聖書の創世記の記録に、人類史最初の殺人事件と、その殺人事件の原因が記されています。エデンの園で創造されたアダムとエバは、蛇を使った悪魔サタンに唆され、エホバ神に反逆しました(創世記2:16,17;3:1~6)。その結果エホバ神はアダムとエバを楽園から外に出し、楽園に戻れないようにされましたが、アダムは930年間生きました(創世記3:23,24;5:5)。その間にアダムはエバとの間に息子や娘たちを産むことが許されました(創世記5:1~4)。
神エホバはアダムを創造し、アダムを補うものとなる助け手のエバを創造された後、結婚の取決めをされ、上記の通り夫婦の交わりによって、アダムとエバに子供が生まれることになりました(創世記2:24;4:1)。創世記の記録によれば「カイン」が生まれ、後に弟「アベル」が生まれたことが記されています(創世記4:1,2)。カインとアベルにはそれぞれ仕事を割り当てられていました。カインは「地面を耕す者」、アベルは「羊を飼う者」でした(創世記4:2)。
その兄のカインが弟アベルを野に誘い出し、アベルに襲いかかり殺害し、人類史最初の殺人者となったのです(創世記4:8)。
兄のカインが弟アベルを殺害する原因となったのは、カインがアベルにねたみを抱き、それが激しい怒りになり、エホバ神から善いことを行なうようにと、諭しを受けても、ねたみによる激しい怒りの感情を制止することができず、上記の通りカインはアベルをだまし、襲いかかって殺害したのです(創世記4:5~8)。殺人を犯す誘因となったのは「ねたみとねたみに基づく怒り」です。なぜカインはアベルにねたみを抱き、激しい怒りを抱くようになったのでしょうか。
聖書には、次のようにカインが殺人を犯すようになった原因が記されています。神エホバの下に、「カインは地の実りの中から幾らかをエホバへの捧げ物として携えて来た」のです。「一方アベルのほうも、自分の羊の群れの初子の中から、その脂ののったところを携えて来た」のです。その結果、エホバ神は「アベルとその捧げ物とを好意をもって見ておられ」ました。しかし、「カインとその捧げ物とは少しも好意をもってご覧にならなかった」のです。その結果、カインはねたみから「非常な怒りが燃えた」のです(創世記4:3~5)。お分かりと思いますが、アベルは心から神エホバに感謝し、最良のものを捧げましたが、カインは形だけの感謝の気持ちの表わし方だったのです。カインも弟のアベルと同様に、心から神エホバに感謝し、形ではなく最良の捧げ物を携えるなら、それは善いことであり、ねたみによって怒りを抱き、殺人を犯すことは無かったでしょう。私たちは創世記に記されている記録からの教訓として、心からエホバに感謝し、そのご意志を行なうことに最善を尽くしたいものです。
聖書は、ねたみや激発的な怒りは「肉の業」として教え、神の王国を受け継がない、と警告しています(ガラテア5:19~21)。
梅の実の 実り豊かや 陽を浴びし 今日の一句
柿畑に咲いている「露草」