繋がれた者たちの運命、それがテーマの作品だった。
日本海に面した港町に、6人の受刑者がやって来る。仮釈放の身、国の施策により新天地で生きる道を与えられたのだ。受刑中という木に繋がった羊たち。
羊であるべき人たちの辿る道が描かれる。
キリスト教的精神がベースなのかと思われるが、劇中には土着信仰との絡みがあり、それがラストに連なる伏線になる。僕にはその部分があまりピンと来なかったが。
受刑者の一人を演じた水澤紳吾の動と静の演技が迫真だ。脚光を浴びていない人たちの中に、実力派がいる。
原作は、がきデカの山上たつひこ、シリアスなマンガ作品で、デビューしたことを知る。
(ユナイテッドシネマわかばにて)