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民主党代表選挙をジャックせよ☆民主党代表選挙で埋没するな、自民党!

2010年09月01日 03時16分31秒 | 日々感じたこととか

民主党の代表選挙実施が決定しました。而して、この流れは自民党支持者には、地味な谷垣総裁と渋い大島幹事長のコンビで元々影の薄かった自民党から国民の関心が一層薄れてしまいかねない忌々しき事態。それが泥試合になるにせよ、これから2週間、連日連夜、マスメディアが民主党のことしか報じないことは火を見るより明らかですから。では、どうする自民党。ということで、本稿は自民党に向けた「民主党代表選挙ジャック」の薦めです。






自民党のピンチです。2週間後には、「自民党」という政党があることさえ「国民=有権者」の過半は忘れてしまう、鴨。喩えれば、ライバル厩舎系列の馬が1位と2位を首の差で争っているときに、我等が<自民党号>はそれら2頭から2馬身近く離されての3位という構図。しかも、ほって置けばこれからの2週間でその差は益々拡大するのは必定でしょう。

蓋し、①取りあえず、現在は、「民主党の代表選挙=内閣総理大臣を決める選挙」というビッグゲームということ、そして、②(鳩山氏が「一丁上がり!」した現在)民主党内の二大実力者が代表の座を争うという、理想的な対戦カードということ、また、③国会議員に割り当てられたポイント数で小沢氏が断然有利だとしても、地方議員と一般の党員&サポーターに割り当てられたポイントを加味すれば勝敗の行方が見えないスリリングな戦況という(要は、結果的には小沢氏のダブルスコアでの地滑り的勝利になるとしても、小沢氏サイドも自分たちが集めた党員・サポーターが小沢氏にそのまま投票してくれるかどうか全く読めない、つまり、両陣営とも「結果は結果が出てみないと分からない」という<ガチンコの真剣勝負>という)こともあり、民主党の国会議員にとっては胃の傷い日々がこれから2週間続くのでしょうが、しかし、民主党総体としては、「国民=有権者」の注目を一身に集めて他の政党との存在感の違いをこれから2週間日々拡げていくことでしょう。

実際、2010年8月31日、菅直人首相と小沢一郎前幹事長の会談で代表選挙実施が本決まりになる以前の段階でもかくの如き(↓)あり様だったのですから。

共同通信社が27、28の両日に実施した全国緊急電話世論調査で、菅内閣の支持率は48.1%で、前回今月7、8両日の38.7%から9ポイント以上増加。不支持率は36.2%(前回44.8%)で、7月の参院選後、初めて支持が不支持を上回った。主な政党の支持率は、民主党32.6%、自民党24.7%、みんなの党12.5%、公明党2.6%。

(産経新聞:2010年8月28日)

FNNが8月27日と28日に実施した世論調査では、内閣支持率は46.0%と、前回調査より5ポイント以上上昇し、参院選前の水準に戻した。自民党の谷垣禎一総裁は「このところ与党の中の闘争がクローズアップされている。これはプラス、マイナス両方あると思うが、プラスに働いている面もある」と述べ、民主党代表選に埋没気味の現状に複雑な心境をのぞかせた。

(FNN:2010年8月30日)    







では、自民党が民主党代表選挙で埋没しないためにはどうすればよいのでしょうか。

要は、目立てばいいのだ。
結局、マスメディアに報道してもらえればいいのだ。
理想的には、口コミで全国的に話題になればいいのだ。


ならば、自民党の女性の国会議員や地方議員に一肌脱いでもらい、党本部で取りまとめて、毎日、日替わりで自民党の女性議員のセミヌード写真(「18歳未満」の方は原則いらっしゃらないはずだから、希望者はヌード写真も可。)を内外のマスメディアに提供するか。

いやいや、ここは「大将」に一肌脱いでもらい、武道館を借り切ってこれからの2週間、ラッシャー谷垣総裁とジャイアント安倍元総理やアントニオ麻生元総理、そして、アンドレザ森元総理の遺恨試合を、こちらも、プロレスのガチンコ勝負スタイルで毎日興行するか。両者のセコンドには、小泉純一郎元総理とか小泉進次郎衆議院議員とかを配置して・・・。

アホナ。書いてるこっちが情けなくなる。

蓋し、説明するまでもないでしょうが、確かに、女優さんやモデルさんという専門家以外のセミヌードも、例えば、草刈民代さんや幾人かの美人アスリートのケースのように世間でも結構話題にはなるかもしれない。しかし、それは「政治政党としての自民党の認知度と信頼度の維持向上」とは全くリンクしない。まして、素人の国会議員のプロセスごっこなど軽蔑の対象でしかあり得ない。要は、前者はよくて影響皆無、後者はやればやるだけ票が逃げる。結果は火を見るより明らか。

では、民主党代表選挙で自民党が埋没しないためにはどうすればいい。やはりこれも天命と諦めるしかないのでしょうか。自民党はこの2週間「スタートダッシュで出遅れている上に、どこまで行っても離されるしかない」のでしょうか。






畢竟、上に書いた行動戦略の命題は1項目追加しなければ不完全ということ。すなわち、「政治政党としての自民党の認知度と信頼度の維持向上を達成すること」、と。

政党としての自民党の認知度と信頼度の維持向上を達成するために
要は、目立てばいいのだ。
結局、マスメディアに報道してもらえればいいのだ。
理想的には、口コミで全国的に話題になればいいのだ。



而して、ポイントは次の5点ではないかと私は考えます。

(甲)極論すれば、マスメディアは「国民=有権者」が関心のあることしか伝えない

(乙)極論すれば、マクロ的に見た場合、「国民=有権者」は重大なこと(ここでしばしば「重大≠重要」であることが重要!)にしか関心がない

(丙)重大なこととは、自分にとっての「生きられてある世界」、すなわち、フッサール流に言えば生活世界、および、生活世界と地続きな伝聞の世界としての<世間=社会>で有名な人物や制度の変化と評価に関係することである

(丁)他方、政党が、よって、自民党が認知度を上げ信頼度を上げるべき<世間=社会>の領域は、結局、政治の世界をおいて他には存在しない

(戊)政治とは権力の分配構造とその運用の全プロセスのことであり、権力とは実力と公的な権威の結合によって他者の行動を左右しうる地位や勢力のことである。而して、官僚制の発達した議会制民主主義の支配する国では、煎じ詰めれば政治とは、外面的には予算決定のことであり、内面的には政党と政府の人事のことである    


さて、これら(甲)~(戊)が満更荒唐無稽ではないとすれば、残念ながら、自民党がその認知度と信頼度を維持向上すべき政治という<世間=社会>の部面では、さしあたり、民主党代表選挙よりも「重大」なイベントは見当たりません。冒頭近くに書いた、今回の民主党代表選挙の特徴、すなわち、①「日本国の総理大臣を実質的に決める選挙」、②「豪華な対戦カード」、そして、③「勝敗の予想が立たない」という特徴は、すべて、(丙)に述べた重大さの度合を引き上げるファクターだからです。

ならば、自民党が2週間後のゴール地点でワンツーフィニッシュするだろう民主党系厩舎の両者から5馬身以上の大差をつけられて「馬群=自民党を含む野党」の中に沈む事態を避けようと思うのならば、発想の転換が不可避だと思うのです。


◆発想の転換:セミヌードの乱発から政策論争への乱入!

・梃子の原理戦術
・民主党代表戦の横取り戦術
・ランチェスター戦略の採用    



而して、「ランチェスター戦略」とは概略次のようなもの。

<第1法則=弱者の一転突破型戦略>
自分よりも優勢なコンペティターに対して、コンペティターよりもより優秀な<武器>を採用して「1対1」の戦いに持ち込み(「桶狭間」や「ニッチマーケット=隙間市場」での競争に持ち込み)、漸次、マーケットシェアを増やす戦略

<第2法則=強者の野戦会戦型戦略>
自分よりも劣勢なコンペティターに対して、「多対1」の戦いに持ち込み、優勢な勢力を総動員して(昔、「パナソニック=松下電器」が弱小メーカーの製品の真似をして「真似した電器」と揶揄されながらも、この追随戦略で他社を圧倒していたように)マーケットシェアを維持拡大する戦略    


畢竟、自民党は、()民主党代表選挙の争点となる政策イシューについて、自民党の対案を即座に、また、()民主党の両候補の案の不備を指摘した情報も、具体的に、かつ、分かりやすく発表すべきである。而して、()これら()()の発信は、常に、総裁または幹事長、ならびに、その各々の政策イシューに関する党内の第一人者、および、女性か若手の国会議員の3名のコンビで行い、「国民=有権者」に、①自民党の政党としての一体感と団結力、②自民党の政策の安心感、そして、③生まれ変わりつつある自民党の若々しさと柔軟性をアピールすべきである。と、そう私は考えています。すなわち、これこそ政策論争という「1対1」型の戦場において<弱者>たる自民党が採用すべき戦略ではないか、と。

蓋し、上記の「民主党代表戦の横取り=民主党代表戦ジャック」が一旦軌道に乗れば、民主党代表戦が盛り上がれば盛り上がる程、マスメディアも自民党の政策案を取り上げざるを得なくなるだろう。而して、これがこの戦法を上で「梃子の原理戦術」とも呼んでいる所以なのです。


しかし、最早、遅きに失したの、鴨。蓋し、党内対立と分裂を避けるためにでしょうか、谷垣執行部は昨秋から自民党内の政策論争を実質凍結してきた。正直な所、民主党代表選挙で争点になるイシューについて、自民党は間違いなく的確に民主党の両候補の案を批判できるでしょうが、逆に、党としての自民党の公式の対案を出すことはそう簡単ではないのではないか。夫婦別姓や外国人地方選挙権、二重国籍や所謂「国際的な子供の奪取の民事面に関するハーグ条約」といったイデオロギッシュなイシューはもちろん、政党の政策の1丁目1番地である経済財政政策に関しても自民党に党の統一的な方針案があるようには見えませんから。

けれども、他に有望な戦略見当たらない以上、遅きに失したとはいえ、今からでも不眠不休で自民党は党の公式な経済財政政策の指針を取りまとめるべきではないか。今回の民主党代表選挙が、「ひょっとしたら自民党が党内の政策論争を凍結している事態を奇貨として、この機会に、民主党と自民党の存在感の差を更に広げようとする小沢一郎氏の戦術ではないか」という疑いを捨てきれない、コアな自民党支持者の私はそう考えます。

尚、「民主党代表選挙=自民党を葬り去ろうとする小沢戦術」という疑念、および、自民党衰退の原因分析、そして、自民党再生の処方箋と私が考えていることについては下記とそこにリンク張っている拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

・自民党敗れたり!
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59808885.html





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