醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより   1276段   白井一道

2019-12-16 11:45:32 | 随筆・小説



   徒然草102段 『尹大納言光忠卿、追儺の上卿を』



原文
 尹大納言光忠卿(いんのだいなごんみつただきやう)、追儺(ついな)の上卿(しやうけい)を勤められけるに、洞院右大臣殿に次第を申し請けられければ、「又五郎男を師とするより外の才覚候はじ」とぞのたまひける。かの又五郎は、老いたる衛士の、よく公事に慣れたる者にてぞありける。

現代語訳
 尹大納言光忠卿(いんのだいなごんみつただきやう)は、12月末日の夜、宮中で行われる鬼やらいの儀式の責任者を勤められた時に、洞院右大臣殿に儀式の次第について教えを乞うたところ「又五郎男を師とする外の算段はないであろう」とおっしゃられた。かの又五郎は老練な宮中の警備員で公の儀式にたけた者であった。

原文
 近衛殿著陣(このゑどのちやくじん)し給ひける時、軾(ひざつき)を忘れて、外記を召されければ、火たきて候ひけるが、「先づ、軾を召さるべくや候ふらん」と忍びやかに呟きける、いとをかしかりけり。

現代語訳
 近衛殿が自分の席に座られた時、まず下役人に軾(ひざつき)を敷かせるのを忘れて、儀式の進行役を呼びつけられた。火を焚いて準備していた又五郎は「まず膝つきを準備されるのがよろしいのではないでしようか」とひそかに呟いたのがとても面白かった。

 潮目が変わった    白井一道
 TBSテレビ、「報道1930」をほぼ毎日見ている。政府広報を担う報道番組の一つなのであろうと私は見ていた。日韓問題を特に扱っている報道番組なのであろう。韓国叩きをすることによって結果的に政府安倍政権を擁護する番組になっていた。その番組で昨日(12月13日)、はっきりと安倍政権に批判的な発言を番組側の人間がした。今までこのような発言を番組側の人間がすることはなかった。この発言を聞き、私は潮目が変わったのかもしれないなと感じた。
 今までは安倍政権の存続を信じ、安倍政権に忖度した発言をしておかないと心配だったのかもしれない。その心配をしないでもいいような状況になってきたと番組制作者たちは考え始めたのかもしれない。
 安倍政権はレームダック化してきていると日本のマスコミは見始めている証のようだ。「桜を見る会」で安倍政権は詰んでいる。このように郷原信郎元検事が述べているのをyou tubeで知った。安倍晋三氏は「桜を見る会」の前夜祭、ホテルニューオータニでの会費、5000円を安倍晋三氏は支払っていない。これは無銭飲食だと郷原氏は主張していた。軽微な罪ではあるが逃れることは不可能だと完全に将棋であるなら絶体絶命、完全に積んでいると主張゜していた。