出利葉 義次 著
世界一登頂が難しいと言われている山、K2。
2006年に東海大学の登山部が挑戦。
日本人女性初&男性は世界最年少での登頂という記録達成。
しかしそこは8000mの壁・・・
次々に起こるアクシデントに緊張の連続。
著者の出利葉氏はその時の隊長なので、臨場感あふれる描写で一気に読みました。
今まで同じような登山のノンフィクション本を何冊も読んできましたが
その度に寿命が縮まる思いです。
なら読むなよ、と言われそうですが、
自分では絶対に行けない山域、立てない頂に
活字を追うだけで一緒に連れてってもらえるってすごいことじゃないですか。
そして、”山を目指す” ということは、アタックする者だけではなく、
一つの隊として、それぞれの役割分担やチームワークがとても大切で、
その中の一つでも欠けていると、いくら有能なクライマーがいてもうまくいかない。
それを改めて実感できた内容でした。
あと、もう一つ興味深かったのは、他国の登山隊との関り方です。
同じ頂を目指す同志、ということから生まれる連帯感と協力体制・・・
しかしそこにはそれぞれのお国柄が出ていて、しかもそれは、
ちょっとした判断ミス(あるいは過信)から死につながるという
恐ろしさも痛感しました。
もう14年も前の記録ですが
今更ながら 東海大K2登山隊全てのメンバーに
おめでとうございます、お疲れ様でした、と言いたいです。