Other details are no less grim. Consumer spending sank at a 3.5% annual rate, similar to its third-quarter drop, despite a big rise in real after-tax income, thanks to the huge drop in petrol prices. Spending and incomes went in opposite directions because once-profligate consumers are now trying to save more. They put aside 2.9% of their income (after tax) in the fourth quarter, the highest rate since the beginning of 2002. They are doing so either by choice, because retirement savings have been devastated and they fear losing their jobs, or by necessity, because it has become so difficult to borrow.
Businesses are cutting back more savagely. Their investment sank by 19%, worse than any quarter in the 2001 recession which was, after all, a business investment-led slump. And that was despite some firms boosting spending to exploit a temporary tax benefit that expired at the end of the year.
Both exports and imports fell sharply, leaving no net impact on GDP (lower imports raise the calculation of GDP, while lower exports reduce it). Matters are likely to get worse. The dollar has strengthened in recent months and much of the rest of the world is in worse shape than America. According to JPMorgan, the economy in Britain probably shrank at an annual rate of 5.9% in the fourth quarter, the euro-area by 5%, and Japan by a heart-stopping 9%, in a country with no housing bubble or banking crisis.
経済情勢を巡る他の事項は動かし難い事実である。消費の低迷は第3四半期と同様に年率3.5%に達しており、それは石油価格の大幅下落による税引後の所得の増大にもかかわらず生じているのだ。消費と所得は【不況脱出に必要な経済成長やGDP拡大とは】反対方向に流れている。なぜならば、かって浪費家であった消費者は現在では貯蓄に走っているからである。実際、第4四半期に消費者は税引き後所得の2.9%を消費せずに貯蓄したのであり、この貯蓄率は2002年の年初以降最高の数値なのだ。而して、彼等がそういう行動選択を行なうについては、一つは、退職後に備えた貯蓄が目減りしてきていること、あるいは、失業の危惧が払拭できないことであり、他方では、お金を借りることが徐々に難しくなってきている状況下での必要に迫られていることがその理由である。
企業活動の縮小傾向は更に激烈である。その投資は19%も減少したが、それは2001年の不況以降のどの四半期よりも大きな減少である。而して、2001年の景気後退は最終的に投資不況に陥ったのである。しかもその投資不況は、その年末に期限が切れる臨時の税制優遇措置を利用することで幾つかの企業が投資を加速させたものの生じた結果なのだ。
貿易は輸出入とも急激に落ち込んでいる結果、GDPは貿易の数値によって実質ほとんど影響を受けていない(輸入の沈滞はGDPの算定数値を引き上げているが、他方、輸出の沈滞によりその引き上げられた分も帳消しになっている)。事態は徐々に悪化しているように見える。而して、ドル高基調がここ数ヵ月続いており、世界のその他の国の中にはアメリカよりも経済情勢が悪化している諸国も少なくない。JPモルガン社によれば、英国の経済は第4四半期におそらく年率5.9%縮小し、ユーロ圏は5%、そして、日本はなんと9%の縮小という緊迫した状況ということだ。しかも、日本は不動産バブルや銀行を巡る危機とは無縁の国なのにこの状況なのである。
If there is any silver lining, it is that while the recession was a year old in December, its first half was not especially deep: net GDP actually rose in the first half, and the downturn is actually a bit milder than the median post-war recession after 12 months. But the typical post-war recession was over (or close to it) by this point; this one is getting worse. Claims for unemployment insurance were high in January, sales of new homes slumped in December, and several big companies, most recently Starbucks, Boeing and Sprint Nextel, have announced thousands of job cuts.・・・
What could turn this around? Most recessions end as companies clear excess inventories and as households, with a boost from lower interest rates, release pent-up demand for cars and houses. This time is different. Tightened credit severely limits the ability of consumers and companies to spend even if they were so inclined.
More than usual, an end to this recession will depend on policy. Enormous hopes are riding on Barack Obama’s $819 billion stimulus package, which has passed the House of Representatives and is now being debated in the Senate. Of that sum, just $170 billion will find its way into the economy before this fiscal year ends on September 30th, largely in the form of expanded unemployment insurance benefits and reduced income tax which will make their mark within months.・・・
もし、このような悲観的な状況の中にも一筋の光明が見いだせるとすれば、それは不況は12月で1年間続いたことになる一方で、最初の半年間は特にそう酷い状況ではなかったこと、実際、実質GDPは最初の半年間は拡大していたのであり、而して、12ヵ月間の統計としてみれば今回の経済縮小の程度は戦後の不況の中でも平均的なものに比べてもまだいくらかは緩やかということである。しかし、戦後の典型的な不況は12ヵ月程度で終了した(あるいは、それに近い状況に至った)。けれども、今回の不況はいまだに悪化の一途を辿っている。すなわち、失業保険の給付請求金額は1月も高い水準であり、新築家屋の販売は12月も低空飛行状態、そして、巨大企業の幾つか、最近ではスターバックスやボーング、あるいは、スプリント・ネクステルが数年人規模の人員整理を表明するに至っている。(中略)
では、この状況を好転させ得るものは何か? 不況はその大部分が、企業による過剰な在庫の処分と、低い金利に押し上げられる形で家計がそれまで押さえ込まれていた自動車や家に対する欲求が解放されることによって終焉した。けれども、今回は今までとは様相を異にしている。緊縮した信用が消費者と企業の支出能力を猛烈に拘束しており、たとえ彼等が支出したいと思ってもそうすることは容易ではないからだ。
而して、通常以上に今回の不況の終焉の是非は政策に左右されるだろう。よって、バラク・オバマ大統領の総額8190億ドルの総合景気刺激施策に尋常ではない大きさの期待が寄せられている。而して、その施策はすでに下院を通過しており、現在、上院で審議中である。その施策の総額の中で1700億ドルだけが9月30日に終わる今財政年度にアメリカ経済に注入されることになっており、その大部分は失業保険の優遇措置の拡大や数ヵ月の期間限定の所得税の減税である。(中略)
Still, the package will help. The Congressional Budget Office thinks that GDP by the end of 2009 will be between 1.3% and 3.6% higher than it otherwise would have been, thanks to the stimulus. It had thought that the unemployment rate would rise from 7.2% in December to 9% by the end of this year; with the stimulus in place, it thinks it will only rise to between 7.9% and 8.6%.
But more must be done. “The real problem is a feedback loop from the economy to credit losses,” says Richard Berner of Morgan Stanley. The fiscal stimulus will achieve little until that is fixed. Thus the administration’s real work lies ahead: coming up with a bigger and more comprehensive plan for recapitalising banks and relieving them of bad loans.
しかし、それにしてもこの総合景気刺激施策は景気浮揚の一助にはなるだろう。連邦議会予算事務局の試算によれば、同施策が実施されなかった場合に比べて施策の景気刺激効果によって2009年末までにGDPは1.3%から3.6%は高くなるとのことである。而して、同予算事務局はまた失業率は先の12月の7.9%から今年末には9%に上がりかねないけれども、同施策が実施された場合には失業率の上昇は7.9%から8.6%の巾に収まると考えている。
しかし、二の矢として実行されるべきことがある。「本当の課題は経済から信用失墜への信頼回復である」とモルガン・スタンレーのリチャード・ベルナー氏は述べる。今次の財政出動による景気刺激策は金融機関の信用が回復しない限りほとんど効果はない。而して、オバマ政権の真の使命は財政出動の先にある。すなわち、それはより規模の大きな、そして、より徹底的な銀行の資本強化策であり銀行を不良債権の重圧から救済することなのだ(★)。
★註:金融規制を巡る新自由主義とマルクス主義の経済学
日本では世界金融危機を俎上に載せつつ、「今回の世界金融危機によって、 小泉政権が押し進めた「規制撤廃と市場万能論を基盤にした新自由主義」の誤謬が明らかになった」と説く論者が跋扈しています。而して、このような主張は「交通事故の悲惨を鑑みれば自動車文明の誤謬は明らかだ」という主張と大差のない論理の飛躍を犯しているものと私は考えます。
蓋し、「独占」を排除するための独占禁止法体系や雇用者と被雇用者の力関係を対等にして健全で持続可能な労使関係を具現するための労働法体系が、資本主義を維持する上でも肝要な制度である如く、「投機的な金融取引」や「実需とあまりにも乖離した金融商品」を規制することは資本主義、就中、自由で公平な競争に価値を置く新自由主義と矛盾しないどころか、むしろ(労働法的な働く者の権利の具現に貢献する「健全な労働組合」が新自由主義の戦友でさえあるように、そのような規制は)新自由主義的制度の不可欠の一斑と言うべきだと思います。
独占禁止法や労働法や金融規制によって資本主義は社会主義化するのではなく、益々、力強く新自由主義化への歩を進める。そう私は理解しています。蓋し、「市場万能論に立った新自由主義は弱肉強食の経済を志向するものであり、国内外で格差を拡大する」等のオドロオドロしい主張は、しかし、完全に間違いというわけではなく現象の一部面を正しく指摘している認識ではあるでしょうが、新自由主義的経済の帰結たる格差や貧困の解消は経済の社会主義化によってではなく、セフティーネットの整備に基づく敗者復活可能な新自由主義的な社会の具現によって(個人と民間の旺盛な活力の発露の中で)解決されるしかないものと私は考えます。
畢竟、「過度な競争や強欲な活動」を制限する仕組みによって資本主義社会を「より人間と自然に優しいし経済活動」が機能するものにできる等との考えは、意識改革とその制度化によって(現状の技術水準に基づく生産力と資本主義的生産関係を維持したまま)社会主義を実現できるとする「空想的社会主義」に他ならない。蓋し、マルクスが喝破した如く、「主要な生産が商品生産」として行なわれ、「人と人の関係が商品と商品の関係に物象化」する、而して、「商品の価値が(個々の商品の個性差に起因する)その使用価値とは別に(貨幣によって均一な基準で測定認識される)交換価値の形態」として立ち現われる資本主義社会は、「商品生産と交換に基づく利潤獲得プロセス」の再生産というその運動法則自体を止揚しない限り社会主義や共産主義が支配する社会に移行することはありえない。そして、マルクス主義経済学が予想したようにはこの資本主義の運動法則が終焉することがないことも確実でしょうから。尚、この最後の点に関する私の基本的考えについては取りあえず下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。
・世界金融危機への対処の日米落差 (上)
http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56685206.html
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
かなり真面目にブログランキングに挑戦中です。
よろしければ下記(↓)のボタンのクリックをお願いします。
海外ニュース部門エントリー中です♪
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★