10月が始まりました。
通信制高校の後期始業が近づくにつれ、息子の調子はますます悪くなってきました。
私から離れられず、手を握ったり、本当にすぐ傍に私がいないと落ち着かない時間が増えました。
それと同時に、
「虫を踏むかもしれないから、外に出るのが怖い。」
などと言い始めました。
先日、息子は、家の中にいた小さなクモを外に逃がしたのですが、
「爪が伸びているから、爪で殺してしまったかもしれない。」
と言って、庭に確認に行きました。
クモは見つからず、今度は、
「僕が踏んで、ほんまに殺してしまったかもしれない。」
と、言い出しました。
それから、延々と、
「クモを守りたいっていう自己満足のために、逆にクモを殺してしまったかもしれない。
クモにとってはいい迷惑や!」
とか、
「殺してないって思いたいがために、確認に行って踏んだかも!
ますます死に追いやってしまった。」
と、何時間も悔やんでいました。
「自然のものは自然に任せた方がいいってことや。
〇〇が何もしなくても、そのクモは死んだかもしれへんし、生きてるかもしれへん。
虫は、たくさん生まれても、生き残るのはほんのごく一部や。
だから、一度にたくさん生まれるんやけどな・・・。
もし、普通に歩いてて、虫を踏んで殺してしまったとしても、それは死ぬ命やったんやと思う。
でも、虫を踏んで殺す確率って、かなり低いと思うで~。」
私はそんな風なことを話しました。
「そやけど、一つの命が絶たれたかもしれへんのやで!
何でそんな平気なん!?」
「人間はたくさんの命のおかげで生きているやん。
豚とか魚も食べてるし・・・。
虫を好んで食べる国もあるし、害虫やったら、ママは殺すで。
殺虫剤でシューっと。」
「目の前の虫のことだけ考えるのは変かもしれへんけど、僕は殺したくないと思っちゃう。」
「〇〇は優しいから。
それに、そこだけに考えが集中してしまうのも辛い原因かもしれへん。
もっと大きくおおらかに考えることが出来れば、楽になるかもしれへんよ。」
「〇〇みたいに虫のことを真剣に考える人がいたから、虫を寄せ付けへんだけで殺さへん防虫剤や、殺すにしても苦しまずに一瞬で凍死させる殺虫剤が出来たのかもしれへんなぁ。
〇〇も虫のために何が出来るか考えてみたら?」
実は、息子は虫が大の苦手です。
車の中に羽虫が入って飛んでるだけで、パニックになったことがありました。
クモも、恐る恐るつまんで慌てて外に逃がしたため、殺してしまったかもしれないと思ったようです。
この一週間は息子の気分の落ち込みが激しいので、余計に自分を責めているのかもしれません。
10月5日、特別活動となる後期の始業式と薬物講習会があります。
果たして息子は登校出来るのでしょうか・・・?