英語と書評 de 海馬之玄関

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<改訂版>英語がお得意な貴方へ、ひとこと言っていいですか? シャットアップ!!

2021年07月22日 20時12分10秒 | 英語教育の話題

 

下は、随分前のあるブログ友の記事の転載です。
日本人の英語力の現状について考えさせられる。
そう思いこの「記事のまくら」として再度転記
させていただきます。

 

・【再掲】アーカイブ☆英語教材としての<カーペンターズ>

 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/6394ffb89d93ecbf00ad095b61649812

・防衛省Mag☆MAMOR:特集「英語力を装備する自衛隊」

 --英語好きにはお薦めだったりする
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2377f54478cd51ab00abbce530bf67f6

・市岡綾乃さんのまたまた素敵な記事紹介:”客室乗務員に必要な英語力”

 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/7ff38834504cf83d8e41c727a1a66e55

・英語のカタカナ表記は「首尾一貫」させるべきか?

 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9cb08190824b5e9765605b3414c0accf

・イギリス英語の入門書紹介――役に立つのにお洒落で楽しい「イギリス英語」の招待状のようなもの
 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2387050ede4ca0a2947e1c5783157128

 そして、

・TOEIC公式問題集Vol.7はコロナくんとの共働制作のせいかこれまでの公式問題集の最高傑作、鴨。

 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/358d3065751fde4b46c4173f4f95e643

 

 


▼シャットアップ!!
仕事の接待で、とあるアメリカの大学の政治学の先生御一行との会食に出ました。先方は10名近いグループで、先生と秘書のほか、先生の同僚、仕事仲間、そして日本人留学生を含む学生さんなど。

日本人は3人ほどいらして、ひとりは先生の仕事仲間らしい中年のひと、残りは留学生らしいお嬢さんたちでした。

後者の二人は大和撫子らしくてほほえましかったのですが、先生の仕事仲間らしい中年の日本人女性は、外見は日本人ですが態度はすっかりアメリカ人、という感じのかたでした。

そして、正統派日本語なまりの流暢な英語で、まくしたてます。
「日本人は、自民党に辟易して政権交代を選択しました。自民党は実力じゃなく世襲で議員になる人がたくさんいましたから。今の日本の格差社会をつくったのは小泉です。取る人が全て取り、貧しい人はなにももらえない社会になりました。高校教育にも日本はすごいお金がかかります。民主党は高校教育を無料にしようとしています。」

わたくし、心の中につっこみがいくつも浮かんだのに、何も言えなかったのは、もちろん第一にはこちらが接待する側だったということもありますが、やはり、英語の会話では瞬発力がどうしても不利、ということも理由だったことは否めません。

・・・それにしても、このかたを見ていて、思い出したのは、
ロンドンにいたときBBCニュースに登場していたグリーンピース・ジャパンの代表の日本人(名前失念)でした。

日本が調査捕鯨を開始したのを受けたものでしたが、うら若いその日本人青年は、やはり正統派日本語なまりの流暢な英語で、これが調査捕鯨の名を借りた商業捕鯨である旨をまくしてたてていました。

・・・君たち、シャットアップ!!!!

赤旗を読んでいても思うのですが、なんというか、そのスジの方々は、実によく勉強していて、そして英語のニュースソースもよく読んでおられ、つまり英語に強い。

海外へ英語でまくしたてられる情報が、かなり偏ったものになっているとしたら、
それは、中道から中道右派な人々が世界に対してまくしてたてる度合いがちょっと足りないからなのかも、という仮説を立てたわたくしでした。

【転載元: なぜかロンドンそして東京, 2010-01-10 】

http://blogs.yahoo.co.jp/fukufukimama/58031049.html 

↗ Yahoo ブログ消滅によりリンク切れ😢

 



一瞬、「あれ、これ自分で書いた記事かな」と錯覚してしまいました(笑)。

それくらい時空を超えて共感した記事。

葢し、本編記事のポイントは切り口次第で幾つもあるでしょう。ただ、

元英語教育屋さんとしてのわたくし的には次の3点を特に

考えさせられました。


日本人の英語力は(潜在的にせよ)そう低いものではないこと

ただ、
 
英語ができるタイプの日本人の英語には
かなりクリアカットな特徴が観察されること

それは、コミュニケーションの効率を離れて(声色から表情から身振り手振りに至るまで)英語のネーティブスピーカーに近づくことが自己目的化しているのかもしれないこと。

例えば、あのキッシンジャー氏やシンガポールの「創業者」リー・クアンユー氏の英語は酷いドイツ語や広東語訛りの英語だった。けれど、両者ともその発信する内容と知性によって広くアメリカやイギリスのインテリ界隈でも尊敬を勝ち得ていた。このような事態は、英語のできる日本人のあるタイプには癪に障る不愉快な事柄なの、鴨。

そして、

③英語のネーティブスピーカーを、その声色まで真似るかどうかは、一応(英語でのコミュニケーションスキル開発のため「最適投下時間」という判断を超える、ある意味)、個人の美意識の問題でありそれは各自の自由ではある。しかし、「英語のできる日本人」をマクロ的に眺めるとき、そこには個人の勝手ですまない契機があるのではないかということ

蓋し、英語ができるタイプの日本人には、内省の契機が乏しいというアメリカ人の悪い側面と、朝日新聞に顕著なレッテル貼りとお題目の同語反復に終始して、よって、論理的に話ができないという(特に、相対的で異質な諸価値が錯綜する議論において論理的に対処できないという)、一種、日本人の弱点とされるものを併せ持つ方が少なくないこと。要は、そんな日本人は、往々にして「日米の悪いとこ取り」になっていることです。

これら①~③を鑑みるに、蓋し、(甲)一般の日本人にとっては、「英語より国語。国語より礼儀作法が遥かに重要」であり、加之、(乙)海外と戦うのが持ち場の日本人は英語で存分に戦える英語力と論理力を何が何でも身につけてもらわなければならない(ならば、声色なんぞ真似ている暇は恐らくない)。これら(甲)(乙)の2点が本編記事から演繹される、現下の日本人の英語に露呈している課題ではないかと私は考えます。

鳥飼玖美子『TOEFL・TOEICと日本人の英語力』

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4cb2bf2c2ab2f76d99b6471ea4890ac0

 



いずれにせよ、私は、自身、学部以降ドイツ語がメインだったこともあり、英語を使い始めたのは20代半ばから。まして、英語教育のプロとしての修業を始めたのが30代前半からということもあり、幸か不幸か、声色まで真似る暇はありませんでした。だから、当時はそのような凄く英語がおできるなる方々は雲の上の<女神様>だと思っていた。

で、30代の半ばの頃、アメリカの学界や教育政策のセミナーで、そういう日本から来られたお若い女神様達が、美しい英語で――立憲民主党の国会議員さんの国会質問ほど酷い<作品>ばかりではないにせよ――全く内容的にも論理的にも支離滅裂なことを話していることを度々発見するに及び、都度驚愕。

その後、立場も漸次上になり、今では私よりも若い世代のそういう女神様達が書かれたペーパーを事前審査の際に読む機会も増え確信しました。なにを? はい、要するに、彼等の多くが英語と論理で到底世界に通用しないだけでなく、葢し、その日本語も世間に出せないレベルの能力しか持たないこと。そう、かれらの少なからずは、カントの『道徳形而上学』流に言えば「美しいかもしれないが、ただ残念なことに脳髄のない頭部」の持ち主であること、『続あしながおじさん』流に言えば「脳のかわりにチーズ状のなにものかが占めている頭部」の持ち主であることを確信したということ。

貨幣価値:「あしながおじさん」に出てくる$35は今の**万円なのかしらね🐙

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/76196a7e22147ac8b22bf51986dfdf8e

岩波書店『カント全集』完結♪(画像差しかえ版❤)

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/95ae24e813f4c07a0a3983d5c0ba686d

而して、それ以来、もし選べるのならば私は綺麗な英語の発音をする方は、なるべく自分のチームには採用しないことにしてきました。そう英語の発音よりも――もちろん、鹿児島弁が「外国語」である経緯の延長線上のこととして、発音の面でも伝わりにくさからの限界はありますが(苦笑)――英語力。

すなわち、(H)内容のある英語での発信力、(K)厳密かつ合理的な解読力、(T)フィーリングや「ネーティブもそう言っていますから」という思考停止に逃げ込まず解釈の根拠を丁寧に提示できる説明力、そんな英語力。そして、繰り返しになりますけれども、このような(H)(K)(T)を備えたとしても、英語力よりも国語力、国語力より礼儀作法が――ビジネスにおいても、否! ビジネスにおいてこそ――遥かに大事だと思いますから。違いますか?

【本稿は2019年6月21日の自家記事の改訂版です】

 

英語力の「肝」もやっぱHKT❤

 

 

【関連記事】

・明治時代の政治家の英語力? 
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/cabe9aa4bcab0184771e55ae45d8fc58

・英語ディバイドという現象
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/b0374fc208e1d2cbd37a24ede26dc560

・忙しい社会人にとっての英語学習の意味

 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/422267540ab2640746adfd7537b51876

・草稿・科挙としての留学の意義と無意味

 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/3d2bc3378bcef0da078a1b30c9681d79

 

 

・日本人の英語力がもう少し向上すれば朝日新聞は倒産する、間違いなく (^_^)v

 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/5e2b0b025af0738758245db34c1213a9

・日本のイメージを毀損し続ける朝日新聞の害毒--英語版では「従軍慰安婦」を温存する朝日新聞

 https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/278bd2cd2261a9be4dc4bdb198c57aa4

 

而して、マルクス『ユダヤ人問題によせて』の掉尾の言葉(「ユダヤ人の社会的解放は、ユダヤ教からの社会の解放である」)に倣えば本稿の主張はこう要約できるの、鴨(to recapiturate, duck)。すなわち、

日本の主流派たる保守系市民の主張を効果的かつ好意的に受け取ってもらえる<英文テクスト>として海外に発信できる、強靭かつ柔軟、鮮烈かつ柔和、しなやかでしたたかなそのような日本社会の実現は、現在、「ネーティブスピーカーの英語」なるものが帯びている「物神性≒フェティシズム」からの日本社会の解放の可否にかかっている、と。

 

連帯を求めて孤立を恐れず 力及ばずして倒れることを辞さないが

力を尽くさずして挫けることを拒否する❗

連帯を求めて孤立を怖れず、万国の保守派よ、
団結せよ! 共に闘わん!

Conservatives of the world, unite!

Together we stand!

 

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