昨年の秋、一部のサッカー部の先輩の不祥事があって、サッカー部はボールを使った練習が禁止となり、走り込みと校内の掃除が部活動となってしまいました。
そのせいか部活の雰囲気が悪くなり、息子の目には先生の叱責ばかりが目立つようになってしまったようです。
その頃からだんだん息子の調子が悪くなって、他にも色んな原因が積み重なった結果、12月のLINEトラブルの発覚をきっかけに、息子は学校に行くことが出来なくなってしまいました。
サッカー部のペナルティ期間が明け、部内の雰囲気が良くなってから、息子は月に一度くらい練習に参加させていただいてました。
リハビリと称して、学校が休みの日に途中から少しの時間だけ。
しかし、参加した後はしばらく調子が悪い日が続きました。
3月16日の土曜日、息子は久々にサッカー部の練習に参加しました。
10時始まりの練習でしたが、11時半ぐらいに父親と車で学校に向かい、息子の調子が悪くなった時のために父親はそのまま学校で待機していました。
その日は雨だったので校舎内でトレーニングをし、練習後にミーティングがあったそうです。
二人が家に帰って来たのは2時頃で、息子はぐったりしていました。
その日は、
「久しぶりに走った。疲れた!」
としか言わなかった息子ですが、月曜日になって、
「サッカー部をやめたい。」
と、言い出しました。
「やめてもいいよ。
でも、どうしたん?」
と、聞いても、
「もう、無理や。無理やねん!」
「部活でパニックになった。」
としか、言いませんでした。
「やめてもいいけど、今は休部でいいんちゃう?
先生、病気が治るまでは大事な決断はせん方がいいって、言うてたで。
今、『もう無理や』って思ってるのは病気のせいかもしれへん。
だから、退部するかどうかは、病気が治ってから考えた方がいいと思うで。」
「そう・・・?」
と、息子は不安気に答えました。
クラスの授業にはさほどその気がないようでしたが、部活にはなんとか参加したいと意欲を見せるというか、行きたい(けど、行けない)と苦しんでいた息子だったので、この日、担任の先生からお電話をいただいたときにこのことをお伝えしました。
息子は、調子が良い時に少しだけ部活に参加させてもらう程度でほとんど休部状態だったのですが、きちんと「休部届」を出して休ませた方がいいものかと相談したところ、そういう届けは存在しないようでした。
クラブのことなので、サッカー部の顧問の先生にお伝えしてもらい、直接お電話をいただくことになりました。
顧問の先生の話では、この日のミーティングで、
「休んでばっかりの人がいるけど、みんなでチーム一丸となって練習していきたい。」
という思いを語った上級生がいたので、もしかするとそれが〇〇のプレッシャーになったのかもしれないということでした。
さらに、
「お母さんとしては、部活をやめることは反対ですか?」
と、聞かれました。
「いいえ。私は、学校生活だけで疲弊してしまう〇〇にはサッカー部はしんどいんじゃないかと思っています。
なので、本人が納得してやめるなら賛成です。
ただ、『もう自分はダメだ』と思ってやめるのは、避けたいなと。
医者からも、うつ状態のときに大事なことは決めないようにと言われているので、元気になってしっかり考えられるようになってから答を出してほしいと思っています。」
「もし、彼が、部活をプレッシャーに感じて余計にしんどくなっているのであるなら、やめることもありなのかなと思ったのですが、元気になって戻れる場所があった方がいいと、私も思っています。」
「ありがとうございます。
クラスの授業には出たいと思わないみたいですが、部活にはずっと出たがっていたんです。
だから、部活をやめたいと聞いたときはびっくりしました。
休んでばかりなので、みんなに迷惑をかけて、どう思われているのかなと不安になっているのかもしれません。
ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願い致します。」
「私共も、部活で学校に通う後押しが出来ればと思っています。
『調子が良くなったら、いつでも待ってるからな』と、〇〇君にお伝えください。」
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「やめるかどうかは元気になってから考えたらいい。
調子が良くなったら、いつでも待ってる。」
と、顧問の先生もそう言っていることを伝えると、
「そうなん。」
と、息子は少しほっとしたようでした。
「もう、やめるしかない」と思っていたのが、「やめなくてもいいんだ」と思えたのでしょうか?
「行きたいのに、行けない」という苦しみは続くようです。
病気なんだから、行けないのは当然だと割り切って、休むことに専念したらいいのに。。。
部活に参加したところで思うように動くことは出来ないし、参加するとしばらくは調子が悪くなってしまうのです。
その日にお風呂にさえ入れなくなるのに、運動なんてもっての外。
それなのに、息子は「頑張りたい、頑張らなきゃ!」って思うのでしょうね。
小学5年生の時に心身の調子を崩してしまい、「サッカーをやめたい」と言ってきたときのことを思い出します。
息子は、サッカークラブをやめてしまったことをずっと後悔してきたそうです。
医師から止められていたこともあって、復帰はさせず、中学のサッカー部に入って頑張ることを目指してきました。
それだからこそ、息子の中に、私には計り知れない思いがあるのかもしれません。