kankoのひとりごと

外出できず、ネットと電話・ラジオで日々が過ぎています

「生命のしくみ」を読んで

2016年10月10日 | 読書メモ

池上彰が聞いて分かった
生 命 の し く み
東工大で生命科学を学ぶ


ノーベル賞医学生理学賞に決まった大隅教授の「オートファジー」を知りたいと思って、この本を手に取りました。
大隅さんが「敗戦の半年前に生まれた」と知ったときは、馬齢を重ねてきたワタクシと同じ年月を、かのごとく生きてきた…と感慨深かったです。
一方の池上さんは、東大入試がなかった年に高校を卒業した方。その年齢の方には知り合いもいます。
それで、お二人の対談は、理論的にではなく、感覚的にファジーに(fuzzy:あいまいに、ぼんやりと)伝わってくるものがありました。
*オートファジー(Autophagy)のファジー(phagy)とは、別の言葉です。

本の帯にはこう書いてあります。

生物は暗記科目ではありません。
「分子の視点」で理解できます。


DNA、遺伝子、ゲノム、染色体はどう違う?
コラーゲンを食べると肌はきれいになる?
がん細胞はなぜできる?

本文には、テストの模範回答のような、明快な答があります。

池上彰さんは、今年3月まで、東工大で現代史の教授として在籍していたそうです。
生物学を学んだことがない学生に、生命科学を分かりやすく教えたいという東工大生命科学の教員の願いが発端となり、「同僚」の池上さんの協力を得てできた本とのこと。(まえがきによる)
高校までの授業や、受験に関する記述が散見されるのも、そういった経過からでしょう。
でも、一般向けの生命科学(ライフサイエンス)入門書(読み物)としても、違和感はありません。

本の中身は適当に調べてもらうことにして、私が「いい!」と思ったことを2つだけ記しておきます。

1、活字が太字のゴシックで、大きさも適当、色が黒なので、とても読みやすい。
 私は老眼鏡なしで読めました。

2、な~るほど、と思った個所
細胞はたんぱく質をリサイクルし、リニューアルしながら生物の体をつくり上げているが、究極のリニューアルは世代交代だ。(p173)
<おしまい>

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