kankoのひとりごと

外出できず、ネットと電話・ラジオで日々が過ぎています

老いらくの恋

2023年06月01日 | 古典聞きかじり
ずっと前から聞いているNHKラジオ『古典講読』
今年のテーマは「日記文学をよむ」阿仏尼『うたたね』

鎌倉時代中期の女流歌人・阿仏尼(あぶつに)は
晩年に書いた『十六夜日記』が有名だが
30歳頃に書き上げた、10代後半での失恋体験『うたたね』も
魅力的な作品だとのこと。

前回の放送は、30歳の頃の、30歳年上の藤原為家(藤原定家の子)との
熱烈な恋について、残された和歌からの解説だった。

そもそも阿仏尼は、皇族の安嘉門院(あんかもんいん)で宮仕えしていたが
10代終わりに恋に破れ、出奔して尼になり
尼寺で落ち着いた日々を送っていたのだ。

それなのになぜ、60歳の藤原為家と交流があったのかは解説なし。
(『古典講読』は、事実関係の解明ではなく、心の動きを味わうことが目的)

勅撰の『風雅和歌集』に載った2人の和歌から、心のうちを覗いて(想像して)いた。

為家の老いらくの恋は
『源氏物語』を読み込んで自分のものにしている阿仏尼の「才能に魅了された」ことが
見て取れる。
対して阿仏尼の方は冷静で、30歳年下なのに
母親のようにやさしく、受け止めている。

為家には正室、前妻との間に何人もの子供がいた。
それでも為家と結ばれた阿仏尼は、
道ならぬ関係でありながら結ばれた藤壺と光源氏の2人に
自分と為家を重ねていたのかもしれない(と想像が膨らむ)

のちに阿仏尼は、冷泉為相(れいぜい ためすけ)らを産んだ。
冷泉為相は「冷泉家」の祖である🤔


折も折、こんなニュースを見た。
「83歳のアル・パチーノ(俳優)に第4子が誕生予定! 53歳年下の恋人が妊娠」

その俳優を私は知らないが、二人は一緒にいるのが楽しかったんだろうね…😒

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