英語と書評 de 海馬之玄関

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普天間基地問題☆確かに移設云々の前に知っておくべきですね。

2010年03月06日 07時46分04秒 | Weblog

以下ブログ友の桜乃宮アリス姫の記事転載です。

・浸食すること桜の如くブログ-元記事URL

 http://blogs.yahoo.co.jp/kira_alicetear/24209462.html



* * * * *

●普天間に国連軍 首相、官房長官知らず 質問の「ひげの隊長」あきれ顔

2010.3.5 20:30

鳩山由紀夫首相と平野博文官房長官は5日の参院予算委員会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)が、休戦状態にある朝鮮戦争の再発に備え日本にいる国連軍の指定基地であるのを知らないという失態を演じた。普天間移設には国連軍の扱いも必要だが、国連重視を唱える政権にもかかわらず、首相と平野氏の念頭にはなかったことになる。

質問したのは、陸上自衛隊のイラク先遣隊長だった「ひげの佐藤」こと佐藤正久参院議員(自民)で「そこも分からずに移設をうんぬんするのはおかしい」とあきれ顔だった。

日本には国連軍地位協定に基づき国連軍の軍人がいて司令部も存在するが、平野氏は「国連軍の形でいるか分からないが(神奈川県の米軍キャンプ)座間に国連軍の旗を掲揚している」「正規の国連軍は日本に駐留したことはない」と迷答弁。佐藤氏が「7カ所あるうちの一つが普天間だと知っていたか」と質すと、首相は「教えていただいたことに感謝する」と、初耳だと認めるしかなかった。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100305/plc1003052032028-n1.htm

<引用終了>



そして、国会審議での首相と官房長官の答弁。


【3月5日(金)参議院 予算委員会 佐藤正久委員 午前中の質疑】から書き出し

・佐藤正久
  「(前略)防衛上の観点から、少し普天間基地を見てみたいと思います。
   総理、今、自衛隊は国連のPKOに参加しています。
   今、この日本に国連軍がいる。ご存知ですか?」

  ・・・・・・・・(答弁 停滞タイム有り)・・・・・・・・・

・平野官房長官
  「国連軍という形でおられるかどうかわかりませんが、座間に国連の軍の旗を
   掲揚しているという事でございます。」

・佐藤正久
  「そこだけじゃないんですよ。それは日本には朝鮮戦争における国連軍というものが
  (位置?配置?)されて、地位協定もあるんですよ、総理。勉強してください。

   で、その、まだ朝鮮戦争は終わっていないんですよ。まだ休戦状態ですから。
   その7つの箇所に、今、日本の7箇所に、後方司令部なり、国連の基地があるわけですよ。

   その1つが普天間基地なんですよ。総理、ご存知でしたか?」

・鳩山首相
  「今、教えていただきました事に感謝いたします。」 ←←注目!

【ソース:参議院TV】
 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/



首相以下閣僚は、それ以前に「現在朝鮮半島は休戦状態である」という認識さえ無かったと思われます。日本や近隣国家の現在を形づくる歴史が、特に極東では「日本の侵略戦争」という認識のみで帰結しているため、中国国内での内戦や朝鮮戦争への認識が抜け落ち、本来極東地域の優先課題でもある地域防衛の概念さえ無いのでしょう。

従って、この部分の無知をさらした鳩山内閣は、二重に非難されるべきなのです。

「普天間が国連軍指定基地であるという戦略的意味を知らないのに移設案の検討をしようとした」
「国連重視を言いながら、国連の活動について無知だった」

鳩山首相の言う「ゼロベース」の「ゼロ」とは、知識「ゼロ」の素人ベースってことなんです。正直「普天間が国連の基地だった」ことを私も知らなかったのですが、佐藤議員はさすがですね。意外な論理での追及は大変参考になりました。

このことはメディアもスルーでしょうけど、こんな鳩山政権に国防や外交を任せられない危機感を私はどうしても持ってしまいます。「宥和外交」で国家間の緊張が緩和されるわけではないことは、平野官房長官まで言ってしまった「トラスト・ミー」のみで日米関係が改善されないことを見れば明らかなんですけどね。

自衛官出身の国会議員さんがもっと出ても良いと個人的には考えています。
(以上、アリス姫の記事転記終了)


* * * * *





【KABUコメント】
アリス姫の仰る通り、そして、時々この私のブログでも書いている通り、私がコアの自民党支持者だからというわけではなく、この首相と官房長官の<無知>には背筋が寒くなりました。「ざまーみろ! がははははっ♪」というのではなく「日本の首相と官房長官なんだからもっとしっかりしてちょうだいよ。頼むよ」という感じ。

蓋し、政権交代があったのだから。もちろん私はその大部分の政策には反対だけれども、民主党政権が自党の政策を推進するのは当然だと思います。残念ながら、でも、それが民主主義でしょう。けれど、政策の方向性とかイデオロギーの違いは別にして、この政権は「政権運営の規定演技」の部分でかなりの問題があると思う。それは、主義主張とかいう高尚なレベルではなく、そう、内政・外交を高校生が運営しているような、そんな怖さを感じます。

次の政権交代までは独自の政策を推進していいから、
憲法の手続を踏まえる限り何してもいいから、
でも、日本を壊さないでくれぇー!



と、テクニカルなコメントを最後に一つ。

蓋し、不戦条約の成立と国連憲章に基づく「戦争違法観」の普及により、現在、国際法が合法と認める戦争は、原則、①自衛戦争か、②内乱に限定されます。要は、「宣戦布告」も「講和条約」も戦争の開始と終結の条件にはならないケースが大部分ということ。

実際、第二次世界大戦後の数多の戦争では、最後通牒(ultimatum)が出されたケースは極めて稀。要は、内乱は(お互いに?)反乱分子に対する武力行使であり、また、自衛戦争の場合も、(お互いに?)侵略国からの武力行使もしくはその急迫・重大な攻撃の予兆に対する<反撃>であり、前者は(お互いに?)内政事項であり、また、前者後者いずれの場合にも悠長に最後通牒などは出している余裕も筋合いもないから。

而して、「戦争」を(「平和」でない状態。そして、「平和」を「戦争」でない状態という、憲法無効論なみのアホげな定義でなく)「戦時国際法上の権利・義務が認められ課される状態」と通説に従い定義すると。厳密に言えば「朝鮮戦争」は終わっています。例えば、第三国に、交戦状態であれば不可欠の中立義務など現在要請されませんから。

ただ、その終結は「休戦協定」に基づくものであり、朝鮮戦争が変動をもたらした権利義務関係は(講和条約が成立していない以上)確定していない。これは、大東亜戦争の日本と連合国間の「戦争」が1945年9月2日の「降服文書調印」で終結し、1951年のサンフランシスコ平和条約は、日本と連合国間の「戦争」に起因する権利義務関係の最終的な確定を行なったものにすぎないことと同様です。

よって、朝鮮戦争がもたらしたこれらの権利義務の関係の是正(≒損害の賠償や報復、新たな領土や国民の範囲の画定)を理由に、北も国連軍もいつでも再度開戦できることは間違いない。

と、佐藤議員の主張はこのような国際法的な背景を踏まえて理解すべきだと思います。
尚、詳細は下記拙稿をご参照くだい。



・国連憲章における安全保障制度の整理(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57964889.html

・憲法無効論は不毛ではないが無効である
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57820628.html

・憲法無効論の頑冥不霊と無用の用(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58998947.html 

 



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