醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより   1269号   白井一道

2019-12-09 10:41:36 | 随筆・小説



    徒然草96段 『めなもみといふ草あり』



原文
 めなもみといふ草あり。くちばみに螫(さ)されたる人、かの草を揉みて付けぬれば、即ち癒ゆとなん。見知りて置くべし。

現代語訳
 みなもみという草がある。マムシに噛まれた人は、この草を揉んで付けるとたちまち癒えるという。知っておくことが良かろう。


 民間療法について   白井一道
 「みなもみ」とは、「やぶたばこ」、漢名を天明精。
『本草綱目』巻十七に、「悪蟲蛇螫ノ毒ヲ解ス」とある。岩波文庫の『新訂徒然草』(西尾実・安良岡康作校注)
 実は「めなもみ」だと考えられている植物は、ざっと数えて3種類あるのです。メナモミは現代の植物図鑑にしっかり収載されていて、
例えば、平凡社の『日本の野生植物』Ⅲには、
キク科メナモミ属、学名は、Siegesbeckia pubescens Makino、山野やごみためなどに多い一年草で、茎は高さ60‐120cm、特に上部には開出毛が密にはえる。葉身は卵形または3角状卵形で、長さ7.5‐19cm、幅6.5‐18cm。花は9‐10月に開き、総苞片は5個、長さ10‐12mm。舌状花冠は長さ3.5mm。温暖~暖帯に生育し、北海道~九州、朝鮮・中国に分布する。

とあります。さまざまな植物学の本の中で、メナモミは、Siegesbeckia pubescens Makino です。
 (はちみつブンブンのブログ)より