英語と書評 de 海馬之玄関

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上田桃子プロは女子ゴルフ界のエリカ様? 頑張れ桃子姫! 

2007年11月15日 20時38分26秒 | すぽーっの話題

【Beautiful Beast and Brilliant Champion】


もう10日前のことになりますが、KABUが応援している上田桃子プロが、全米女子プロ公式戦を兼ねたミズノクラシックで優勝。今期4勝目で上田プロ自身初の賞金女王に一歩近づきました。今日、11月15日現在、女子プロトーナメントツアーも残すところ後2試合(大王製紙エリエールレディスオープン:11月16日~18日, LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ:11月22日~25日)。上田さんはKABU&寛子さんと同じ九州出身。あと2試合の桃子姫の活躍を期待して、AP電の記事を紹介しておきます。出典は "Ueda captures first LPGA title," Nov. 5, 2007, AP(上田選手全米女子プロトーナメントツアーで初優勝)です。

Momoko Ueda became the first Japanese player to win the Mizuno Classic in nine years, closing with a 5-under 66 on Sunday for a two-stroke victory over American Reilley Rankin and Sweden's Maria Hjorth. Ueda finished with a 13-under 203 total on the Kinetsu Kashikojima Country Club course and earned $ 210,000 (145,037 euro) for her first LPGA Tour victory.

Hiromi Kobayashi was the last Japanese winner, taking the 1998 tournament at Musashigaoka. "I'm thrilled," said Ueda. "This is the biggest win of my career and to do it here in front of the fans makes it even more special." Rankin and Hjorth, the 1999 champion, closed with 67s. Ueda took a one-stroke lead over Hjorth on the par-5 16th, making a 6-foot birdie putt. Hjorth then bogeyed the final hole giving Ueda a two-stroke cushion.

The highlight of Ueda's round was an albatross on the par-5 seventh hole where her second shot from the fairway bounced onto the green and rolled into the cup. "I've never even had an albatross in a practice round," said Ueda, who threw her ball into the gallery after retrieving it from the hole on No. 7.


<語彙>
thrill:「スリルとサスペンス」の「スリル」ですが、他動詞のthrillは「怖がらせる」だけでなく「わくわくさせる」「期待のあまり興奮させる」というハッピーな意味でも使われます, a 6-foot birdie putt:「6フィートの長さのバーディーパット」(数字と名詞がハイフンでつながれて形容詞になる場合、数字とつながっている名詞は単数形になります。例えば、the six-party talks「6ヵ国協議」, a 21-year-old girl「21歳の少女」。実にシンプルですがこれはTOEICでも時々出題されるな論点です)

<文法&語法>
・日本人の優勝は9年ぶり
「the first Japanese player to win the Mizuno Classic in nine years」は直訳すれば「9年間で最初のミズノクラッシック日本人優勝者」になります。しかし、日本語としてはこの意味は「9年ぶりの日本人ミズノクラッシック優勝者」に近いと思います。「after nine years+名詞」という形を除けば、厳密には英語には(「9年ぶりの再会」「9年ぶりの勝利」「9年ぶりの皆既日食の観察」のどれにも「~ぶり」として共通で使える)、日本語の「9年ぶり」という便利な表現がないこと、そして、この表現の後には「Who was the last winner before her?」というタイプの質問が続くことが非常に多いこと(実際、本文テクストでも1センテンス挿んで「Hiromi Kobayashi was the last Japanese winner, taking the 1998 tournament」が続いている)からもそう言えるでしょう。

つまり、「the first Japanese player to win the Mizuno Classic in nine years」という表現では、「the first Japanese player」だけでなく「the last Japanese winner」にも話者の関心があるということです。而して、【the first something in ~ years】は「~年ぶりのsomething」と訳してよいと思います。

<和訳>
ミズノクラッシックで上田桃子選手が日本人選手としては9年ぶりとなる優勝を飾った。上田選手は5アンダーの66で日曜日のラウンドを廻り、アメリカのReilley Rankin、スウェーデンのMaria Hjorthの両選手に2ストロークの差をつけての優勝。近鉄賢島カンツリークラブのコースを舞台にしたトーナメントを上田選手はトータル13アンダーの203で終え、全米女子プロトーナメントツアー初優勝とともに賞金$210,000(?145,037)を手にした。

日本人選手の優勝は98年武蔵丘ゴルフコースでの小林浩美選手以来。「興奮のあまり震えが止まりませんでした」「この大会の優勝は今までの私のプロゴルファー人生の中でも最大の勝利ですし、大勢のファンの前で優勝を達成できたことは一層特別な思いです」と上田選手は語った。Rankin選手と1999年大会のチャンピオンHjorth選手は共に(最終日を)67で廻った。パーファイブの16番ホールで上田選手が6フィートのバーディーパットを沈めHjorth選手に1打差をつけ、更に、Hjorth選手が最終ホールをボギーとしたことにより上田選手との差は2に広がってしまった。

最終日、上田選手のプレーのハイライトはパーファイブの7番ホールでのアルバトロス。フェアウェーから上田選手の放った第2打がグリーンに乗り、そのままカップに転がり込んだパーファイブの7番ホールこそ最終日の圧巻だった。「公式戦のラウンドでアルバトロスを取ったこと今まで一度もないんですよ」と上田選手は語ってくれたのだが、彼女はと言えば、7番のホールからアルバトロスを記録したボールを取り出した後、【惜しげもなく】ギャラリーの中にそのボールを投げ入れたのである。【Cool, isn't she!】


***** *****

これまた、かなり旧聞に属しますが、上田桃子プロのオフィシャルブログが「炎上」したそうです。TBS系「情熱大陸」の10月7日の放送で、「同級生とかで、バレーとかバスケとかをしてる子がもう、不思議でしょうがなかったと言うか、先がないスポーツを何でできるんだろうと思って」という上田さんコメントが発端になり、「他のスポーツを解りもしないのに語らないでほしい」「見てただただ腹が立つ。ゴルフだって稼げるの一部の人間だけじゃないか」「思ったことを何でもずばずば言えばいいというものではありません。【2007年度のツアーも最終盤に入った段階で賞金ランキングで貴方はTopに立っているのだから】昨年までの上田プロとは立場が違うということを認識しましょう」などといった批判的なコメントが多数寄せられたとのこと。この「ブログ炎上事件」以来、週刊誌等は桃子姫を「女子ゴルフ界のエリカ様」と揶揄する記事の on parade 。

「女子ゴルフ界ではないエリカ様」とは、そう、ご自分が主演した映画の舞台挨拶の際に「別っーに」と「不機嫌モード炸裂」させて世間から「おいお前、その小娘、お前何様」の顰蹙とバッシングの十字砲火を浴びた末に涙の謝罪会見に追い込まれた、あの<美獣>沢尻エリカ嬢のことです。上田プロの公式ブログのタイトルが「桃尻桃子の「待ってろ世界!」」ということもあり、後ほど記すように本来「月とスッポン」の両者を非常識な言動で世間を騒がせた21歳という共通項で括り、「沢尻&桃尻」とパラレルに扱う記事が続出したのです。

そんな、世間の「女子ゴルフ界のエリカ様」批判から1ヵ月。我らがおてもやん桃子姫は上で紹介したように、日本の女子プロトーナメントの中でも最も格上の大会の一つ、ミズノクラッシックの優勝で見事に世間の誹謗中傷を自力で捩じ伏せた。流石、肥後女! 凄いぞ桃子姫♪

さて、ここで話しはまた10月7日の「情熱大陸」放送に戻ります。「先がないスポーツ」発言によるブログ「炎上」を受け、翌10月8日、上田プロは速攻で件の発言の真意を説明しました。その大意は、件の発言はゴルフ以外のスポーツに情熱をもって取り組んでいる人を嘲笑したものではないということです。そして、インタヴューで話した「先がないスポーツ」 という批判の中心となった言葉の意味についても「だって、プロっていうものがないじゃないですか? なのにどうしてそこまで頑張れるのかなっと思って」と、これ以上ないほど正直かつ率直に自分の真意を説明した。また、その同じ10月8日の公式ブログ記事では、上田プロが、小学校4年生でゴルフを始め、バレーやバスケも学校でよくやってたことや、今では「冗談抜きで私スポーツ界の中で一番バレーをよく観るんですよ」とバレーボール好きをアピールしたのです。


こうして、ブログ炎上に結びついた桃子姫のTVインタビューコメントの内容を調べてみると、同じ21歳の<非常識な言動>として取り上げられたものの、<美獣>エリカ嬢の「別っーに」発言が、TPOにそぐわないだけでなく、TPOから切り離してその発言だけを見た場合にも無内容かつ礼儀知らずのものであったのに対して、(TV局が編集したインタヴューがゆえにTPOは元来問題にならない上に)問題にされた桃子姫のコメントは実は内容的になんら問題がないことは明らかだ、そう私には思われてきたのです。

否、桃子姫のコメントは現在の日本の若者に切に求められているあるタイプの資質を彼女が濃密に備えていることを示しているとさえ思える。それは何か? あるタイプの資質と何か? それは冗談抜きに「おてもやん性」であり「肥後もっこす性」ではないか。今現在、私はそう考えるに至ったのですが、それを説明する前に桃子姫と<美獣>エリカ嬢のプロフィールを比較しておきましょう。

◆おてもやん桃子姫
D.O.B. :June 15, 1986
Home Town:熊本県熊本市
School graduated from:東海大学付属第二高等学校卒業
Size: hight ー161cm, weight ー54kg, blood type ーA
Ranking:2006年賞金ランキング13位ー0勝
   2007年賞金ランキング01位ー4勝(2007年11月15日現在)
公式Web:http://www.momokoueda.com/
公式Blog:http://www.golblo.jp/momoko

◆<美獣>沢尻エリカ嬢
D.O.B. :April 8, 1986
Home Town:東京都
School graduated from:日出女子学園高等学校中退
Size: hight ー160cm, weight ーN/A kg, blood type ーA
公式Web:http://erika-official.com/index.html (女優キャラクタ版)
     http://www.erika-web.com/ (歌手キャラクタ版)



上田桃子プロの発言は何も間違ってはいない。私はそう思っています。上田さんが「お金が稼げるかどうか」という基準で、任意のスポーツを「先のあるスポーツ」か「先のないスポーツ」かに二分したことは、誰からも批判される筋合いのないことだと思います。実際、「情熱大陸」の録画を見返しても、上田さんが「先のないスポーツ」を馬鹿にしているなどということはない。放送されたインタヴューの中で桃子姫は、あくまで、「私なら先のないスポーツではそんなに頑張れない」と正直に告白しただけでしょう。つまり、上田さんは「先のないスポーツなんかやめれば」と他人に言っているわけではないのです。ならば、他者に押しつけることなく自分の認識を披露したことの何が悪いというのでしょうか。何も悪いことなんかないに決まっています。

上田さんの言う(日本の女子において、バレーボールやバスケットボールが)「先のない」スポーツという事実認識が間違いならそれを指摘すればよい、けれども、事実認識が間違いでない場合、上田さんが「私なら先のないスポーツではそんなに頑張れないな」と吐露することを他人が批判することなど誰にもできないはずでしょう。それとも、ゴルフやテニスの賞金女王は、競馬の賞金獲得Topの騎手は、あるいは、プロ野球やサッカーの億円プレーヤーは、世間やより若い世代への影響を考えて「自分がどんなスポーツなら頑張れるのか/どんなスポーツなら頑張れないのか」を言ってはいけないとでもいうのでしょうか。桃子姫の言う「先のないスポーツ」関係者がそのような願望を持たれることを私は否定も批判もしませんが、その願望は他者を拘束する権限も内容も持たないことは明確だと思います。この点が、自分が主演した映画の舞台挨拶という、いわば(それがグレーゾーンであるにせよ、おそらく)「主演女優」のタスクの範囲内かその極めて近傍の活動において、「別っーに」を連発したあの<美獣>のケースとは決定的に違う。私はそう考えています。


神ならぬ身の人間だもの。好きなスポーツや嫌い(というか、あまり、興味のないスポーツ)はゴルフやテニスの賞金女王にもあるに決まっています。けれども、「所詮人気商売」のプロスポーツ。ゴルフやテニス、野球やサッカーという「先のあるスポーツ」の、そのまた影響力の大きいTopプレーヤーがその好き嫌いや、興味の有無強弱を述べることには<政治的>というか<ビジネス的>配慮が求められるかもしれない。そして、そのような配慮はある分野で天下を取るほどの選手であれば21歳の小娘だからと言って許されるものでもないと思います。その意味でも、忘れもしない1983年の6月、史上最年少で将棋の名人位を獲得した21歳の時の谷川浩司さんは、実に、matureな雰囲気を漂わせていたと記憶していますし、逆に、映画の主演女優という地位にあるものが映画ファンを無視する態度と指摘されても反論できない「別っーに」を連発するなどは21歳の年齢によって弁解不可能な事態なのです。

自分が主演した映画の舞台挨拶で無関係な第三者の如き「別っーに」発言を連発したプロ意識の欠如(というより、成人した人間なら当然備えているべき社会性の欠如)について、もちろん、それらをすべて21歳の小娘のせいにするのは酷で沢尻エリカ嬢を「エリカ様」と舞い上がらせた周りが悪いという声もあるでしょう。けれども、沢尻エリカ嬢は沢口靖子さん以来の、ほとんど20年ぶりに日本映画界が得た「生まれつきのお姫様女優」にして「大女優」になれる可能性も秘めた素材だと期待していた分、沢尻嬢には辛口になりましたが概略私はそう考えます。

ここまで考えてくれば、われらが桃子姫の「情熱大陸」での言動が誰からも批判される筋合いのものではなかったことは自明になるでしょう。蓋し、桃子姫は、「先のないスポーツ」を嘲笑中傷したのではなく、まして、桃子姫はバレーボールやバスケットボールなどの「先のないスポーツ」が嫌いとも興味がないとも言ってはいないのですから。

畢竟、「プロの世界と地続きでその道でお金を稼げる可能性のある、先のあるスポーツ」という明確な基準で「私ならそのスポーツでもの凄く頑張れるな」と判断することは、自立した人格の自己分析に基づくmatureな進路判断でしょう。つまり、芳紀21歳の上田桃子嬢の「情熱大陸」でのコメントは、しっかりしたキャリアディベロップメントのイメージを桃子姫が小中学生の頃から持っていたことの証左であり、その自己分析能力と進路に進んで行く自分の姿を具体的にイメージできる資質は、小中高生の進路指導一般においても大変参考になる素晴らしい成功事例さえ言えると思います。而して、その資質こそ、頑固な合理主義としての「おてもやん」性、あるいは、「肥後もっこす」性と表現するのが適当なsomething ではないでしょうか。

ならば、上田プロのブログを「炎上」させたものは何なのか? 蓋し、桃子姫のブログを「炎上」させたものは、

(A)小学生や中学生が「そのスポーツの先のあるなし」で競技を選択すべきではない

(B)「先のないスポーツ」などという2分法はそれが事実であったとしても(否、むしろ「事実であるがゆえに」でしょうか。)公の電波を使って流すべきアイデアではない

(C)昨年の優勝経験のない賞金ランキング13位の熊本の芋ねーちゃんゴルファーの発言ではなく、すでに今期4勝をあげほぼ賞金女王を掌中にしている選手の発言は「影響」が大きいがゆえに叩かれねばならない。また、ほぼ今期の賞金女王を掌中にしている選手なら「反論などすれば社会的に(あるいはCM契約などを考慮すれば金銭的にも)失うものが大きく」、つまり、批判のし放題になるにちがいない



というようなさもしい心根ではなかったかと私は思います。敷衍すれば、「スポーツでお金を稼ぐなどは本来美しくない」という大東亜戦争後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義的な思い込みと、上田プロ側から反論すれば「彼女自身失うものの方が大きい→反論などするはずがない→叩き放題だ」といった左翼や労組的なさもしい心根。少なくとも、それらと同質なものを私は「桃子姫ブログ炎上」に感じたのです。

畢竟、桃子姫は、1学年上の宮里藍プロ(1985年6月19日生まれ)や横峰さくらプロ(1985年12月13日生まれ)が、一足先にマスメディアに取り上げられ舞い上がっているここ2年間で着実に強くなっと思います。今年に関しては、(素人考えながら)なんと言っても彼女達より桃子姫が高い5センチの身長差がここに来て物を言っている気もしますが、今後、順当に行けば10年以上の競い合いの中で彼女達の力関係がどうなるかは「神のみぞ知る」でしょう。

蓋し、芳紀21歳の今にして戦う賢女の気品と品格漂わせる桃子姫を、あの<美獣>と比べるなどは無意味な作業と言うべきである。あるいは、<美しいかもしれないが動物>の衝動的言動と上田桃子プロの「先のあるスポーツ」発言を比べること自体が無意味であり桃子姫に失礼である。私はそう考えています。今期残すはあと2戦。頑張れ、桃子姫! 




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