KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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春の海外マラソン展望 vol.2

2005年04月16日 | マラソン時評
インターネットを始めて、良かったなあと思うのは、海外マラソンの結果が、レースの直後には知ることができるようになったことである。日本人選手が、日本最高記録を出した'94年のロッテルダムや'99年のベルリンなどは、NHKのニュースでも報じられたが、世界最高でも出るか、日本人がめざましい結果を出さないと、翌日の新聞にさえ載らなかったりする。

実際、今年のパリと、ロッテルダムの結果は、愛媛新聞の朝刊には掲載されなかった。

古い記憶をたどれば、'97年のベルリン、日本人1位は男女ともに(鈴木賢一と小幡佳代子)の自己ベストを更新したのに、その事を僕が知ったのは、翌月の「月刊陸上競技」を見てからだった。

しかし、今回のパリとロッテルダム、記録だけ見ると、「期待ハズレ」だったかもしれない。
「世界一、巧みなペースメイクが行われる」
と言われるロッテルダムでは、2時間7分50秒という優勝タイムも物足りなさを感じてしまうし、小島忠幸も村田史も、ベストとは程遠い結果だった。気候的にはどうだったのだろうか?

パリもロッテルダムも、女子の結果が悪いなと思った。ともに2時間27分台だが、ロッテルダム優勝のローナ・キプラガトは、22分台の記録を持っている選手だけに、物足りない。

まだ、こう決めつけては早計かもしれないが、今年の大阪と名古屋は、そんなに低レベルのレースとは言えなかったのかも。いや、2時間26分以内の選手が6人も出てくる日本というのは、やはり世界に冠たる「女子マラソン王国」なのかもしれない。

さて、明日はロンドン・マラソンである。男女ともに、世界最高記録保持者が出場!さらに男子は五輪の金メダリストに銀メダリスト、2年前の世界選手権の金メダリストが出場する!!

「長距離王国」エチオピアの皇帝、ハイレ・ゲブレセラシエに、シドニーの金メダリストケザハン・アベラの欠場が惜しまれるが、それでもなお、「真の世界最強(最速)決定戦」と呼んでも、「誇大広告」として、JAROに訴えられないかもしれないだけのメンバーは揃えている。

今回、この場に、日本人の五輪代表選手がエントリーしていることを喜びたい。アテネ五輪6位の諏訪利成が、五輪後の初レースとしてロンドンを選んだ。先の東京国際マラソンで優勝した、日本記録保持者の高岡寿成が、当初はロンドンへの出場も考えていたという。彼がこのメンバーと闘うのも見てみたかったが、東京優勝→世界選手権、というコースを選んだ事自体は、妥当な選択だとだったと思う。今、彼に、いや、日本の男子マラソン界に必要なものは、今世紀に入って、まだ1個も獲得していないメダルなのだから。

諏訪が果たしてどこまでやれるか、そして、優勝タイムはどのくらい出るのか、やはり、先週の2大会以上に期待で胸が膨らむ。
何と言っても、ペース・メイカーは中間点まで1時間2分30秒で引っ張るというのだ。

諏訪よ、憶することはない。テルガトもハリブも、アテネでは勝っている相手だ。バルディー二の背中を捕まえろ!

女子も凄いメンバーだが、ラドクリフが果たして、男子のぺースメイカー抜きで、どのくらいの記録を出すかが焦点だ。ニューヨークで接戦を制し、「独走でなくても勝てる」ところを見せただけに、「完全復活」をアピールしたいところだろう。

現時点で彼女は、世界選手権で、マラソンでの出場も否定してはいない。

パリとロッテルダムは、正直言って、
「見られなかった事が惜しまれる」
レースではなかった。少なくとも、結果の数字を見る限りは。ロンドンはぜひ、日本の全国ネット局が生中継しなかったことに対し、全国のマラソン・ファンが暴動を起こしかねないほど悔しがらせるレースとなることを祈りたい。



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