◆実質的意味の憲法と言語ゲームとしての立憲主義社会契約論と疎遠なタイプの<立憲主義>は成立可能。私はそう考えます。このことを、本稿の理路を検算する中で裏面から最後に一瞥しておきます。まず、本稿の理路。 (甲)戦後民主主義からの憲法理解は、(a)フランス流の、しかし、現在では(英文法のガラパゴス化した「5文型論」とパラレルに、ほとんど)日本にだけしか存在しない「天賦人権論」もしくは「修正された天賦人 . . . 本文を読む
ほしのあきさんの<無罪>確定-あんだけ可愛いんだから当然なのです
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/78478ca7d4aebc00f057beebd43f17a4
◆社会契約論の崩壊と天賦人権論の瓦解社会契約と「平等で均一なる個人」なるものが歴史的概念ではなく論理的あるいは権利論的な概念であることは了解できるとしても、社会契約なるものに規 . . . 本文を読む
蓋し、現在、「立憲主義:Constitutionalism」という言葉には概略次の4個の意味があると思います。▼「立憲主義」の4個の意味(1)基本的人権を前提とする「権利の保障」と「権力の分立」を要請する主張(最も弱い、近代立憲主義、ベルサイユの薔薇型の立憲主義)(2)基本的人権を前提としない、しかし、なんらかの普遍的価値を想定した「権利の保障」と「正規の法:regular law . . . 本文を読む
◆修正された立憲主義前節で記したEpisode-0を<横串>にして天賦人権論と立憲主義の両者が共生するに至った経緯を整理しておきます。比喩の再言になりますけれども、それは20億年程前のこと、大気中の酸素濃度の上昇にともない、当時のほとんどの生物の細胞組織(真核生物の真核細胞)にとって猛毒物質であったこの酸素に適応すべく、酸素を利用可能な好気性のミトコンドリアを真核生物がその細胞組織 . . . 本文を読む
◆物語の回廊をもう一人の悪魔が来たりて・・・天賦人権論が、比較的にせよ、謬論でありながら日本社会で生き残る生命力の強さ。その頑強さ(robustness)の理由を、天賦人権論が漂わせている<物語性>だと私は考えます。すなわち、<物語性>は(★)、明確・平明・総合的なビジョンを提示してマーケットの支持を獲得しやすいという意味でも、他の思想からの批判に打たれ強いという意味でも天賦人権論の頑強さの理由で . . . 本文を読む
◆孔明と仲達-天賦人権論と日本の憲法論議
天賦人権論は瓦解している。この紛う方なき事実と、「天賦人権論に基づく規定を改める必要があるという立場は国際的な憲法学のスタンダードからは驚くべき話だ」とかの間違った認識や主張がこの社会に溢れているという現実は、しかし、残念ながら両立可能な事態でしょう。実際、アメリカでは今でも進化論を認めない人は少なくないし、日本には国際基準の二倍厳しい原発事故避難基準 . . . 本文を読む
★註:天賦人権論とアメリカ合衆国憲法天賦人権論とアメリカ合衆国憲法は無関係。このことの確認は、1980年初頭から四半世紀あまり続き今も余韻漂うアメリカ連邦憲法を巡る憲法解釈方法論の論争、すなわち、「原意主義:Originalism」と「非原意主義:Non-Originalism」との論争の重要な副産物の一つだと思います。この論争を通して、天賦人権論を称揚したものとも見える「独立宣言:the Dec . . . 本文を読む