今日のシネマ
2013年 ドイツ
今作で78歳の史上最高齢でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を受賞した、
ドイツの国民的喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデン主演による人間ドラマ。
最愛の妻の病気をきっかけに夫婦で老人ホームに入居するパウルは、
メルボルンオリンピックで金メダルを獲得した伝説のマラソンランナー。
70歳を超えても健康なパウルは老人ホームのレクリエーションや規則にとらわれる施設側の態度に耐えられず、
ベルリンマラソンに挑戦することを決断するのだが……。(映画com.)
邦題タイトルやポスターから受ける印象より ずっと深刻な内容でした。
上に書いてある通り、昔のランナーが夢を捨てずにもう一度マラソンにトライする、という
よくある話が本筋なんだけれども
その部分より、老人ホームの問題や老いた親を持つ娘の視点や
何より長年寄り添った夫婦のあり方、など、
今、自分が置かれている境遇から、大いに身につまされる内容でした。
人はいくら年を取ってもプライドがあります。
ある程度、妥協が必要な時もあるけれど、
セルフエスティームを高く持ち続ける、ということは
同時に他の人の心をも思い遣れる、ということなのですね。
パウル(主人公)の存在を疎ましく思っていた人たちが
少しずつ変わっていく様子が気持ち良かった。