朝日新聞がとうとう所謂「従軍慰安婦」なるもに関する誤報を認め社長が謝罪--2014年8月5日・6日紙面および9月11日の会見--しました。これは小さな一歩だけれども、大きな一歩になる、鴨。と、そう私は考えます。
そんな初秋の頃、私はといえば2週間ほどかけて庭の雑草と戦いました。体力勝負の消耗戦。そして、こちらも小さなものだけれども達成感のある勝利。ただね、<雑草>との関係は持久戦と言うより平和的共存的な永久戦争状態(?)なんですよね(涙)
而して、『週刊金曜日』に掲載されていた反日リベラルの次のような言説を目にするとき、「慰安婦」と言わず「原発再稼働」と言わず、「日の丸・君が代」と言わず「外国人参政権」と言わず、おそらく、ありとあらゆるこの社会の政治的なイシューを巡るこの<雑草>との戦いも朝日新聞の今回の敗北宣言に関わらずほぼ半永久的に続いていくのでしょう。そう感じました。
いやー、だって、それ、
無敵の論理なのだもの(苦笑)
▼デタラメな週刊誌報道-「『朝日』叩き」の異常
同様に『朝日』が「日韓関係の悪化にどれだけ影響を及ぼしたか」(『週刊文春』8月28日号)といった指摘についても、悪化させたのは右派の言動、日本政府の対応だとはっきりと言っておこう。韓国が『朝日』の報道に踊らされる愚かな国だと表現するこれらの記事が、さらに日韓関係を悪化させるのだ。
・・・
最後に、「兵士相手の売春施設」を持っていたのは日本だけではないのに、「国際社会で日本の慰安婦だけが『セックス・スレイブ』と批判されるのは、吉田証言で旧日本軍が慰安婦を『強制連行』によって無理やり売春させたと思われてきたからだ」(『週刊ポスト』8月29日号)という言説がある。
これに対しては、国家による組織的な性暴力に対して、これほど多くの被害者が訴え出た例は他にはないということ、また、その女性たちの訴えに対して日本政府が20年以上もの間、きちんと応えててこなかったことが、国際世論の批判を浴びているのだということを明確にしておきたい。・・・
(梁澄子-『週刊金曜日』2014年9月12日号, p.21
尚、下線はKABUによるもの)
いやーすごいね。これは、
驚愕すべき無敵の論理でしょう。
「これほど多くの被害者が訴え出た例は他にはないということ、また、その女性たちの訴えに対して日本政府が20年以上もの間、きちんと応えててこなかったことが、国際世論の批判を浴びているのだということ」
はい、
うみゅ、
>日本の右派は間違っている、なぜならば、
>日本の右派の言説に対しては多くの批判が浴びせられているのだから
>日本政府の対応が、きちんとしていたものではないのは、
>その女性たちの訴えがやまず、国際世論の批判が続いていることからも明らかだ
反日リベラル派が批判すれば「白でも黒」になるということ?
というか、反日リベラル派の判定は常に正しいということ?
そして、日本政府の対応が満足すべき水準かどうかは「被害者と国際世論」が決めるとでも?
畢竟、これなどが「驚愕すべき無敵の論理」であるのは、
反日リベラルの仲間内の世界だけのことでしょう。
蓋し、これなどは、いかに無敵に見えようとも世間的と世界的には論理の残骸にすぎず、
ならば、このような言説は、リベラル派の仲間内だけに通じる負け犬の遠吠え(?)に他ならない、鴨。
いずれにせよ、そんなん、論理の手続をきちんと踏めば、強力除草剤の前の1メートル平方の夏草にすぎない。
群生する雑草を前に立ちすくんでいた頃を思えば、
朝日新聞の謝罪という<除草作業の導線>が確保できた今、
私は確信をもってそう感じています。
尚、論争戦において勝敗を分かつものは<証拠>ではなく<記憶>であり、<記憶>に基づく勇気ある被害者の<行動>であるとかなんとかという類の超自己中言説に対して、論理的な根拠(爆笑)を提示していると思えるもの、すなわち、「戦争責任の根拠となる事柄は物語られる必要はなく記憶の断片でよい」というテーゼに関しては下記拙稿をご参照ください。
・書評☆高橋哲哉『歴史/修正主義』
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/3ddaab9f79ee4ac630414d90fd957c75
・戦後責任論の崩壊とナショナリズム批判の失速
http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/65226757.html