前掲『地方史研究』第416号には、もう1本、標記の記事が掲載されています。掲載は120~122ページです。
標記の新刊(吉川弘文館、四六判、全240ページ、2021年、本体2,200円+税)では、日本中世の海に影響力をもつ諸集団につき「海賊」といえるほど終始反体制の行動をとるわけでなく「水軍」というほどに権力者との関係は強固でなく「海の武士団」というほど武士社会にコミットしないと指摘します。そのうえで、彼らを〈海の勢力〉と呼び、彼らのありようを捉えなおそうとしました。吉川弘文館「読みなおす日本史」シリーズの1冊として、一般的な歴史ファンも読みやすいよう平易な作文でもって構成されています。こうした本書の評価点を、簡潔な作文で述べてみました。