来年の北京五輪女子マラソン代表を決める、東京国際女子マラソンがいよいよ明日スタートである。既に土佐礼子が世界選手権で銅メダルを獲得して代表を内定している今、東京、大阪、名古屋の3レースで2人の代表が選ばれることとなる。
アテネ五輪金メダリストでマラソン日本記録保持者の野口みずきと、10000m日本記録保持者にして、マラソン記2位の渋井陽子の直接対決に注目が集まっている。さらに、今年のロッテルダム優勝の大南博美、昨年の東京で2位の尾崎朱美も優勝争いに絡んできそうだ。
彼女たちは、国立競技場をスタートするライバルたちのみならず、大阪、名古屋のスタートラインに立つランナーたちとも戦わないといけない。この東京の結果は、来春の大阪、名古屋のレースにも大きな影響を与えることは間違いない。
8年前のシドニー五輪代表選考レース。直前に世界選手権セビリア大会で銀メダルを獲得した市橋有里さんの代表内定が発表され、それが影響したのか、千葉真子さんと山口衛里さんが世界最高記録を上回るペースで飛び出し、山口さんがコースレコードとなる2時間22分16秒で優勝。これは当時、高橋尚子がバンコクで記録した日本最高記録に次ぐタイムだった。
翌年の大阪ではリディア・シモンと弘山晴美が。凄まじいレースをやって見せた。トラック勝負で敗れた弘山のタイムは2時間22分56秒。そして名古屋で高橋尚子はそのタイムを上回る2時間22分19秒で優勝し、代表の座を得た。
世界選手権で銀メダルを獲得しながら、「タイムが悪い」市橋さんを代表に選んだことに批判が集まったことをご記憶の方も多いだろう。弘山、高橋の走りは明らかに、東京の山口さんの走りに影響されたものだった。
4年前の東京、事実上、金メダリストにして当時の日本記録保持者だった高橋の「信任投票」と思われたがまさかの失速で2位。タイムも2時間27分21秒にとどまった。翌春の大阪が記録よりも勝負狙いのスローな展開となったのも、小雪舞う寒さのせいだけではあるまい。東京の記録の低迷が、代表の座を大阪で得ることを決意させたランナーたちに、記録を狙う意欲を失わせたのかもしれない。坂本直子の優勝タイムは2時間25分29秒にとどまった。
大阪、名古屋を走るランナーたちに大きな重圧を与えるためには、東京では好記録を出す必要がある。山口さんのコース・レコードを破るようなレースを期待したくなる。
注目度の高さゆえに、毎回物議を醸すマラソンの代表選考だが、前回、アテネの代表選考は実に明確だったと僕は思っている。今年の柔道の世界選手権の代表選考において、金メダリストに勝った若い選手が代表に選ばれず、金メダリストが実績を買われて代表に選ばれて、金メダルを獲得し「ママでも金」と話題になったが、アテネ五輪の代表選考は、実績よりも選考レースの結果そのものが重視された。いかに金メダリストであろうとも、世界選手権で日本人3人に後塵を浴びた外国人に敗れたら、代表から外されてしまったし、男子の日本記録保持者に先着した2人のランナーが代表に選ばれた。
今回の東京、金メダリストの野口に渋井が挑戦という図式で、大いに盛上がりが期待されている。あえて、野口へのチャレンジを決めた、渋井、大南、尾崎らの勇気を称えたい。野口に勝ちさえすれば、代表の座は得られる。少なくとも、今の陸連強化部は、そういう代表の選び方をしている。実績のあるランナーに勝ったという実績が評価されるのだ。
マラソンは2年ぶりになる野口だが、4ヶ月前の札幌ハーフを見る限り、その強さは圧倒的である。しかし、渋井も2週間前に東日本実業団女子駅伝では、チームの優勝に貢献する走りを見せたばかり。今年は大阪の世界選手権の10000m代表入りできるだけの記録を残しながら、あえてこの大会のために辞退してきた。持ち前のトラックでの強さを東京のロードで生かせるだろうか?トラックと言えば、30歳過ぎてからトラックの自己記録を更新し、昨年のアジア大会代表にまでなった大南博美。渋井と同様に、実力は十分ながら、五輪選考レースでは勝てない、という汚名を返上できるかどうか?
外国勢も侮れない。自国の代表の座を東京で得ようと乗りこんで来るのであれば、展開次第では優勝争いにも絡んでくるだろう。最も持ちタイムの良いケニアのサリナ・コスゲイよりも、3年前に優勝しているイタリアのブルーナ・ジェノベーゼが面白い存在だが、優勝タイムが22分を切るペースになると外国勢は苦しいかもしれない。
優勝争いは全く予想がつかない。ともあれ、存続が危ぶまれている(東京マラソンと合併する可能性大)東京国際女子マラソンの中でも、長く語り継がれるような、好勝負となることを期待している。
アテネ五輪金メダリストでマラソン日本記録保持者の野口みずきと、10000m日本記録保持者にして、マラソン記2位の渋井陽子の直接対決に注目が集まっている。さらに、今年のロッテルダム優勝の大南博美、昨年の東京で2位の尾崎朱美も優勝争いに絡んできそうだ。
彼女たちは、国立競技場をスタートするライバルたちのみならず、大阪、名古屋のスタートラインに立つランナーたちとも戦わないといけない。この東京の結果は、来春の大阪、名古屋のレースにも大きな影響を与えることは間違いない。
8年前のシドニー五輪代表選考レース。直前に世界選手権セビリア大会で銀メダルを獲得した市橋有里さんの代表内定が発表され、それが影響したのか、千葉真子さんと山口衛里さんが世界最高記録を上回るペースで飛び出し、山口さんがコースレコードとなる2時間22分16秒で優勝。これは当時、高橋尚子がバンコクで記録した日本最高記録に次ぐタイムだった。
翌年の大阪ではリディア・シモンと弘山晴美が。凄まじいレースをやって見せた。トラック勝負で敗れた弘山のタイムは2時間22分56秒。そして名古屋で高橋尚子はそのタイムを上回る2時間22分19秒で優勝し、代表の座を得た。
世界選手権で銀メダルを獲得しながら、「タイムが悪い」市橋さんを代表に選んだことに批判が集まったことをご記憶の方も多いだろう。弘山、高橋の走りは明らかに、東京の山口さんの走りに影響されたものだった。
4年前の東京、事実上、金メダリストにして当時の日本記録保持者だった高橋の「信任投票」と思われたがまさかの失速で2位。タイムも2時間27分21秒にとどまった。翌春の大阪が記録よりも勝負狙いのスローな展開となったのも、小雪舞う寒さのせいだけではあるまい。東京の記録の低迷が、代表の座を大阪で得ることを決意させたランナーたちに、記録を狙う意欲を失わせたのかもしれない。坂本直子の優勝タイムは2時間25分29秒にとどまった。
大阪、名古屋を走るランナーたちに大きな重圧を与えるためには、東京では好記録を出す必要がある。山口さんのコース・レコードを破るようなレースを期待したくなる。
注目度の高さゆえに、毎回物議を醸すマラソンの代表選考だが、前回、アテネの代表選考は実に明確だったと僕は思っている。今年の柔道の世界選手権の代表選考において、金メダリストに勝った若い選手が代表に選ばれず、金メダリストが実績を買われて代表に選ばれて、金メダルを獲得し「ママでも金」と話題になったが、アテネ五輪の代表選考は、実績よりも選考レースの結果そのものが重視された。いかに金メダリストであろうとも、世界選手権で日本人3人に後塵を浴びた外国人に敗れたら、代表から外されてしまったし、男子の日本記録保持者に先着した2人のランナーが代表に選ばれた。
今回の東京、金メダリストの野口に渋井が挑戦という図式で、大いに盛上がりが期待されている。あえて、野口へのチャレンジを決めた、渋井、大南、尾崎らの勇気を称えたい。野口に勝ちさえすれば、代表の座は得られる。少なくとも、今の陸連強化部は、そういう代表の選び方をしている。実績のあるランナーに勝ったという実績が評価されるのだ。
マラソンは2年ぶりになる野口だが、4ヶ月前の札幌ハーフを見る限り、その強さは圧倒的である。しかし、渋井も2週間前に東日本実業団女子駅伝では、チームの優勝に貢献する走りを見せたばかり。今年は大阪の世界選手権の10000m代表入りできるだけの記録を残しながら、あえてこの大会のために辞退してきた。持ち前のトラックでの強さを東京のロードで生かせるだろうか?トラックと言えば、30歳過ぎてからトラックの自己記録を更新し、昨年のアジア大会代表にまでなった大南博美。渋井と同様に、実力は十分ながら、五輪選考レースでは勝てない、という汚名を返上できるかどうか?
外国勢も侮れない。自国の代表の座を東京で得ようと乗りこんで来るのであれば、展開次第では優勝争いにも絡んでくるだろう。最も持ちタイムの良いケニアのサリナ・コスゲイよりも、3年前に優勝しているイタリアのブルーナ・ジェノベーゼが面白い存在だが、優勝タイムが22分を切るペースになると外国勢は苦しいかもしれない。
優勝争いは全く予想がつかない。ともあれ、存続が危ぶまれている(東京マラソンと合併する可能性大)東京国際女子マラソンの中でも、長く語り継がれるような、好勝負となることを期待している。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます