 倉本 聰 脚本 舞台「帰国」も今月から全国ツアー
終戦から65年経った8月15日東京駅地下ホームに、南方戦線で戦い
玉砕した兵士の霊が降り立つ所からドラマは始まった。
彼らは、平和になった故国を目撃すること。そして、かの海にまだ漂う数多
の魂にその現状を伝えること。
しかし、彼らが見た日本の世相は、
携帯電話のメールに没頭する少女、
音楽の 時間無反応で歌を歌わなくなった子ども、
女手一つで育ててくれた母を意識回復の見込みがなくなると病院に放置
する政府顧問の学者……。等
倉本氏は言う (75歳の倉本氏はわたしと同世代です)
永年夢見た帰国の時、故国のために死んだ彼らは、今の日本に何を
見たか.。.
60余年の空白を経て浦島太郎のようにこの国に戻り立った英霊たちの
驚愕は、想像するに余りある。これは鎮魂のドラマであり、怒りと悲しみの
ドラマである。
もう先のない僕らの世代が、一つの時代の小さな証人として遺しておか
ねばと思い書き下ろしたものである。
その2 「15歳の志願兵」 原案は江藤千秋の著書
『積乱雲の彼方に -愛知一中予科練総決起事件の記録』
昭和18年7月5日。愛知一中(現在の旭日高校)の決起集会で、全校生徒
700人が戦争に行くことを決めた。軍部の思惑により少年たちの心は戦場へ
と突き動かした。兵士不足を解消したいがために、軍部が学校に圧力をかけ、
中学生を「軍国少年」に変えていった。
夢と純粋な心をもった少年たちは祖国のために夢を捨てた。
少年たちを戦場へ送らざるを得なかった教師や父母の苦悩や葛藤に涙せ
ざるを得ませんでした。主人公の1人は視力が劣るために志願兵への不合格
となり、友への苦悩にさいなまれたが、友の最後の日記で友情を信じた
自ら選んでの予科練ではなかったのですが、彼らを動かせた志気は、
現代の若者には理解しがたいものがあるでしょう。
軍部への憤りというより、彼らの純粋さに心を打たれたわたしです。