「…さてと、次はこっちだ。」
カガリは一度背伸びをすると、今度はプラントのラメント議長、そして大西洋連邦大統領のフォスターら、コンパス出資国に回線を開く。
皆、ファウンデーションとの戦闘終了の報告を受け、その最前線で指揮を執っていた「某海賊」と、「それを取り逃がしたオーブ代表首長」からの連絡を、首を長くして待っていたようだ。たちまちカガリのモニターに、各国代表の顔が軒を連ねた。
「申し訳ない。遅くなった。」
<アスハ代表、この度の出撃、大変にお疲れ様でした。貴国の無事を心よりお祝い申し上げます。>
ラメント議長が恭しく頭を下げた。
「いや、貴殿もご無事のようで何よりだ。」
<そちらからの情報提供のお陰で、どうにか事なきを得ました。>
<そちらからの情報提供のお陰で、どうにか事なきを得ました。>
ラメントの表情には安どの色が見て取れる。心から胸を撫で下ろしているようだ。プラントの最高評議会会議場は未だクーデターの鎮圧処理の最中らしく、通信の発信元はエターナルだ。カガリは首を振って応じる。
「ザフト情報局中佐、イザーク・ジュール氏とディアッカ・エルスマン大尉の迅速な動きによるものだ。彼らのお陰だ。良い部下をお持ちだな。」
「ザフト情報局中佐、イザーク・ジュール氏とディアッカ・エルスマン大尉の迅速な動きによるものだ。彼らのお陰だ。良い部下をお持ちだな。」
カガリはそう言って、ラメントの心情を慮る。すると
<それで、今もなお、オーブはファウンデーションへの救済活動を続けているとのことですが、あの地をいかがするおつもりなのです?統治者のない今、オーブの領土にでもするつもりですか?>
相変わらずフォスターは、厳しい口調で問い詰めてくる。
(このおばさんは…)
毎回食って掛かってくるのは、政治不安が大きいせいだろう。プラント以上に国境が多く接している地球上の国家のほうが、こうした領地問題にナーバスになりやすいのだ。
疲れからくる苛立ちも手伝って、カガリは声を上げそうになったが、先日の二の前になるまいと、思いっきり深呼吸して心を落ち着けた。
「オーブの理念をご存じか?『オーブは他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない』。この理念はオーブが存在する限り、国の礎だ。故にファウンデーションにも救援は行うが、オーブの傘下に取り込むつもりはない。未だユーラシアもレクイエムによる攻撃で混乱を極めている。だが国の前に大事なものがあるだろう。」
カガリは挑むようにフォスターを睨む。
「民だ。国は民無くして作ることはできない。ファウンデーションもユーラシアも、今は国民を救援し、のちに自治領の代表を立ててもらい、彼らが国の行く末を決めるのが筋ではないのか?」
父から学んだ大事な理。カガリの信念を支えるそれを疑うことなく伝えると、フォスターはカガリに気圧されたのか、口苦そうに噤み、ラメントも目を閉じる。
それを頃合いと見定め、カガリはなおも続けた。
「それからコンパスは現在、総裁であるラクス・クライン氏がMIAとなったため、一旦、発起人である私が総裁代行を引き継ごうと思う。これに対し異論はあるか?」
<いいえ。>
<おっしゃる通りで。>
<致し方ありませんね。>
<お任せいたします。アスハ代表。>
若干二十歳の小娘に仕切られるのが、沽券に関わるとでも言いたそうな各代表たちの表情。だが、それでも各国は現状、自国の鎮静化だけで精一杯のはず。そのうえで更に未だ厄介な立場のコンパスの舵取りをしたいと言い張る者はいないだろう。
なので、本来であれば総裁権限の委譲については、先に参加国の同意を求める必要があるが、キラとラクスの所在を消すために、あえて先に総裁変更の手続きをしておいたのだ。
今のカガリはそこまで世界の流れを読み取れている。
「ならばその上で、コンパスは活動が凍結されている以上、各地の紛争には各国で対応を頼む。民間人への救援物資が必要な国は連絡を。私からは以上だ。」
<わかりました。>
<やむをえませんな。>
<まぁアコードたちの脅威が去ったのです。現在これだけでもありがたいことかと…>
<コンパスの件は、とりあえず各国の現状が落ち着いたころを見計らって、再度検討ということで。>
どの代表からも、前線で戦った者たちへの敬意がないのは癪に障るが、それはあのアコードたちの振りまいた恐怖がそれだけ上回っていたからだろう。
画面上から各代表たちが消えたのを見計らって、カガリは机に伏す。
「はぁーーーーーー・・・」
(ラクスだったらきっと、この混乱をもっと上手く抑えられるんだろうな…)
でも自分はラクスではない。
ラクスにはなれない。
勿論、ラクス自身も今は自分が旗を掲げることは望まないだろう。
やれることは、自分のこの手のひらに収まる分だけ。
オーブ一国でも未だ手に余る状態なのに、な。
(私は…オーブを守れるのだろうか…)
お父様…
―――続きはこちらから。
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土曜日恒例、SS第2話更新です。よろしければササっと覗いてみていただけますと嬉しいです(*ー人ー*)♥
それにしても今日も暑い💦
9月も2週目に入ろうとしているのに、また今年も秋が来ないまま冬に突入しそうですね。紅葉見に行くの、癒しだったのに、多分昨年と同様色づく前に落ち葉になりそうな予感です。
この暑さのせいではありませんが、先日からセブンでサンリオキャラのクリアファイルがアイスに個買うと一枚もらえるという、1月に種自由でやったキャンペーンと同じのが開催されたというので(※相変わらず情報入ってこない💧)、まだ暑さの残るうちに、とアイスがっつり買ってきました。
その概念ファイルなのですが、流石はサンリオ!もうほとんど残っていなくって、奇遇にしてアスカガの概念だげ残っていた(苦笑)のを連れて帰ってきました♥
ちなみにキラ(シナモロール)&シン(ポチャッコ)&イザーク(クロミ)は影も形もなかったですよ…人気高いな~( ̄▽ ̄)
それにしても、連れて帰ってきたはいいけれど、クリアファイルばっかり買い溜めていたこともあって、呪術とか他のアニメのクリアファイルと合わせたら、同人誌の棚に並べても遜色ないほどいっぱいありました。一体いつこれを使うことになるんだろう??
ちなみに散々っぱら買い集めたBASARAのクリアファイルは、結構下の接着部分が取れてきたり、折跡みたいなのが出来ちゃったりして、そろそろ限界かな。ガムを買うともらえたヤツですが、兄貴と筆頭とみっちゃんのためだけに、えらい数のガム買い込んだ記憶が蘇ってきます(笑)
とりあえず、病院で毎回もらう資料とか、領収書とか、処方箋とか、入れるものが無くなってきたので、アスカガの概念にお任せしよう♪
―――というわけで、今夜はスーパーカップのずんだアイスを食べます(`・ω・´)ゞ
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