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この投稿の内容はPh.d や Fine Arts 系を除いています。というか、MBAとロースクールを始めとするプロフェッショナルスクールと人文・社会科学・工学系の専攻だけを念頭に置いて話をします。また、英語力の指標にはTOEFL ではなくTOEIC を使います(受験者が多く話が分かりやすいと思うからです)。さて、みなさん、希望大学院のサイトでアドミッションのページを確認してください。出願には何と何が必要で出願締め切りはいつと書いてありますか?
そうです。大体は、(a)Appication Form, (b)学部や大学院の成績証明書(念のため卒業証明書も), (c)銀行の残高証明書や企業派遣や官公庁の派遣の場合にはスポンサーの費用負担確約書(個人スポンサーの場合には、確約書とスポンサー名義の銀行残高証明書),(d)アプリケーションフィーという出願費用。そして、(e)推薦状,(f)TOEFLスコア,(g)GMATやGREその他適性試験のスコア,(h)専攻によっては過去の作品集が要求されているはずです。また、場合によっては、(i)現地や日本でのインタヴューが課せられることもあります。尚、どんな留学ガイドブックにも、「合否を左右する重要なアイテム」と書いてあるエッセー、つまり、志望理由をまとめた文章は上記(a)の中で課題が示されているのが一般的でしょう(Essay や Statement Purpose と書かれています)。要は、これだけです。はい終わり。頑張ってください。
てなわけには行きませんよね。続けます。ポイントはここに書いていない「dead line」にあります。結構早いでしょう。2005年の秋入学の場合、今日、3月9日であれば三分の2くらいの大学院の締め切りが終わっていると思います。このすぐ後に言いますが、所謂上位校の場合既に80%がもう出願公募を締め切っていると思います。よって、英米の大学院合格の最大のポイントはこの出願の早さなのです。締切日までに原則上で確認したすべての出願書類や情報を志望校に送付しなければなりません。要は、英米の大学や大学院には<入学試験>というものはありませんが、出願準備のプロセスを通じてタイムマネージメントの能力(それは、セルフマネージメントの能力でもありましょう)が要求されるということです。では、次のセンテンスを大きな声で3回読んでください。はいどうぞ。
大学院留学の最大のポイントは時間である!
さて、制限時間が与えられている場合、どんな人が有利でしょうか? そう将棋でも囲碁でも大学入試の長文問題でもTOEICでもいいですから想像してください。そうです。情報処理が速く全体的な問題把握能力に優れ、そして、情報処理のキャパの大きな人が圧倒的に有利です。詰め将棋なんか必ず正解があるのですから誰でも順をおって考えれば解けるはずと一応言えますよね。しかし、13手詰めの作品なんかでは素人は3日3晩考えて解けるか解けないかなのに、プロ級の方は(時には失敗しますが!)大体1分あれば確実に解きます。これ総て、情報処理の速さと全体的な問題把握能力と情報処理のキャパの違い。くどいですが、TOEICのリーディングセクション75分で足りますか? これまた人による(というかその方の性格とその受験回で最低何点取りたいかにもよりますが、)何度受験してもコンスタントに930点をキープできる方は、大体、10分は残してマークシートを塗り終えると思います。でも、730点レヴェルだと「もう10分は欲しい」というのが正直なところではないでしょうか。
はい。これで大学院留学準備のポイントのポイントが分かります。それはずばり英語力である、と。英語力は(f)TOEFLスコア,(g)GMATやGREその他適性試験のスコアにだけ反映するのではないのです。それが乏しいと(a)~(i)の総ての作業工程を圧迫します。だから、「英語力がなければ時間がない。ならば、時間と英語力は金で買え」という留学予備校の論理も満更嘘ではないことになります。で、留学予備校にあんまり儲けさせるのは嫌だなという方は、留学時期を延ばし、まず英語力を上げてください。働きながらの私費留学か1年間をフルに留学準備に当てられるか等々のご事情にもよるでしょうが、工学系を除き中堅以上の英米の大学院を狙う場合、(a)~(i)という留学準備を始める前の入学前年の4月1日にTOEIC で700点は最低欲しいと思いますし、650点なければ翌年の留学は難しいと私は思います。もちろん、これは確率の話であり、奇跡は必ず毎年何%か起きます。運試しにやってみるのも悪くないかもしれませんから、止めはしませんけれども。ではまた、次のセンテンスを大きな声で3回読んでください。はいどうぞ。
大学院留学のポイントのポイントは準備開始時点の英語力である!
どんな人が合格するの? これを準備開始前に真面目に考えてください。準備中も何時も意識してください。英米の大学大学院には「入学試験」はなく、総て、相対評価で合否が決まります。もちろん、(b)学部や大学院の成績(GPA), (f)TOEFLスコア,(g)GMATやGREその他適性試験のスコアによる「足きり」は存在しますが、その足きり通過者の間ではこれらのスコア順に合否が決まるのではありません。だから、まだTOEFL や GMAT の足きりも通過していないのなら、持ち時間は優先的にこれらに投入すべきでしょうが、これらの目処がたった時点では、他のクライテリアの中で自分のストロングポイントとウィークネスを予想して、長所をどう伸ばすか短所をいかにカバーするかの戦略を立てるべきなのです。
最後に申し上げたいことは、ここでいう「相対評価」の「相対」とは全出願者ボディーではなく、日本人出願者あるいは東アジアからの出願者集団であるということです。英米の大学大学院は(それが中堅以上であれば、)高いレヴェルの多様性をキャンパスに具現したいと考えています。はっきりいって、ハーバードやスタンフォードに入学したいという学生はアメリカ国内だけでも潜在的には定員の数倍いるのです。では、何故、わざわざその貴重な定員枠を日本人や日本市民(在日の韓国人の出願者諸君! 頑張れ!)に与えるのか? 何ですと、「アメリカやUKは国際市民意識に溢れるえー国にやさかい」ですと。馬鹿か(おっと失礼、下品な言葉が出てしまいました)。彼等が日本人学生にアドミッションを与えるのは大部分を占めるアメリカ人学生にとってその方が(アメリカ人だけで固めるよりも)役に立つからです。その方がその大学のアメリカやイギリスの社会に対する貢献度が高くなると考えるからです。ならば、日本からの出願者の敵は同じ日本からの出願者である。この差別化を展開する舞台がエッセーでもある。だから、エッセーは「大学院留学の合否を左右する重要なアイテム」になるのです。大学院留学の準備の詳細はまた別の機会にご紹介したいと思います。では、最後に次のセンテンスを大きな声で3回読んでください。はいどうぞ。
大学院留学は日本からの出願者の中での相対評価で決まる!
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