たまには恵比寿のガーデンシネマで、オシャレ感を満喫しながらと思ったが、交通費節約のため回数券のバラ売りを買って、新宿武蔵野館で観る。
武蔵野館は、アレはダメ・コレはダメとうるさいことは言われず、ユルく気持ちのいい雰囲気の中で鑑賞できる。
1971年、文化大革命の後半期からストーリーが始まる、中国人民解放軍の芸能部隊の若者たちを描いた青春群像劇。宣伝ポスターのような楽しげな内容ではない。
芸能とは、最前線の兵士たちの慰問を意味し、タレントもまた軍人であるから、お互いに監視し合う中、色恋沙汰はご法度である。
歌・ダンス・寸劇・楽器演奏をするエリート集団の中、誰もが認める模範兵士(男)とダンスの才能を認められ、地方から部隊に加わった女性兵士の数十年を追っている。
1971年と言えば僕は高校1年。中国の政治施策に翻弄された同年代の人びとを思う時、腹の底にズシリと迫るモノを感じた。