父は、「なやクリニック」の高次脳機能デイケア『ばあど(B.I.R.D)』に、参加するようになりました。
私の家から父の住む高齢者住宅まで車で約40分、そこから「なやクリニック」まで約40分、「なやクリニック」から私の家までも約40分。
ちょうど正3角形を描くような感じで、父を「なやクリニック」に送っていき、帰りは逆向きで3角形を辿っていきます。
『ばあど(B.I.R.D)』については、いただいた「しおり」より、目標とプログラムを抜粋すると、
<目標>
脳損傷で高次脳機能障害のある方が、家庭での生活を円滑に過ごせるよう、また、社会復帰(就学・就労)できるよう支援します。
具体的には、人との関係作りが円滑に行える、楽しみが増やせる、障害の代償手段を身に付ける、認知機能を高める、日常生活の動作ができるなどのことを目標に行います。原則として、期限は1年とします。
<プログラム>
曜日によって、内容は少し異なります。基本的な内容は・・・
AM ・1週間のトピックスを話す練習、聞く練習、質問を考える練習
・ホームプログラムの立案と実施状況の確認
・認知課題(注意と記憶など)
PM ・各自の目的に応じた個別課題
・芸術・音楽・ゲーム・調理・スポーツ・川柳など
・掃除・お茶タイム・一日の振り返り
その他、外出の企画や実施、イベントの企画なども行います。
父を送ったついでに、診察の予約を入れてもらい、困った出来事を相談にのっていただくとともに、デイケアにもフィードバックしてもらっていました。
先生との会話を重ねていく中で、私は、少しずつ、父の障害を理解・受容できるようになっていったのだと思います。
その最たるは、高次脳機能障害は、治すものではなく、うまく付き合っていくものだということでした。
そのために、何を困っているのか、私自身が、父本人が、まず気付くことが大切だということでした。
父自身は、病識の欠如(自分の病気への認識がない)により、何でも出来るつもりでいるのですが、一つ一つ出来ないことを明らかにし、そのためにどうしたらいいのか、代償手段を身に付けていかなければなりません。
また、何かがうまく出来ないとかそれ以前の、父の持つ生き辛さを理解することが大切でした。
検査で分かった父の障害の実態の他にも、
意欲・発動性の低下により、自ら物事を始められない
易疲労性(いひろうせい)により精神的に疲れやすい
聴覚過敏のために、混乱・疲労しやすい
などの困難があることも分かりました。
リハビリではどうにもならないことを幾つも抱えて、それでもなお、父は、自宅で生活することを強く望んでいます。
父のために、どうすればいいのだろうと、思い悩む日々が続きました。
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