■被害者の人権はもともと人権のメニューに掲載されていない?
近代立憲主義とは、憲法とは国家権力の恣意的な運用に対する頚木であり、そして、国家権力とは個人の人権を守るためにのみその存立が許された人為的な統治システムと考える憲法思想と言ってよいと思います。ゆえに、近代立憲主義を採用した憲法典は、権力分立規定と人権規定とを二本柱にして編まれているのが一般的です。而して、(社会保障や経済的規制を内容とす . . . 本文を読む
■刑法と刑罰の存在理由としての社会秩序維持
刑法と刑罰の目的は、特別予防と一般予防です。これは前提とせざるを得ない。而して、私の考えは「人権派の主張は正しい。ただし、彼等は正解の意味するもの(一般予防効果の意味内容)を誤解している」というもの。何を私は言いたいのか。以下、敷衍します。
特別予防に関しては、現在の日本では、治療や教導が熟練の専門家達によって、かつ、適切な施設や設備を用いて遂行され . . . 本文を読む
2009年5月21日、裁判員制度(Lay Judge System)が施行されました。すなわち、①殺人罪、強盗致死傷罪、現住建造物等放火罪、身代金目的誘拐罪、危険運転致死罪等々の重大な犯罪を対象に5月21日以降に起訴された、②地方裁判所で審理される刑事事件について、③裁判員(lay judges)がプロフェショナルな裁判官とともに、④有罪・無罪のみならず(有罪と判断された場合には)量刑をも合議で . . . 本文を読む