今日のシネマ
2023年 日本
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現在、劇場公開中の映画ですので
これから観られる方で、内容を知りたくない、という方は ご注意ください
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これは、とても重くて、誰もが他人事では済ませられないお話です
私は自分の親も義父母ももういません
幸いなことに、この映画に出てくるような大変な経験はありませんでしたが、
今後、パパも私も否応なしに歳を取ります
なので、「老々介護」という目線で観ていました
主人公の斯波(しば)は 訪問介護センターで介護士として働いていますが
優しくてスタッフからも訪問先の家族からも大きな信頼を得ています
ある日、訪問先で殺人事件が発生します
それを調べ始めた検事の大友秀美は
この介護センターで亡くなっている老人の数が
この3年の間に42人と、異常に多いことに気付き 調べ始めます・・・
「人にしてもらいたいと思うことは あなたからも人にしなさい」
マタイによる福音書 第7章12節
犯人は斯波でした
彼は、自分がやったことは「殺人」ではなく「救い」だと言います
かつて自分が過ごした地獄のような日々・・・
それと同じような目に合っている家族を救ってあげたのだと・・・
今までも 不幸な環境から起きた犯罪を扱った映画はたくさんありました
しかし今回のこの話は、本当に他人事ではないのです
そこには老人格差の問題もあり、経済的に余裕がある人とそうでない人では
天国と地獄の差が生まれます
家庭での介護の負担は想像をはるかに超え、今回のような悲劇が起きるのは
映画の中の話だけではない・・・
介護は家庭だけで抱えるものではなく
国の問題としてもっと真剣に考えてほしい、
政治家の人にこそ観て欲しい作品だ、と強く思いました
監督は 前田哲
斯波に 松山ケンイチ
大友健二に 長澤まさみ
斯波の父親役は 柄本明(私がかつて観た中で一番迫真の演技でした)
2025年に65歳以上は人口の約30%に達します
高齢者人数の推移では5人に1人が認知症・・・
この裏には、法律や道徳だけで解決できない問題がたくさん隠れています
是非、一人でも多くの人に観てもらいたい映画です
2023-18