◆愛国心の脱構築「愛国心」とは何なのか? 例えば、それは「日の丸・君が代」の起立斉唱によって涵養され得るものなのか。もし、否であれば、なぜ学習指導要領は「国旗・国歌の尊重」を謳い、最高裁も一連の判決でその学習指導要領の目的の合理性を容認したのか。蓋し、ここで言う「愛国心」が、社会の常識、否、ある政治社会で生きるために不可欠なマナーという意味であれば、この問の答は「Yes」でしょう。 . . . 本文を読む
◆国旗・国歌を物象化しているのは誰か 一連の最高裁判決を反芻して言えることは、公立学校がその節目節目の儀式で、教職員や児童・生徒および参列者に対して「日の丸・君が代」に敬意を表するよう促すことは、①なにか特殊な思想を押しつけるものではないこと、また、②そのような形式で儀式がとり行なわれることについては、それがこの日本社会の常識であり、社会的にも妥当なものと考えられていること。少なくとも、最高裁 . . . 本文を読む
今春、「公立学校における国旗・国歌に対する起立斉唱を命ずる職務命令」に合憲の判断を下した一連の最高裁判決が出ました。本稿はそれらの憲法判断の基底に横たわる問題を整理して、国旗・国歌そして<愛国心>の意味を<脱構築>しようとするものです。 一連の最高裁判決(また、その前哨としての「ピアノ伴奏拒否事件」の最高裁判決)に関しては下記解題記事をご参照いただきたいのですが、これらの最高裁判決の法廷意見は、内 . . . 本文を読む