最後の大会でも、やはり勝負を決めたのは、35km以降の上り坂だった。多くのランナーたちの歓喜と無念の舞台となった市ヶ谷の上り坂。
僕がマラソン観戦にのめり込むきっかけとなった、'94年の東京国際マラソン。日本新記録で優勝という二つの栄冠を手にする目前で失速し、スティーブ・モネゲッティとヴァンサン・ルソーに逆転を喫した早田俊幸さんの姿に、マラソンにおいて「天国と地獄は紙一重」ということを僕は学んだ . . . 本文を読む
東京国際女子マラソンの29回の歴史の中で優勝を見ると、最初の15年で日本人ランナーの優勝はわずか2回。'83年(第5回)の佐々木七恵さんと、'91年の谷川真理さんだけである。どちらも、翌年の五輪代表選考レースとして行われながら、佐々木さんは代表入りして谷川さんは補欠だった。この時の代表選考はまさにスポーツ面をはみ出す事件となったが。この8年で女子の選手層が厚くなったことを示しているも言える。
以 . . . 本文を読む