英語と書評 de 海馬之玄関

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gabaの広告にまたいちゃもんをつけてみる

2005年11月14日 09時56分52秒 | 英語教育の話題

先日、小田急線の中で私のお気に入り(?)の広告を見かけました。gabaマンツーマンスクールの広告。最初に言っておきますが、私はgabaやNOVAの主張が満更間違っているとは思いません。外国語は結局それを母語とする外国人に習わなければなかなか話せるようにはならないのは確かだし、また、一斉授業ではなく「マンツーマン」で習うことが極めて効果的な場合というか外国語習得の学習時期は誰にでもやっぱりあると思うのです。

だけれども(費用効果は別にしたとしても)、学習の効果だけ見ても、全ての外国語学習者にとって外国語習得の全てのプロセスで、外国人にしかもマンツーマンで習わなければ効率的に外国語が話せるようにはならない;あるいは、その外国語で仕事ができるようにならない(家族でも彼女/彼氏でもない相手と、NGOやボランティア活動を含む<ビジネス活動>の中でその外国語を使って競争したり協力したりできるようになる)とは言えないと考えています。つまり、第二言語習得法(NOVA)もマンツーマンスタイルでの英会話研修(gaba)もそれが有効な時と場所がある。これが私の考えです。

英語学習方法についてはこのブログでも前に少し書いたので(下記URL参照)、今日は純粋に広告についてコメントしたいと思います。

・NOVAとGABAの主張「英会話はネーティブ講師から習うべき」をどう思われますか?
・英語ができるとどんなことができる? gabaの広告を読んで考えてみよう

さて、その広告がこれです。




英会話の
上達の秘訣は、
リラックスです。
(これ真実です。)


受験英語では必死で単語や文法を詰めこんだなあ。そんなつらい思い出をお持ちのみなさん、ご安心を。よく外国人の恋人をつくるのが語学の上達の近道なんて言いますが、マンツーマンスクールgabaでは、あなたが自然にどんどん英語を口に出せるようにリードしていくことにおいて、恋人以上のプロであります。

これに対して私が言いたいポイントは二つ。
①リラックスして話すためには、その前にある程度の勉強は必要じゃなかろうか?
②外国人の恋人ができると語学が上達するのは、リラックスして話すからじゃなくて、いっぱい話したいから/いっぱい話さなければならないからじゃなかろうか?


リラックスしようがラリルっているのでもない限り、知らない単語やイデオムは話せないし、相手が恋人だろうが「相手にとって未知」のことを伝えようとする場合には、文法に適った語順で話さない限り意思の疎通は難しいと思います。だから、リラックスして話すのは愛を語り合うにはいいとしても、ひとしきり”I love you.” “So do I.”の交歓が終って次のデートの相談になった場面で、ディズニーランドに行きたいと考えている相手に次のデートは防衛大学の学園祭に行こうと提案する段になると恋人同士の会話とはいえそれは「政治的交渉」になると思います。つまり、relaxよりもtacticsがものを言う世界♪

結論。「英会話の上達の秘訣はリラックス」というのは真実かもしれないが、リラックスして話すためにはある程度の勉強と政治が必要である。そう思います。そして、これは仕事として英会話を教えているgabaやNOVAの講師の方々と話す際にも当てはまることではないでしょうか、と。 gabaではここ数年、講師の先生方の処遇も改善されておられますが、少し前にgabaで働いた講師の方々の<本音>はこのようなものですから(簡単な英語だし、あんまり愉快な内容でもないので訳はしません)。

●GABA in Tokyo [JAPAN]
The lowest paying job in Tokyo (1350 yen) with the highest charging fees for students (8000 yen + extras). Crammed with abusive, law-skirting rules that are designed for one purpose: to cut your pay. Be prepared for rules such as "no facial hair, must wear black suit, must give 2 months notice, no social contact, must be available anytime, etc."

Lesson gaps are many and unpaid. Working hours are irregular from 7AM start to 10.40PM finish

No guaranteed minimum pay - often well below survival rate for Japan (200,000 yen). Teachers are left to fight it out amongst themselves to get enough hours.
No advancement opportunities but plenty of lies about potential benefits.
No commission is offered on sales of courses to students, just a flat fee of 1 lesson´s payment bonus.
No transport fee is supplied.
No tax processing offered. (You want to fill out your own end-of-year tax forms in kanji??)
No bonuses.
No pension contribution.
No insurance (even if you fall sick in class!!).
No pay for class preparation or administration.
No pay for cancelled lessons - you lose.
No consultation from the management - it´s "up to you to check your status" ^ which can change on an hour by hour basis.
Withholding tax is charged but not reimbursed (your classified as a "partner" - not an employee).
Expect to wait 2 months for your first paycheck from starting to work.

too good for Gaba [ID: 1305-1292]


出典:http://www.englishschoolwatch.org/notebook_detail.php?topic_id=1305

尚、私は、どんな職場でもスクールでも「不満」を持つ方は残念ながらいると思います。だから、上で紹介した声からgabaが「駄目なスクール」とは絶対に言えることではありません。上の元講師の方に対しては「スクールを経営する立場や顧客の立場からもう一度gabaを考えてみてください」と言いたいし、むしろ、gabaやNOVAはトータルでは職員の士気も高く、その運営システムも大変よくできた良心的なスクールだと思います。でも「英語は楽しく話せば身につきますよ」という(全く嘘ではないけれど)過剰な広告はいかがなものかと思わないではありませんけれども(笑)。



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1 コメント

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Unknown (EnglishMaster)
2006-04-14 23:46:29
NOVAとGABAのネイティブ至上主義ですが、「ネイティブ」をどう定義するかによって大きく変わってくると思います。



実は、NOVAは広告をよく見ると、「ネイティブ=外国人」なのですよね。つまり外国人であれば良い。教育レベル、話す英語のレベル、極端な話ではフランス人でも構わない、ということです。

GABAは、というと、少なくとも外国人にはこだわっていません。現に日本人である私が採用されたのですから。ただ、毎日黒い服を着るのが嫌だったのと、就業規則の英語が稚拙で間違いだらけだった点に学校全体のレベルの低さを思い知り、最終的にはけってしまいました。



で、質問の英語はネイティブに習うべきか、ということですが、私は必ずしもこれが当てはまるとは思いません。近々自分のブログでも書こうと思っていますが、なぜか日本では

「英語=外国人のもの」

という図式が出来上がっていますよね。



これは絶対におかしいです。



日本人なら日本人なりの英語をしゃべっても良いのではないでしょうか。これは決して発音等をおろそかにするわけではありません。ただ、発音にはこだわりすぎず、あくまでもきちんとした、正しい、日本人として使っていて気持ちの良い敬語みたいな英語を身につければ良いのではないか、と考えるのです。



現に、教養のある同僚は、アメリカ人ながら一般に「ナチュラル」と思われているようなタメ語的な表現を使うな、と厳しく言い、ファースト・ネームの使用も強制しません。

私自身、どちらかというとナチュラルさ云々よりもまず文法がしっかりできていることにこだわりますが、それでも十分外国で通用する英語力がついた、と生徒さんから喜ばれます。



また、外国人であっても日本語を理解できる先生の方が人気がありますね。日本について語るお手伝いができますし、何より生徒さんがめちゃくちゃな間違いを犯したときにも、思考回路をたどって訂正することができるからです。



ですから、いちがいにネイティブ・スピーカーであるから、ということでありがたがるのは間違っていると思います。



ただ、残念なことに日本人講師のレベルは一般的にあまり高くないですね。以前、この間倒産した学校で日本人講師として教えていたのですが、はっきり言って発音や語彙があやふやな方がかなり多かったように思えます。
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